婚約破棄になりかけましたが、彼は私がいいそうです。

私はサント伯爵令嬢エレオノーラ・マストロヤンニ。
目が悪いせいで父から人形扱いをされている。

ある日、父に急かされて転び、ランプで顔に火傷を負ってしまった。

「馬鹿者が! もうお前には価値がない。代りにオクタヴィアを結婚させる!!」
「そんな……!」
「お待ちになって、お父様」

オクタヴィアは、厳しいけれど優しいしっかり者。
そんな妹の口添えも虚しく、私の婚約は父によって破棄……されかけた。

「否。私はエレオノーラと結婚しますよ、サント卿」

リーヴァ伯爵フェルモ・アリエンツォ様は、私を見棄てなかった。
彼は私を愛してくれた。世界を見せてくれた。

そして父は、周囲から孤立し、自滅していった──……

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