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2章 帝国編
58話 二人の選択
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俺は話を切り出した。
「二人ともちょっといいかな?実は今日から1週間ほど王城を空けないと行けない用事が出来たんだ。だから魔法を教えることは出来ない」
「「え?」」
俺が1週間空けるうむを伝えると、二人とも小首を傾げながら困惑したような声を上げる。
「それは本当ですか?」
ミーナちゃんがそう聞いてくる。
「あぁ、本当だ」
「突然ですね、朝いなかったことと関係が?」
「まぁそんな感じだ」
そう聞いて来たのはサーシャ。
「なんか危ない事じゃ…ないですよね?」
そう聞いて来たのはミーナちゃん
本当に鋭いなこの子。サーシャも俺のこと疑ってるし…
「まぁ、特にあ、危なくはないかな?」
「なんで疑問形なんですか?そこははっきりしてくださいよ」
「ミツキ、実は朝も危ないことをしてましたか?」
「い、いやそんなことはないぞ」
「「はぁ~」」
え?なんか二人にため息をつかれた…
「危ないことをしていたんですね…ミツキ気づいてますか?」
「なにが?」
「ミツキはここ最近落ち着きがなくて何かをずっと考えているようでした。それに今日起きた時すごい焦燥しきった顔してましたよ。」
俺そんな顔していたのか…
「ごめん、ちょっと最近は忙しくてな」
「冒険者絡みのことですか?それとも…帝国のことですか?」
「!?」
いやいくらなんでも鋭すぎない?
「ミツキ用事の内容を教えてくれませんか?私達そんなに信用ないのでしょうか?」
ここ1ヶ月ぐらい一緒にいて信用ないはずがない。でも出来れば二人にはこの件には関わらせたくないのが俺の本音だ、少なからず二人のことはそれくらい大事に思っているからな。まぁでもなんかこの二人やけに鋭いしこのままいったらバレそうな気もするな。観念して言うだけ言ってみるか、、、
「わかった。内容を教える。実はあと5日後ぐらいに王国が帝国に戦争を仕掛けてくる」
「!?」
「そうでしたか…」
ミーナちゃんは驚いたような表情をサーシャはどこか納得のいったような表情をしている。
「ミツキ様!お父様は知っているのですか!?」
「いや、言ってない」
「では、すぐに知らせて来ます!」
「ちょっと待ってくださいミーナ様」
今すぐにでも伝えに行こうとするミーナちゃんにサーシャが待ったをかけた。
「サーシャこれは一刻を争う事態ですよ!すぐにでも伝えに行かなければ。
「冷静になって考えて見てください。今から言ったところでなにも出来ませんし、それに…」
そこまで言葉を続けてサーシャは俺の方を向く。
「ミツキは何か案があるんですよね?出なければ皇帝陛下にすでに教えているはずです」
やっぱりサーシャは頭がキレるな。
「あぁ、正直戦争はなんとでもなる。だから別に言う必要がなかった。でも、ちょっと焦っていたのかもな…なんせ初めての戦争だからな」
「その口ぶりですと、一人で行くつもりですか?」
「まぁそんなところだ。戦争は…」
俺が言葉を口にする前にミーナちゃんが口を挟む。
「そんなの納得できません!やっぱりお父様に言って来ます!」
「ちょっと待ってミーナちゃん」
そう言って席から立ち上がり、歩いて行こうとするミーナちゃんの手を掴み俺はそう言った。
「ミツキ様離してください!帝国の問題なのになぜミツキ様がそこまでするのですか!?帝国が解決するべき問題です!ミツキ様にそこまでのことはさせたくないです!それに…もしミツキ様がいなくなったら私…」
ここまで俺のことを考えてくれていたのかミーナちゃんは…でも最後のそれ俺死んでない?俺死なないよ強いから。
「まぁ知り合いから頼まれてな。それに戦争ぐらい俺一人でなんとかなるからな。そんな労力も必要としないし」
実際戦争自体はなんとでもなる。そのあとのことがちょっと大変なだけで。
「だから大丈夫だ」
「そんなのおかしいですよ。ミツキ様がやることじゃないのに…」
「本当に大丈夫だから、気にしないで。それに俺も結構思うところがあるんだよ…正直帝国に関してはどうでもいい。でもこの1ヶ月二人と一緒にいて楽しかったし。ミーナちゃんやサーシャには平和に暮らして欲しいからね。だから二人を守るために戦う、それだけだよ」
あれ?なんか自分で言っててあれだけどこれ死亡フラグじゃね?なんか死ぬ展開じゃね?
「わかりました」
「サーシャ!?」
「わかってくれたかサーシャ」
サーシャがわかってくれてよかっ…
「では私達も一緒に行きましょう」
「あれ?」
何故そうなった!?わかってもらえてなくない!?
「私もそれなら大丈夫です。お父様に言いません」
ミーナちゃんも!?
「えーっと二人とも俺の話聞いてた?」
「はい!」
「聞いてましたよ?」
絶対ちゃんと聞いてないよね?
「いやだから…」
「私達を守るために戦ってくれるんですよね?だったらミツキのそばにいなきゃいけないですよね。」
そう捉えたかー!確かにそう捉えることもできる言い方だったけど!?しかもうむを言わさず言ってくるこの感じどうしよう…
「ミツキ様いいですよね?」
「ミツキいいですよね?」
そのウルウルした目で上目遣いは反則だろ!
