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プロローグ-出会い-

-2- 『長くなるが、本当のことを話そう。』

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 佐倉 柳は嗜む程度で趣味ではないが、心理テストの結果から自分のことを『傷つきやすい妬みの神』とか『臆病な独裁者』と言われ、『ぶっちゃけ珍しく当たっているのでは??』とかだと思っていた。実際、そうだった。繊細で自分より上の人間に嫉妬して、自分の存在価値を無くしたくなくてやろうと思えば悪口を言いまくって悲劇のヒロイン?みたいになれる、そんな最低なヤツだと。だから、彼は逃げた。社会から。全てから。

 彼は元々は日本にいた。育ちも生まれもそこだったためだ。しかし、彼の両親は二人とも外国人だった。ただ、お母さんは日本人のハーフだった。彼の両親は元々仲が良かった。
ただ、その家族の形は徐々に崩れた。幼かった柳は理由がわからなかった。ただ、毎晩のように親が喧嘩をしていた。「よしっ。今日も喧嘩しなかった。」と安堵した日が1番平和だった日という程に。お母さんは短期で怒るとものすごく怖かった。そのため、小さい頃から柳はよく小さいことで、しかも説明しても怒られていたので、怒られる度はもう黙って過ごして顔色を窺うようになった。

 柳の交友関係も色々と起きていた。2年生から5年生まで彼は、彼も入れて3人グループのとある男子の言いなりになっていた。言いなりになるのは母親で慣れていたため、多少なら良かった。しかし、柳は彼のことが嫌いだった。理由はいじめられたことがあったからだ。内容は、3年生の時「う○こして」っと道端でう○こされられたのだ。めちゃくちゃ悔しくて滅多に親の前で泣かないのに、泣いた。
ちなみに、そいつはリーダーみたいな子でメンヘラなのか、ヤンデレなのか知らないが、度々柳に「俺のこと、嫌い??」「俺のこと、友達だと思ってる??」って聞いていた。よくそいつの機嫌を損ねてお説教をされた。3人グループと言っていたが、彼はもう1人のやつを可愛がっていた。俺とその子の差も同然な程。ぶっちゃけ嫉妬してた。次いでに情けないけど、その頃は他に友達がいなく何となく『依存していたのでは??』と思っていた。
 ただ、5年生の終わりくらいでいつの間にか友達が何人もでき、徐々に徐々に距離を置き始めた。そして、ある日すごく距離が開いた時、彼が案の定、「俺のこと嫌い??」と帰り道に聞いた時、柳はいつも言ってる「ううん。嫌いじゃない。」を言わず、意を決して「うん。嫌い。ずっと嫌いだった。」と言い、バッサリ切り捨てた。『やっと開放された。』と。彼はこの時やっと安心してこの居場所を捨てられるだけの居場所を他の友達で見つけたのだ。親友を見つけたのだ。

 そんな状態で中学生になった時、引っ越すことになった。お父さんの故郷であるカナダに。理由は幾つあってもあげたりないのであげないが、勿論柳は猛反対だった。幼稚園がすっごく遠くろくに幼馴染に会えていない柳は「やっとやっと小学校で大切な親友が見つかったのに」と怒っていたが、怒りを露わにせず冷静に一日一日欠かさずカナダに行きたいことを伝えたが、「しつこい」とお母さんとお父さんに説教をされた。

 そして、カナダの学校に通い始めてあまり経たなかった頃、彼は学校に行かない日が増え始めた。勉強についていけなかったのだ。彼は結構英語ができて小さい頃から英語を親と話していたが、それでもついていけなくなっていった。成績優秀だった隣の席の子に、嫉妬しまくってて『成績は良くてもどうせ性格が悪いんだろ』と勝手に現実をねじ曲げて考えてみたが、意味は無かった。
 そして、今度はお母さんが「日本に戻って一人暮らしをしたい。」と言い出した。
 もう、この時の彼は男なのに女みたいな繊細な心はこれ以上のことは彼の心が受け入れられなくなって言った。そして、学校にあまり行かなくなった。それでも不登校にはならなかった。まだ彼は「日本に戻れるかもしれない。」と信じていたのだ。「頑張ればもしかしたら」と。けど、すぐに諦めた。それでも不登校にはならなかった。勉強はできないくせに変なところで負けず嫌いな彼は勉強で遅れるのは嫌だった。

 そんな彼は考えていた……『もし本当にラノベみたいな異世界転生とか召喚とかできるなら、こんな自分でも好きになれる場所に行きたい。もう自分のことを自力で直す気にもなれない……まあ、もうクズが頑張ったって意味ないのかもしれないけど』という夢物語を。




 そして、とある男は『死んだ人間リスト』と呼ばれる紙の束を見ていた。
 「………………ウソ、彼は死ぬはずじゃなかった。」
 その人は神様だった。
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