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想像と全然違うのですが1 ※
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私を後ろから抱きしめている八木沢さんの吐息が聞こえるくらい、部屋は静かで暗かった。
目の前にあるベッドの横に、彼が脱いだ服や靴があるのを見て、私が知りたいと願った空間に踏み込んだのだと実感した。
肩を掴まれて体ごと振り向くと、上を向かされて口付けられた。彼の動作にはなんのためらいもなかったので、逃げることも、心の準備すらもできなかった。
触れるだけのキスは一瞬で、すぐに強引に口を開かされる。彼の舌が絡みついて、吸うようにキスされていると、触れられている首や腰がぞくぞくして震えた。体を引いて逃げても、腰に手を回されてすぐに捕まってしまう。
どうしよう気持ちいい。キスを気持ちいいと思ったのは初めてだ。私も触れたい。
少し首を傾けて私からも舌を絡めたとき、小さく甘ったるい声が漏れて、それを自分でも淫らだなと思った。腰を引き寄せられて、もっと距離が近づく。薄い布越しに体温を感じて、さらに体が熱くなる。
やっと解放されたときには力が入らなくて、深呼吸しながら彼の胸に体を預けた。
八木沢さんは今どんな表情をしているんだろうと気になって、どきどきしながら見上げたら、再びぎゅっと抱きしめられたので、顔が見えなかった。
「どうしてこんなに可愛いんだろう」
「かわいい?」
「可愛いですよ。触れてはいけないと、我慢するのは辛かった」
そう言いながら、八木沢さんは軽々と私を抱えた。軋みもしない上質なベッドにおろされて、緊張してどうしていいかわからない。
覆い被さってくる彼の視線が鋭くて、普段と違いすぎて現実味がない。
陶然と見つめてくる八木沢さんは綺麗だ。少し怖いけど、もっと知りたい。違う顔を見たい。
首や胸に軽くキスされただけで、心臓の鼓動が速くなる。乳房を押し上げるように揉まれて、指先が尖端に当たると、腰がびくりと跳ねた。それに気づいた八木沢さんは、布越しにかりかりと引っかくように愛撫し始める。
「あっ、あ、あん……!」
「可愛い声だな。腰をくねらせていやらしい」
「んっ、八木沢さんが触るから……っ!」
「もう我慢しません」
手際よく服を脱がされ、彼の指が胸に直接触れると、びくりと肩が震えた。先端を指の腹で優しく愛撫したかと思えば、扱くように摘むから、強すぎる快感に体が揺れた。
首から鎖骨へとキスがおりていく。硬く勃ってますます敏感になった胸に八木沢さんの唇が触れて、思わず体を引いた。でも彼の大きな手が、私の体をシーツに押さえつけるから逃げられない。
「ああっ……!」
舌で愛撫されて肩が震えた。乳嘴を口に含まれて、優しく舐められて甘ったるい喘ぎ声が漏れる。指とは違う柔らかい感触。温かくてぬるぬると動く舌が、乳房も先端も舐め上げて、触れる場所全部が快感を拾っていく。
「あ、ああ……だめ……やめて」
気持ち良すぎて怖いから、八木沢さんの服を引っ張ってみても、ちらりと視線を投げて隠微に笑うだけで、一向にやめようとしてくれなかった。貪るように吸われて、全身に電気が走ったみたいに快感が突き抜けていった。
(どうしよう、想像と全然違う……勝手に、もっと淡白だと思ってた……)
いつも優しくて紳士的で、強引なところなんかないと思っていたのに。
歯を立てられて、小さく叫んだ。
「……っ!」
「ごめんね、痛かったね」
八木沢さんはそう言ったけど、愛撫をやめようとはしなかった。甘噛みされて痛いのに、舐められ続けていると、また歯を立てられても気持ちいいと感じ始めた。強く吸って離されて、唇に挟まれて、また貪られて。緩急つけて愛撫されているうちに、何をされても気持ちよくて、腰を揺らして喘ぎ続けた。
