全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家

文字の大きさ
上 下
43 / 79
2章 帝国編

43話 ギルドマスターと異能者の過去

しおりを挟む
2階から降りてきたのは黒髪の美女、年齢は20代ぐらいに見える。

「それで、なんの騒ぎかねぇ?」
「それが…ヤタマノオロチが討伐されたんですよ!」
「ほう…して誰が?」
「この方です。」

そう言い受付の人が俺の方を指差す。

「ミツキと言います」
「そうかお主が…」

ん?なんか知ってるような口ぶりだな?

「取り敢えず…君は、こっちで対応するから二階に来てくれるかね?」
「わかりました」

そう言われ俺は返事をし、ギルドマスターの後をついて行き、二階へ上がって行く。

「ほら、お前達も騒ぐな戻った戻った」

ギルドマスターがそう促すと各自戻っていった。

二階に上がりマスター室と書かれている部屋に入る。

「取り敢えず掛けてくれ」
「はい」

そう促され、俺はソファにかける。

「急に悪いね、君とは話がしたいと思ってたんだけどなかなか時間がとれなくて、こういう形を取らせてもらったよ」
「自分のことをご存知で?」
「あぁ…ところで自己紹介がまだだったね。私はローザ。火の魔女なんて呼ばれている」
「俺はミツキです。普通にミツキで大丈夫です。それより魔女ってなんですか?」
「魔女とはこの世界で魔法に長けている女のことを指すんだ。魔女はそれぞれ5人いて、私は火を担当している。」
「へぇーそうなんですか。」

ローザさんは間を置いてから話し始める。

「知らないってことは、やっぱり君はだね?」
「!?」

俺は咄嗟にレーヴァテインを抜き取り構える。

「まぁまぁそんな慌てなさんな、お主に危害を加えるつもりはない。」

「何故それを?」
「なに、簡単なことさ。私の部下を王国の上層部に潜り込ませているからね。お主の情報は知っている。君がということもね。」
「逸脱者と知っていて、俺を殺しに来ないんですか?」
「ん?何故だね?」

ローザさんは紅茶を飲みながら疑問を口にした。

「いや、だってなんか逸脱者って災厄をもたらすとか言われてるんでしょ?」
「あーそれね、結論から言ってしまうとそれはなんだよ」
「嘘?」
「あぁ、少し昔の話をしよう。」

俺はレーヴァテインを鞘に戻し、ソファに座り話を聞く体勢にはいった。
そう言ってからローザさんは昔の話を始めた。

「まず、神と異能者の関係性からだ。昔、神と異能者は対局の存在にあってね。神は生まれた時から神として生まれ、異能者は生まれた後に成長を重ね、神と同等以上の力を持つと言われてた。その神と異能者は昔から争いをしていたと言われている。それが神話時代の戦争。ある時、神の一人が異能者に殺され、そのことに怒った神の長が自身の命と引き換えに全ての異能者を下界に追いやった、それから異能者は神界に行くために色々な手を尽くしたが誰一人として神界に辿り着いたものはいないと言う伝承がある。何故戦争になったのか?異能者は何故神を殺そうとするのか?そう言った理由はまだわからないがね」

「それでだ、何故異能者に逸脱者と言う称号をつけたかと言うのは、その後ステータスという概念装置を作り、下界で異能者を手っ取り早く殺すために神がその称号をつけたと言われている。だからこの真実を知ってる人達は逸脱者と言う称号に意味なんかないってことはわかっている。だから君を殺そうとはしない。わかってくれたかい?」

なるほどそんな昔話があったのか…
神についてはまた今度考えよう。

「わかりました…その真実を知る人達は何人いるんですか?」
「私を含めて10人くらいかの?他の四人は私と同じ魔女と言われている存在で後の五人は秘密だ」
「そうですか…ありがとうございます。ところで何故その話を俺に?」

「異能者が出たらこのことを異能者に伝えるのが私たち魔女の義務でもあるんだ。この世界で一人、殺される対象として見られるのは嫌だろう。異能者も同じ人間だ、そう見られて精神を壊したりもするだろう。そういうことにならないように真実を伝えるのが昔から引き継がれる私たちの義務というわけだ。まぁなんだ…逸脱者も同じ人間で私たちだけは味方だと安心させるのが魔女の役割だな。」

「そうだったんですか…ありがとうございます」

「取り敢えず、SSランクのヤタマノオロチ討伐ありがとうね。なかなか討伐してくれる人が出て来なくて困ってたんだよ、、、それと報酬だ」

そう言ってローザさんはお金が入った袋をこちらに渡してくる。
それを俺は受け取り礼を言う。

「ありがとうございます」
「それじゃあ、もう少しお主と話したいことがあるのだが、良いかね?」
「はい、大丈夫ですよ」

そうしてローザさんは話し始めた。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...