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2人が付き合った
デート
しおりを挟む「父さん、兄さん何してるの!?」
「父親として、お前に相応しいか見定めないといけないからな!」
そう言う父さんの顔には、ニヤついた笑みが見える。
「俺もどんな奴か確認するだけだから」
そう言う兄の顔は、胡散臭い笑顔だった。
2人は対象的な笑顔をしていた。
(父さんが笑顔なのは、私に彼氏が出来た喜び?兄さんが気持ち悪いのは、自分には彼女が出来たことがないのに健二に続いて私まで相手が出来た事による嫉妬かな?)
「どうしたの?」
そう言って海音君は顔を出した。
「ほうほう、君が海音君かね?なかなかのイケメンじゃないか。父さんは君が雪の婿になってくれるのを認めるよ」
そう言って海音君に近づき、父さんは親指を立てた。
「えっ?」
海音君は「どういう事?」とでも言いたそうな顔を私に向けてきた。
(ごめん、私にも分からない)
「ケっイケメンかよ」
父さんの横で兄さんはやさぐれていた。
(豹変し過ぎでしょ)
兄さんの周りに、黒いオーラが見えてきそうなほど暗かった。
「家はここに住む?それとも新居にするのかね?」
「えっえっと」
少し目を離した隙に父さんが暴走していた。
(話飛躍しすぎ)
「はいはい、そのくらいにしてあげて。いつまで経っても2人がデートに行けないでしょ」
見兼ねた母さんが止めに来てくれた。
「そうだな」
どうやら父さんも諦めてくれたようだ。
「じゃあ、いってきまーす」
「いってらっしゃーい」
そして私達はデート場所である遊園地へ向かった4人で.......
「なんで!?」
「あはは」
一緒に来ていたのは健二と彼女の白峰香澄だ。
「雪おはよう」
「おはよう」
このメンバーで遊園地へ行くってことは
「ダブルデート?」
「正解」
健二がそう返した。
(最終的には、気まづくて男女に別れるって聞いたことあるんだよね。)
「あれって、なかなか成功しないんじゃなかったっけ?」
私の代わりに香澄が聞いた。
「別にいいだろ、2人とも初めてなんだし」
「「へ?」」
健二がそう言うと私と海音君は同時に呆けた声を出した。
(私は初めてだけど海音もなの!?)
「嘘でしょ」
「いや、事実」
私が呟いた言葉を健二は否定した。
「じゃあ行こっか」
「う、うん」
─────遊園地
「着いた~」
私に先程までの緊張感は無く、楽しむことで頭がいっぱいだった。
「まずは何処へ行く?」
海音君が聞いた。
「ジェットコースター」、「お化け屋敷」、「バンジージャンプ」、
と海音君以外の3人は見事に別れた。
選択肢からして全員怖いもの知らずである。
どれから周わるかはジャンケンで決めた。
「よしっ」
勝負の結果は、健二が勝ってジェットコースターに決まった。
┄┄┄┄夕方
結論を言うと私達4人は強すぎた。
中学生カップルである私達は、障害であるアトラクションを余裕で突破した。
きっと従業員を困らせたことだろう。
(ホントにすいませんでした)
いちよう心の中で私は謝っといた。
「そろそろ帰ろうか」
海音君がそう言った。
「ラストはやっぱりアレだよね」
健二は観覧車を指さした。
(えっ?)
「そうだねー」
「僕も」
そう言って3人は観覧車に向かっていく。
「ま、まって~」
私は3人の後ろを追いかけた。
観覧車には数人並んでいたが直ぐに順番が回ってきた。
(今度も4人で乗るよね?)
「じゃっ」
健二と香澄でゴンドラに乗って行ってしまった。
(あぁー)
そして直ぐに別のゴンドラがやってくる。
「どうぞ~」
そう言われて私達は乗る。
ゴンドラは小さく揺れギシギシとしたおとを出している。
私達は対面に座っている。
(やっぱりキスしたりするのかなぁ)
正直私にはまだ早いと思う。付き合ったのは彼が初めてで、今日は初デートだ。
世の中には、それでも色々ヤったりする人がいるけど私は純粋な人生を送りたい。
「あのさ.......」
(来た)
私の鼓動は速くなり、息も少し苦しくなってきた。
(もうちょっとドキドキしてみたかったかな)
「雪って呼んでいい?」
「.......え?」
私は数秒固まった後、マヌケな声を晒した。
「ゴメンやっぱり馴れ馴れしいよね」
「ううん!別に大丈夫だよ!」
(なんだそんなことかぁ)
付き合ってから名前呼ばれて無かった。
「じゃあ海音って呼び捨てでも良い?」
そう私が聞くと
「もちろん」
彼は今日1番の笑顔で言った。
心の距離が縮まった気がした。
その後はゴンドラが下に着くまで話をしていた。
この話はフィクションです
キャラの名前、企業、団体は現実とは関係ありません
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
次回からは本編に戻させて頂きます。
※サンドイッチは美味しくいただきました。
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