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高等部編
友達0人からのごめんなさい_2
しおりを挟む「殿下は『フランドル伯のもとへ直接出向いて約束した』とおっしゃったのですね? 」
カーラに質問されて私は頷いた。
「王太子殿下が伯爵様を呼び出したのではなく、赴いた……」
「あ……確かになんか変。聞きたいことがあるなら呼び出せばいいのに。フランドル伯がもう引退してるからかな?」
「でも、フランドル伯爵様は、一昨年、国璽尚書を引退された後も、たびたび国王陛下のお召しで登城されてるようですよ。フランドル伯爵様は、国璽尚書になられる前は、外務卿もお勤めでしたし、内政だけでなく外務に関しても国王陛下にご助言されてるようです」
肩書はないけど、相談役のような事をしている、とリラが教えてくれた。
「今は好々爺だけど、とても仕事が出来る人だって、お父様も言ってたものね。若い頃のお父様は何度も厳しく叱られたとか」
でも、それで仲良くなって、個人的にも交流があったのだから、フランドル伯は良い方なんだろう。私も真面目で実直な方だという印象が強かった。だから嫌われてしまって怖かった。
「もう、修道院にいこうかな……」
「アリスお嬢様、そう悲観なさらず……」
「でも、みんなに大嫌いって言っちゃった。友達いなくなっちゃった」
「お嬢様、お友達と喧嘩した次の日は『ごめんなさい』が基本ですよ」
優しく笑ってるリラは、本当にお姉さんみたいだ。幼馴染の面々を許す気はないが、とりあえずエリアスには謝りたい。大嫌いじゃないと言っておきたい。
「そうだね……明日は早めに登校しようかな」
「では、早起きしなくてはなりませんね!」
「早起きはいやだ~~~」
そうベッドの上でバタバタしていると、何かを思い出しそうな気がした。
……ん……?
修道院……礼拝堂……。
王室礼拝堂!思い出した!『悪役令嬢』が『悪魔』を召喚するのは、王室礼拝堂だ!
許可をもらって王室礼拝堂にも行ってみよう。きっと何か手掛かりがあるはず。
翌日、私はジュリアンとは別行動して、かなり早く登校した。
そして、私以外誰もいない教室に一番に来たのはエリアスだった。寮からとはいえ、いつもこんなに早くに来てたんだ。
「……おはよう」
私が自席で挨拶すると、エリアスが真っ直ぐ私の方に向かってくるから(え、なんで?カッコイイ!)と思ったけど、席が前後だから、こっちに来るのは当たり前だった。記憶力が残念なポンコツ頭だと毎日が新鮮だわ!!!
「アリス……おはよう」
挨拶してくれたことに、私はほっとしていた。
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