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おそらくこちらが本性です1 ※
しおりを挟む全身が怠い。このまま眠ってしまいたい。ふわふわした幸せな浮遊感。
でも、まだ離れたくないから、重たい腕を持ち上げて八木沢さんの背中に回した。私の首にキスをして、視界の端で彼が笑っている。
仕草も視線も鋭いままだから、私の全てをこの人に知られてしまったような気がした。
「もう一回、抱いていい?」
「えっ?」
もう寝るんだろうと思っていたのに、八木沢さんは一度体を離して、新しい避妊具を出していた。
抱いていい? と聞いたくせに、私の返事なんか待たずに準備万端なのはなぜだ。
だから、どうして持っているの、それ。どうして手の届く場所に置いてあるの。
「あ、あの八木沢さん、どうして……」
「すみません、年甲斐もなく興奮が治まらなくて」
質問したいのはそっちじゃない。確かにまだ元気そうですけども!
八木沢さんは戸惑う私には構わず、私の膝裏に手を添えて足を開く。触れあった下腹部からクチュ、と卑猥な音がした。
「んっ……ぁ……熱い……」
「本当に、熱くて溶けそうだ」
苦しいはずなのに、男性の挿入に合わせて私の中が緩やかに蠕動している。
ゆっくりと、ぬるぬると、奥まで入ってくる。続けて二回目って痛いのでは、と心配していたけれど、とろとろに解されているから滑らかだった。
達した体は敏感になっているのか、さっきよりも蕩けて熱い。触れている場所がじんじんと痺れるようで、すぐに高みに連れて行かれる。
体に力が入らないから、なされるがまま揺さぶられながら、ぼんやりと彼を見上げた。好き。
「……あぁ、好き、です」
「僕もあなたが好きですよ、和咲さん」
好きって言ってもらえて嬉しい。私も我慢しなくていいかな、と思ったから、腕を伸ばしてキスをねだった。
汗と体液のせいで、肌がぶつかるたびにぱちゅぱちゅと卑猥な水音がする。舌を絡めながらさらに激しく奥を突かれて理性が飛んだ。
「ああぁっ……!」
腰が跳ねて震えているのを見て、私が達したことに気づいたのか、八木沢さんが動くのをやめた。
胸に触れられて、体がしなる。また小さく達して愛液が溢れた。もっと熱くなって、ますます気持ちよくなる。
「すごい……きもちいい……」
「和咲さんは感じやすくて可愛いですね」
抱き起されて貪るようにキスされたあたりから、記憶が曖昧になっていった。
向かい合って座って、本能のままに体を動かす。快感が蓄積していって、何度も意識が弾けて視界がぼんやりしていく。
体が強張って、内はきゅうきゅうと締め付けている。突き上げられて、より深く感じて、無意識に彼の体にしがみついていた。
「ああっ……好き……大好き……離れないで」
「離しません」
絶頂の瞬間、耳元で彼が私の名前を呼んでくれた気がしたけど、朦朧として、全部が夢だった気がした。
ふわふわしながら、私の意識はゆっくり混沌に沈んでいった。
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