妹は私から奪った気でいますが、墓穴を掘っただけでした。私は溺愛されました。どっちがバカかなぁ~?

「お姉様はバカよ! 女なら愛される努力をしなくちゃ♪」

妹のアラベラが私を高らかに嘲笑った。
私はカーニー伯爵令嬢ヒラリー・コンシダイン。

「殿方に口答えするなんて言語道断! ただ可愛く笑っていればいいの!!」

ぶりっ子の妹は、実はこんな女。
私は口答えを理由に婚約を破棄されて、妹が私の元婚約者と結婚する。

「本当は悔しいくせに! 素直に泣いたらぁ~?」
「いえ。そんなくだらない理由で乗り換える殿方なんて願い下げよ」
「はあっ!? そういうところが淑女失格なのよ? バーカ」

淑女失格の烙印を捺された私は、寄宿学校へとぶち込まれた。
そこで出会った哲学の教授アルジャノン・クロフト氏。

彼は婚約者に裏切られ学問一筋の人生を選んだドウェイン伯爵その人だった。

「ヒラリー……君こそが人生の答えだ!!」
「えっ?」

で、惚れられてしまったのですが。

その頃、既に転落し始めていた妹の噂が届く。
あー、ほら。言わんこっちゃない。
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