目の前にあるベッドの横に、彼が脱いだ服や靴があるのを見て、私が知りたいと願った空間に踏み込んだのだと実感した。
肩を掴まれて体ごと振り向くと、上を向かされて口付けられた。彼の動作にはなんのためらいもなかったので、逃げることも、心の準備すらもできなかった。
触れるだけのキスは一瞬で、すぐに強引に口を開かされる。彼の舌が絡みついて、吸うようにキスされていると、触れられている首や腰がぞくぞくして震えた。体を引いて逃げても、腰に手を回されてすぐに捕まってしまう。
どうしよう気持ちいい。キスを気持ちいいと思ったのは初めてだ。私も触れたい。
少し首を傾けて私からも舌を絡めたとき、小さく甘ったるい声が漏れて、それを自分でも淫らだなと思った。腰を引き寄せられて、もっと距離が近づく。薄い布越しに体温を感じて、さらに体が熱くなる。
やっと解放されたときには力が入らなくて、深呼吸しながら彼の胸に体を預けた。
八木沢さんは今どんな表情をしているんだろうと気になって、どきどきしながら見上げたら、再びぎゅっと抱きしめられたので、顔が見えなかった。
「どうしてこんなに可愛いんだろう」
「かわいい?」
「可愛いですよ。触れてはいけないと、我慢するのは辛かった」
そう言いながら、八木沢さんは軽々と私を抱えた。軋みもしない上質なベッドにおろされて、緊張してどうしていいかわからない。
覆い被さってくる彼の視線が鋭くて、普段と違いすぎて現実味がない。
陶然と見つめてくる八木沢さんは綺麗だ。少し怖いけど、もっと知りたい。違う顔を見たい。
首や胸に軽くキスされただけで、心臓の鼓動が速くなる。乳房を押し上げるように揉まれて、指先が尖端に当たると、腰がびくりと跳ねた。それに気づいた八木沢さんは、布越しにかりかりと引っかくように愛撫し始める。
「あっ、あ、あん……!」
「可愛い声だな。腰をくねらせていやらしい」
「んっ、八木沢さんが触るから……っ!」
「もう我慢しません」
手際よく服を脱がされ、彼の指が胸に直接触れると、びくりと肩が震えた。先端を指の腹で優しく愛撫したかと思えば、扱くように摘むから、強すぎる快感に体が揺れた。
首から鎖骨へとキスがおりていく。硬く勃ってますます敏感になった胸に八木沢さんの唇が触れて、思わず体を引いた。でも彼の大きな手が、私の体をシーツに押さえつけるから逃げられない。
「ああっ……!」
舌で愛撫されて肩が震えた。乳嘴を口に含まれて、優しく舐められて甘ったるい喘ぎ声が漏れる。指とは違う柔らかい感触。温かくてぬるぬると動く舌が、乳房も先端も舐め上げて、触れる場所全部が快感を拾っていく。
「あ、ああ……だめ……やめて」
気持ち良すぎて怖いから、八木沢さんの服を引っ張ってみても、ちらりと視線を投げて隠微に笑うだけで、一向にやめようとしてくれなかった。貪るように吸われて、全身に電気が走ったみたいに快感が突き抜けていった。
(どうしよう、想像と全然違う……勝手に、もっと淡白だと思ってた……)
いつも優しくて紳士的で、強引なところなんかないと思っていたのに。
歯を立てられて、小さく叫んだ。
「……っ!」
「ごめんね、痛かったね」
八木沢さんはそう言ったけど、愛撫をやめようとはしなかった。甘噛みされて痛いのに、舐められ続けていると、また歯を立てられても気持ちいいと感じ始めた。強く吸って離されて、唇に挟まれて、また貪られて。緩急つけて愛撫されているうちに、何をされても気持ちよくて、腰を揺らして喘ぎ続けた。
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