「華がない」と婚約破棄された私が、王家主催の舞踏会で人気です。

「君には『華』というものがない。そんな妻は必要ない」

いるんだかいないんだかわからない、存在感のない私。
ニネヴィー伯爵令嬢ローズマリー・ボイスは婚約を破棄された。

「無難な妻を選んだつもりが、こうも無能な娘を生むとは」

父も私を見放し、母は意気消沈。
唯一の望みは、年末に控えた王家主催の舞踏会。
第1王子フランシス殿下と第2王子ピーター殿下の花嫁選びが行われる。

高望みはしない。
でも多くの貴族が集う舞踏会にはチャンスがある……はず。

「これで結果を出せなければお前を修道院に入れて離婚する」

父は無慈悲で母は絶望。
そんな私の推薦人となったのは、ゼント伯爵ジョシュア・ロス卿だった。

「ローズマリー、君は可愛い。君は君であれば完璧なんだ」

メルー侯爵令息でもありピーター殿下の親友でもあるゼント伯爵。
彼は私に勇気をくれた。希望をくれた。
初めて私自身を見て、褒めてくれる人だった。

3ヶ月の準備期間を経て迎える王家主催の舞踏会。
華がないという理由で婚約破棄された私は、私のままだった。
でも最有力候補と噂されたレーテルカルノ伯爵令嬢と共に注目の的。

そして親友が推薦した花嫁候補にピーター殿下はとても好意的だった。
でも、私の心は……

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