私に悪役令嬢は無理でした!でも好きな人がいるから頑張ります!

ゆきづき花

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初等部編

騎士様といえば是非あのお方にも来てほしい_2

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 私は内心めちゃくちゃ緊張しながら、たいした話題ではないですよ、という口調で聞いてみた。

「そういえば、アレックスはエリアス・アヴェーヌという方をご存知?」
「エリアス?知ってるけど、どうして?」
「ちょっと舞踏会の時にお世話になってて……」
「同じ年だし、騎士団の皆も彼には一目置いてるよ」

 私の目はキラーンと輝いたんじゃないかな。身を乗り出したので、アレックスが一瞬たじろいだ。

「何故? どんなふうに?! 聞かせて!!」
「え、ああ、剣の腕前が一級だから。剣筋が綺麗なんだよ。無駄がなくて」
「そうよねえええ~~~~」

 あのマルシェでの剣さばきを思い出して、私はニヤニヤしていた。

「まだ発展途上だけど、基礎が出来てるから将来が楽しみだ、って父上もおっしゃっていた」
「さすがわかってらっしゃる……」

 私は剣の事など、何もわかってはいないのだが。


「舞踏会で会ったの?」

 アレックスに問われたので、私は、具合が悪くなった時に、フランドル伯爵の護衛として来ていたエリアスに会ったことを話した。

「ああ、フランドル伯爵の親戚らしいね。地方に住んでいた彼ら家族を、フランドル伯爵が王都に呼んだらしいよ。跡継ぎにでもするつもりなのかな。でも養子にしたわけでもないし、学園にも来ていないしね。どうなんだろう。本人は騎士団員として淡々と任務をこなしてるけどね」

「えっと……アレックスから見てエリアスってどんな人……?」

 私は彼のことをほとんど知らない。それこそ不審に思われて当然だが、前世の知識だけで今、勝手に恋してるようなものだから。勿論、マルシェで会って、直接話をして、彼が真面目で正義感の強い人だということはわかってるのだけれど。

「……つかみどころがない、かな。あまり人と関わらないようにしてると思う。僕が12歳で、彼は14歳で入団してるけど、同じ年だし、仲良くなりたくて遠乗りやお茶会にも招待してみたんだけど、いつも断られる。この前も、もうすぐうちの領地で冬の狩りがあるから誘ってみたけど、あっさり断られた。社交が嫌いなのかもしれないね」

 私もこの前、お茶会の招待は断られた。でもカーラによれば、「着ていく服もない」と言ったそうだから、服を仕立てたいと申し出てある。返事はまだ来ていない。
 その時、一限目の終わりの鐘が鳴ったので、私たちは話を切り上げて教室に戻った。

 オスカーの顔色が若干悪い気がしたが、アフターケアはアレックスに任せた。
 私はエリアスへもう一通、手紙を書くことにした。


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