「わかったよ…一緒に行こうか。ただし二人には戦闘はさせないからね。付いてくるならこれが条件だ」
もうしょうがない。もし二人が危なくなったら守ればいいしな。
「「わかりました。」」
「それじゃあこれからのことを話していこうか」
「二人ともちょっといいかな?実は今日から1週間ほど王城を空けないと行けない用事が出来たんだ。だから魔法を教えることは出来ない」
「「え?」」
俺が1週間空けるうむを伝えると、二人とも小首を傾げながら困惑したような声を上げる。
「それは本当ですか?」
ミーナちゃんがそう聞いてくる。
「あぁ、本当だ」
「突然ですね、朝いなかったことと関係が?」
「まぁそんな感じだ」
そう聞いて来たのはサーシャ。
「なんか危ない事じゃ…ないですよね?」
そう聞いて来たのはミーナちゃん
本当に鋭いなこの子。サーシャも俺のこと疑ってるし…
「まぁ、特にあ、危なくはないかな?」
「なんで疑問形なんですか?そこははっきりしてくださいよ」
「ミツキ、実は朝も危ないことをしてましたか?」
「い、いやそんなことはないぞ」
「「はぁ~」」
え?なんか二人にため息をつかれた…
「危ないことをしていたんですね…ミツキ気づいてますか?」
「なにが?」
「ミツキはここ最近落ち着きがなくて何かをずっと考えているようでした。それに今日起きた時すごい焦燥しきった顔してましたよ。」
俺そんな顔していたのか…
「ごめん、ちょっと最近は忙しくてな」
「冒険者絡みのことですか?それとも…帝国のことですか?」
「!?」
いやいくらなんでも鋭すぎない?
「ミツキ用事の内容を教えてくれませんか?私達そんなに信用ないのでしょうか?」
ここ1ヶ月ぐらい一緒にいて信用ないはずがない。でも出来れば二人にはこの件には関わらせたくないのが俺の本音だ、少なからず二人のことはそれくらい大事に思っているからな。まぁでもなんかこの二人やけに鋭いしこのままいったらバレそうな気もするな。観念して言うだけ言ってみるか、、、
「わかった。内容を教える。実はあと5日後ぐらいに王国が帝国に戦争を仕掛けてくる」
「!?」
「そうでしたか…」
ミーナちゃんは驚いたような表情をサーシャはどこか納得のいったような表情をしている。
「ミツキ様!お父様は知っているのですか!?」
「いや、言ってない」
「では、すぐに知らせて来ます!」
「ちょっと待ってくださいミーナ様」
今すぐにでも伝えに行こうとするミーナちゃんにサーシャが待ったをかけた。
「サーシャこれは一刻を争う事態ですよ!すぐにでも伝えに行かなければ。
「冷静になって考えて見てください。今から言ったところでなにも出来ませんし、それに…」
そこまで言葉を続けてサーシャは俺の方を向く。
「ミツキは何か案があるんですよね?出なければ皇帝陛下にすでに教えているはずです」
やっぱりサーシャは頭がキレるな。
「あぁ、正直戦争はなんとでもなる。だから別に言う必要がなかった。でも、ちょっと焦っていたのかもな…なんせ初めての戦争だからな」
「その口ぶりですと、一人で行くつもりですか?」
「まぁそんなところだ。戦争は…」
俺が言葉を口にする前にミーナちゃんが口を挟む。
「そんなの納得できません!やっぱりお父様に言って来ます!」
「ちょっと待ってミーナちゃん」
そう言って席から立ち上がり、歩いて行こうとするミーナちゃんの手を掴み俺はそう言った。
「ミツキ様離してください!帝国の問題なのになぜミツキ様がそこまでするのですか!?帝国が解決するべき問題です!ミツキ様にそこまでのことはさせたくないです!それに…もしミツキ様がいなくなったら私…」
ここまで俺のことを考えてくれていたのかミーナちゃんは…でも最後のそれ俺死んでない?俺死なないよ強いから。
「まぁ知り合いから頼まれてな。それに戦争ぐらい俺一人でなんとかなるからな。そんな労力も必要としないし」
実際戦争自体はなんとでもなる。そのあとのことがちょっと大変なだけで。
「だから大丈夫だ」
「そんなのおかしいですよ。ミツキ様がやることじゃないのに…」
「本当に大丈夫だから、気にしないで。それに俺も結構思うところがあるんだよ…正直帝国に関してはどうでもいい。でもこの1ヶ月二人と一緒にいて楽しかったし。ミーナちゃんやサーシャには平和に暮らして欲しいからね。だから二人を守るために戦う、それだけだよ」
あれ?なんか自分で言っててあれだけどこれ死亡フラグじゃね?なんか死ぬ展開じゃね?
「わかりました」
「サーシャ!?」
「わかってくれたかサーシャ」
サーシャがわかってくれてよかっ…
「では私達も一緒に行きましょう」
「あれ?」
何故そうなった!?わかってもらえてなくない!?
「私もそれなら大丈夫です。お父様に言いません」
ミーナちゃんも!?
「えーっと二人とも俺の話聞いてた?」
「はい!」
「聞いてましたよ?」
絶対ちゃんと聞いてないよね?
「いやだから…」
「私達を守るために戦ってくれるんですよね?だったらミツキのそばにいなきゃいけないですよね。」
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「ミツキいいですよね?」
そのウルウルした目で上目遣いは反則だろ!
「わかったよ…一緒に行こうか。ただし二人には戦闘はさせないからね。付いてくるならこれが条件だ」
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