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おまけ
4. 私の方こそ変態でした※
しおりを挟む自分から下着を脱いで、スカートを持ち上げて、セックスをねだるなんて、私の方こそ変態だ。
でもして欲しくて堪らない。見られてるだけでどんどん愛液が溢れてくる。私が震えていると、柊平さんが困ったように笑った。
「あなたにそんな風に誘惑されたら、断れないよ。これでも、さっきまで、あなたをめちゃくちゃにしたいのを我慢していたんだから」
柊平さんはそう言いながら、私の太腿にキスをした。ちゅうっと吸い付いて痕がつく。
「……声を出さないでね」
立ってる私の前に柊平さんが跪いて、つま先から上へ舐めあげてくる。触れて欲しかった所を舌で愛撫されて足に力が入らない。ぐしょぐしょに濡れてるからぴちゃぴちゃと音がする程に舐められて、叫びそうになるのを我慢した。
「んんっ……ぁ」
「だめだよ、我慢して」
「ん……」
声が出そうだったから、首を横に振った。柊平さんは口を拭うとスーツのジャケットを脱いだ。
いつ親が部屋に来るかわからないから、お互い半裸でベッドにあがる。酷く淫らで浅ましい欲望に身体が疼いてる。早くいれて欲しい。それしか考えてなかった。
袋を破いて、避妊具をつけている柊平さんを見てるだけで、中がひくひくした。
私の身体は早く早くとねだっている。
膣口に当てられて叫び出しそうなくらいにうれしかった。待ちきれない私の身体はぬるぬると簡単に飲み込んでいく。気持ちいい。
欲しかったものを与えてもらって、身体が悦んでる。充たされていく。気持ちよくて幸せで、柊平さんの事しか考えられない。
「んんっ……んっ……」
「すごいね、絡みついてくる……こんなに待ってたの?」
「うん……。もう、共犯ですね。もし見つかったら一緒に怒られてください……」
笑いながら私がそう言うと、柊平さんは「酷いな」と言って嬉しそうに笑った。
激しくないけど、柊平さんは私の全部を楽しむように腰を揺らしている。さっき探られた私の弱い所を擦られて、気持ちよすぎて叫びそうだったから、私は片手で自分の口を塞いだ。
柊平さんの綺麗な顔が淫らな欲望に歪んでいく。きっと私も欲情した顔をしていると思う。
私は自分がこんな事するんなんて思わなかった。家でこんな事するなんて。性欲が我慢できないなんて。
「気持ちいいよ、楓子ちゃんの中」
「んっ……あ……ん……」
背徳感が快感を呼ぶ。律動とともに聞こえてくる、ぐちゅっぐちゅっという卑猥な水音が耳を犯して、さらに愛液が溢れる。
ベッドの軋む音が聞こえるんじゃないかと心配になりそうな位に、柊平さんの動きが激しさを増していった。奥の何かに当たって、背が仰け反る。痛いような、そうでないような。何度かその場所に当てられて、もう喘ぎ声を我慢出来なくなっていった。
「……ああっ! もうだめ、柊平さんっ」
「声、出さないで……」
「好きっ! ああ……んっ」
私が声をあげたから、柊平さんは唇を塞いできた。私は柊平さんの舌に必死に吸い付いて、声を出さないようにした。好き。頭の中も身体も、愛欲でいっぱいになって、きゅうきゅうと中を締め付ける。息が出来なくて、苦しくて、でも気持ちよくて、痙攣しながら絶頂を迎えた。
同時に柊平さんもイッてたみたいだけど、意識がぼんやりしてよくわからなかった。
唇を離すと唾液が糸を引いたから、柊平さんがそれを舐める。そして頬にも耳にもキスをして言った。
「すごいね、楓子ちゃん……。楓子ちゃんを気持ちよくさせるはずだったのに、私の方が搾り取られた気がする」
耳元に息がかかるから、余韻で何度も膣がひくひくとして、その度に柊平さんが少し笑いながら喘いでいた。呼吸を整えてから私は聞いた。
「……どういう意味ですか? いっぱい出ちゃったって事?」
「ああ……」
身体を離して避妊具を捨てて、柊平さんはちょっと放心した無防備な顔で「やってしまった……」と呟きながらベッドに腰をおろした。何だか可愛くて、私は柊平さんの股間に手を伸ばした。
「何?! くすぐったいからやめてよ、楓子ちゃん!」
陰嚢をふにふにしたら、確かにさっき見た時よりも小さくなってる気がする。へーと思いながら触ってると、本当にくすぐったいみたいで、柊平さんが笑いながら私の手を払い除けようとした。だから体をくっつけてそれを避けた。
「無くなるんですね」
「そうだよ……楓子ちゃんって本当にえっちな天使だね」
「……だから、天使じゃないですってば」
面白がって触っていたら、仕返しにとワンピースの上から胸を揉まれた。柊平さんは足ばっかり触って、あんまり胸には触ってくれない。物足りなかったから、気持ちよくてうれしい。
そのままベッドの上でイチャイチャしていたら、誰かが階段を上がってくる足音が聞こえてきた。パタパタ軽いから、多分母だろう。
私はここが自分の家で、両親もいることを思い出して、急に体温が下がった気がした。
恥ずかしい!!!
私はワンピースを着たままだったから、下着を布団の中に隠して、柊平さんに急いで服を着てもらった。
ノックの後、ドアの外から母の声がした。
「そろそろご飯出来るから」
「ありがとう! 下に行くね」
私は、柊平さんが服を整えたのを確認してから鍵を開けてドアをひらく。
「結婚式で使えそうな写真見つかった?」
母がニコニコしながら質問してくる。柊平さんも聖母のように微笑み返している。この人達を見ていると、人を外見だけで判断してはいけないとつくづく思う。
「いい写真がたくさんあって、迷っています」
「そう! パパがまだ印刷してないデータもあると思うから、あとで見せてもらう?」
「はい。ありがとうございます」
私達がさっきまで部屋でナニをしていたのか、気づいているのかいないのか、母はニコニコしながらまた階段を降りて行った。
その日は楽しく食卓を囲んだ。きゃぴきゃぴとはしゃぐ母に嫌な顔もせず、お酒の好きな父に付き合って、日本酒だけでなく焼酎やワインまで飲んで、感想を話していた。
柊平さんは、足フェチの変態であることを除けば、本当に穏やかで優しい人だなあと思った。私には勿体無いような気もする。
柊平さんが帰り支度をして、迎えの車が来るのを待っているときに、私は柊平さんに質問した。
「どうしてブーゲンビリアをくれたんですか?」
「花言葉……」
柊平さんは、綺麗な顔で微笑んでる。穏やかに。
さっき、あんなに激しく私を抱いた事なんて忘れてるみたいに。
男の人ってヤッたら、その女に興味を持たなくなる、なんて友達から聞いたことあるなぁと、ぼんやり考えていた。
私からねだるなんて、恋愛の駆引きとしてはダメな部類かもしれない。でも、柊平さんに触れて欲しくて仕方なかった。好きで好きで、一緒にいたくて我慢できない。
玄関の外まで出て柊平さんを見送りながら、帰って欲しくないなぁと思っていた。柊平さんを見上げていると不意に髪にキスをされた。
「来週はゆっくり会おうね」
別れ際に、柊平さんがそう言ってくれて、私は少しほっとした。
眠る前に、私は赤いブーゲンビリアの花言葉を調べてみた。
花言葉は「あなたしか見えない」だった。
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おしまい
お読みくださり、ありがとうございました~!
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