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1章 異世界転移編

第11話 -主人公視点- 異世界転移1日目終了

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-主人公視点-





*時刻は主人公が街を出て行った時まで遡ります。





王都を出た俺は一本道の街道を進んでいた。





「んーやることが山積みだな」





まず食糧確保、これはまぁ魔物が出ることを願って待つしかない。最悪森にでも入って狩りに行けばいい。



俺も人間だ飯を食わないと死ぬ。





(あれ?魔物…いるよね??)





まだこの世界に魔物がいるかがわかってない俺は不安が急激押し寄せてきた。





「ははは~なんとかなる!なんとかなる…」





(暗いこと考えても仕方ない異世界に来たんだし楽しく行こう!)





そうは思っては見たもののやはり不安が押し寄せてくる。その不安からかさらにネガティブなことまで考え出してしまった。





(魔物に遭遇して狩ったとしても食えるのか?それも生だよな?あれれ、火魔法ないと詰みじゃね?)





幸いにもまだお腹は空いていないのが救いか。次の街まで耐えられるか心配だが、頑張っていこう!





そろそろ日も暮れて夜になって来ている。



夜になる前に食糧を確保したい俺としては、森なんかがすぐに出て来ればいいんだが。



結構時間的にもまずいので小走りで街道を進む。





「森だ」





しばらくすると街道の右手に森が見えた



俺はその森に恐る恐る入ってみる。





「お、お邪魔しまーす」





当然返ってくる返事はなく、静まり返っている



そのまま奥の方に行くため歩みを進めていると





ガサッ ガサゴソ





何かが地面に生えている草と擦れ合う音がする。





「あの~そこに誰かいるんでしょうか?」





そう問うてみたがこんな時間に森の中でガサゴソやっている奴なんかいない。いたとしても野営の準備をしているに違いない。だが…





「「「ガルゥぅう!」」」





飛び出してきたのは三匹の赤い狼だった。





「野生のポケ○ンが飛び出してきたというのはこういうことを言うのだろうか?」





そんなどうでもいいことを口にしながら三匹の狼の方を見やる。





明らかに普通の動物とは違う、魔物のそれといっていい雰囲気を醸し出している。体毛が全部赤でいかにも火魔法を撃って来そうな見た目をしてる。





「「「ガルゥぅぅ!」」」





そんなことを思っていると案の定、三匹の狼が口を開いて、火の玉を生成している。





「おいおいまじかよ!そんな尾○玉作るみたいに、火を貯めんかよ!」





そんなことを言いつつ火の玉放たれたらやばいと思い、俺は即座に『異能』を発動させる。





(〈強奪〉発動!)





〈強奪〉を発動し三匹狼のステータスと火魔法を奪う。



火魔法を奪われ、ステータスも奪われた狼は力なく地に倒れ伏した。





「ふぅ 危なかった」





そう言いながら暗殺者から奪った短剣を片手に狼に歩み寄り喉元を掻っ切る。





ザシュッ!





「うわ 地味にグロいな」





俺は残りの二匹も同じように仕留め、『異能』を発動させる。





(〈異空間〉発動!)





〈異空間〉の能力は超高性能アイテムボックスだ。



入れた素材なんかを、選別、リスト化、 解体までしてくれる優れ物だ。まぁ他にも能力はあるんだが今は割愛。





発動したと同時に三匹の狼の死体が異空間へ吸い込まれて行く。吸い込んだ後、森を出て街道の左側の草原に立つ。





(よし、ここで狼焼いて食べるか。と、その前に)





火魔法が草原の草に燃え移ると大変なので俺は『異能』を発動させる。もちろん発動させる『異能』は〈異空間〉範囲を指定し、地面のに生えている草にを平行に刈り取るように〈異空間〉を発動させる。





「開けた場所の出来上がりっと」





〈異空間〉を発動させた半径5mは地面が見え更地になっている。そこへ腰を下ろす。





「〈異空間〉リスト表示」





そう唱えると、目の前にゲームで良くある半透明の画面が出て来た。その画面にはさっき入れた狼、



[ファイヤーウルフ×3]と表示されていて、右上の方には色々な機能ボタンが表示されている。





「へぇーこの魔物ファイヤーウルフって言うのか



なんというか…安直だな…」





そんなことを言いながら森に入り、木の枝をとって元の場所に戻る。



そして木の枝を置き、しっかり火をイメージして、【ファイヤ】と唱えると、掌に火が発現した。



その火を木の枝に移す。



火が木の枝に燃え広がっているのを見ながら、次の作業に移る。





「取り敢えず解体っと、そして肉だけを取り出しっと」





右上に表示されている解体マークのボタンを押し、[ファイヤーウルフの肉×3]と表示されているボタンを押す。そうすると俺の手には綺麗に切り分けられた肉が出てくる。





その肉短剣でぶっ刺し、火で焼く





「なんかサバイバルしてる気分だ…ってこれサバイバルだよね!?明らかに!俺、今日本人から見たら完全に原始人だよね!?」





独り言は虚しくも虚空の彼方へ消えてった。





「なんか…虚しいな。さて!そろそろ焼けてきたし



食べるとするか!」





こんがり焼けた肉の匂いが鼻孔をくすぐる。





「いただきます!」





食事の挨拶をして、こんがり焼けた肉に齧り付く。





「ウメェー!!」





美味しすぎて思わず叫ぶ、側から見たら完全にやばいやつであるが、今はそんなことは気にせずどんどん齧り付く。





(食感は鶏肉に近いな、ちゃんと調理したらもっと美味しいんだろうな)





そんなことを思いながら食べていると、あっという間に肉がなくなった。





「あー美味かった ご馳走さまでした。明日も食べたいな」





そんなことを言いつつ日の処理をし、〈異空間〉の能力の一つを発動させる。





ヴォォォォン!





そんな効果音と共に、目の前に歪んだ空間が出現する。





これは〈異空間〉の能力の一つで、異空間に部屋を造ると言う能力だ。



歪んだ空間の中に入ると、真っ白い質素な部屋がある





「これを部屋と呼んでいいものか…」





取り敢えず今日はここで寝るしかないので、地面に横たわりながら、歪んだ空間を閉じる。





(街に着いたら家具を揃えて設置しよう)





そんなことを思いつつ眼を閉じる。今日は色々なことが起こりすぎて、俺はすぐ眠りについた。
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