剣を抜いたら異世界召喚されちゃいました

GILI

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第1話-奇跡ノ剣-

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紅蓮の炎の様に赤く染まる空・・・
私の周りを上位魔獣や下位魔人が囲んでいた。私は死を確信し、力強くスカートを握りしめた。
すると胸に違和感を感じ、それを取り出した。
装飾された小さな剣状のネックレス
「これにかけるしか・・・!」
取り出したのは低位召喚の道具
《召喚聖具(剣)》
「お願い!成功して!」
私は聖言を唱え、祈った。
勇者が召喚され、国が命が救われる事を・・・



「朝か・・・・・・。」
目覚ましの音で俺は目を覚ました。
俺の名前は 夕梛煌(ゆうなぎこう)
高校2年で陰キャで、彼女いない歴17年・・・。
成績は中の中、いい所が無ければ悪い所もない。普通の男子高校生。
生活も平凡、特に変わった事なし。平和だった。
俺は制服に着替え、朝飯を食べ、学校へ向かった。
「なーんか変わった事無いかねぇ。」
毎日見る街並みを見ながら俺はほのぼのと歩いているた。
「たす・・・て・・・」
「ん?」
「助けて・・・」
「え?」
「助けて・・・誰か・・・」
頭の中から女の子の声が聞こえた。
「なんだ!?」
俺は、周りを見渡した。
誰もいない。
「あれ、空耳?気のせいか…。」
気にせず、学校へ向かおうと一歩踏み出した瞬間。
目の前に剣が降ってきた。
「うわぁぁぁ!!!!!」
ものすごい音と共に衝撃波が俺を襲い吹き飛ばされた。
「んだよ!?」
「助けて・・・」
またあの声だ。
「その剣を抜いて・・・。」
「抜け?」
「抜けんのかこれ。」
黄金に輝く、美しい剣。
持った感じクソ重そう。
「ふん!!!まぁ抜けるか・・・?」
本気を出せば抜けそうだ。
俺は精一杯力を出して。
「おらぁぁぁぁ!!!!!抜けろぉぉぉ!!!!」
力を込めると勢いよく抜けた。
「抜けたっ!」
その瞬間目の前が光に包まれた。
俺はすごい閃光に耐えきれず目を閉じた。

「んん・・・なんだ?・・・なっ!」
気がつくと俺は怪物に囲まれていた。
「やった!成功した!」
「え?」
後ろから声が聞こえた。
振り向くとそこには風のように美しい銀髪の少女がいた。
目元には光る雫。
「お願いです!助けて下さい!勇者様!」
はぁ・・・?
なんだ?何が起こってる。
俺はさっきまで通学路にいた、それなのに、ここはどこなんだ。真っ赤に染まる空、燃え上がる住居、俺を囲んでいる化け物達。
「どうか!どうか、あの魔物を倒してください!」
いつの間にか俺の足元まで来ていた少女は、
涙を流し、俺に助けを求めてきた。
「そんな事言われても・・・どうすれば。」
少女は、少し驚いた表情を浮かべたが直ぐに
「その剣で!あの魔物達を倒してください!」
気づかなかったが、いつの間にか俺は手に剣を握っていた。
空から降ってきたあの剣を。
「嘘だろ・・・これで戦えってか!?」
剣道すらしたことない俺に戦えと!?
どうしろと・・・。
「クソ!とりあえず逃げるぞ!」
戦えるわけない、逃げる事を選んだ。
「えっ?」
「立つんだ!逃げるぞ!剣なんて扱った事がない!一旦退却だ!」
俺は剣を背負い少女の手を取り怪物をかいくぐり全速力で逃げた…。


俺は必死で逃げ、少女の言う隠れ家に逃げ込んだ。 
「ここまで来れば少しは安心だろ・・・。」
「いえ・・・安心は出来ません。あの魔物達は下級魔物固有能力の「千里眼(サーチ)」を持っています。逃げる途中飛行型の魔物に見つかっています。ですが、見つかるまでは少しは時間があると思われます。ですのでこの世界の事について喋らせていただきます。」
少女はこの世界の事、この剣の事、その他魔物の事など教えてくれた。 

この剣は、自分自身の心がそのまま具現化する。

この国は今「魔竜 カース・ハーク」に支配されかけているとの事。 

召喚などの魔法を使う際この世界では魔血と言う体内エネルギーを、使っているという事。

怪物に囲まれ絶体絶命の時召喚具と言う異世界から召喚者として召喚する道具を持っている事にきずきで俺を召喚した事。
つまり、俺は召喚者として召喚されてしまったのだ。
「俺が召喚者?」

「はい‥ですが召喚時に少し穢れた魔血が混じってしまったようで‥。召喚者の持つはずのないオーラを纏っているようです。」

「オーラ?」

「オーラは魔物や魔人が持つ特殊な力です。私たち人間が使う聖光とは違います‥。あれ?覚醒の宝石が光っていない・・・?」

「宝石ってこれか?」
剣のちょうど真ん中についている白く輝きの無い宝石。
「これが光っていないと戦えないのか?」

「いえ・・・召喚されその剣を握った時その持ち主に合わせて、形や色が変わり能力などが開放される現象・・・通称覚醒が起こるはずなのですが・・・。」
 
「え、それじゃあ、まだこの剣は覚醒してないのか!?ど、どうすれば覚醒するんだ!?」

「お、落ち着いてください!勇者様!私にも分からないのです・・・。何故覚醒しないのか・・・。」

「そんな・・・。」

グルルルァァ・・・。

「鳴き声!?」

「しっ!近くに魔物です・・・!もう魔物が集まってきてるなんて…。」

「こうなったら力が無くても戦うしか…!」

「・・・勇者様はお優しいですね・・・勝手に召喚されて怒っておられるかと思っていたのですが・・・こんな私を必死に守ろうと考えてくださる・・・最後にこんなお優しい方と出会えて嬉しかったです・・・。そう言えば名前を言ってませんでしたね・・・。私の名はノア・フェルフールと言います。」
 
「最後‥?」

キシャァァァ!!!

その時壁を破り魔物が入り込んできた。

「なっ!バレた!」

「ここまでですね・・・。勇者様!私が対魔結界を使って周りの魔物の動きを一時的に封じます!その隙にお逃げください!」

「そんな事したら君が!」

「いいのです!私は勇者様にこの国を救ってもらうのが役目!命張ってでも勇者様を・・・!」

「ダメだ!そんな事させない!」
 俺は声を荒らげ叫んだ。

「せっかく異世界に来たんだ!もっと俺に色々教えて貰わなくちゃな!」
俺は剣を抜き目の前の魔物に斬りかかった。
この時僕の心は守ると言う気持ちでいっぱいだった。
抜刀と同時に剣が黒く光輝く。。

光が収まると、剣は赤く燃え上がる紅色の剣に変化した。

「来い!魔物共!」

こうして俺の急展開すぎる異世界物語が始まった。







____________________

次回、覚醒
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