77 / 79
そのサプライズは聞いてない!
9
しおりを挟む
会場へ着くと、更紗とシェアハウスで一緒に住んでいたメンバーも全員来ていた。更紗の結婚式は近親者と仲の良い友人のみの招待だから、大勢とは言えないけどゲストで賑わっていた。大家さんだった秋さんもいて、早速挨拶に向かう。
「秋さん! ご無沙汰してます」
「あらぁ鈴夏ちゃん、久しぶりね」
秋さんはしばらく見ないうちに、ちょっと白髪が増えたように感じた。でも、みんなのお母さんとしての朗らかな笑顔は当時のままだった。
「鈴夏ちゃんも綺麗になって……いい人いるんじゃないの?」
「まぁ……います」
そう答えると、わぁっと声があがって秋さんも他のみんなも目の色を変えて矢継ぎ早に質問が飛んできた。馴れ初めから相手はどんな人だとかどこを好きになったとか付き合いはどのくらいだとか……。女性はいつだって、恋バナが大好きだ。
そうこう話しているうちに、結婚式の始まるアナウンスが聞こえてチャペルの中へと案内された。今日は見事な秋晴れで、チャペルの中にも神々しいほどの太陽の光が降り注いでいる。明るくて前向きで、どこかしたたかなところもある更紗の晴れ舞台にはぴったりだった。
ウエディングドレス姿で現れた更紗は輝いていた。バージンロードを歩いているときの横顔があまりにも女神のような美しさで、隣りにいた秋さんとも「綺麗ですねぇ」と思わず溜め息混じりで言葉を交わした。
新郎の駆瑠くんは写真でしか見たことがないけど、実物はメガネをかけた好青年でタキシードがよく似合っていた。身長や体格は全然違うけど、あのタキシードを龍大が着たらどんなにカッコイイだろうか……。そんな妄想が鈴夏の頭の中を埋め尽くしていた。
壇上で並ぶ新郎新婦の後ろ姿が眩しくて、羨望の眼差しで見てしまう。厳かな雰囲気が漂う中、粛々と式が行われた。
そして式が終わると、次の案内をするアナウンスが流れた。
「それでは続いて、ブーケトスを行います」
会場のスタッフが、ゲストをチャペルの前へと誘導する。男性は会場の外側に行くと、女性陣がブーケトスをするエリアへと集まってきた。
鈴夏も今まで何回か結婚式へ参加したが、今回のブーケトスの対象は独身女性のみじゃないらしい。
「ブーケトスって女の子全員やるんですね」
「そうそう。今ドキの結婚式は独身と既婚でわけずにやるんですって。多様性よね~」
秋さんに聞いてみると、微笑みながらそう答えた。
鈴夏には、正直言うとブーケトスでキャッチしたい気持ちがものすごくある。今は結婚したいと思える相手もいるわけだから、少しでも験を担いでおきたい。でも、さすがに30歳を越えているのに自分が出しゃばるのは恥ずかしかったし、自分よりも若い独身の女の子は他にもいる。そう思って何気なくブーケが来そうにない位置に行こうとしたのに、スタッフの誘導や流れでど真ん中になってしまった。
――こうなったら更紗がブーケをまっすぐ投げてくれるのを祈ってシレっとキャッチするしか……。
そう思っていたら、更紗がブーケを持って後ろを向き、カウントダウンを始めた。
「じゃあ行きますよ~! 3,2,いーち!」
更紗の腕が思いっきり上がると同時に、そのカウントダウンはゼロになった。
「秋さん! ご無沙汰してます」
「あらぁ鈴夏ちゃん、久しぶりね」
秋さんはしばらく見ないうちに、ちょっと白髪が増えたように感じた。でも、みんなのお母さんとしての朗らかな笑顔は当時のままだった。
「鈴夏ちゃんも綺麗になって……いい人いるんじゃないの?」
「まぁ……います」
そう答えると、わぁっと声があがって秋さんも他のみんなも目の色を変えて矢継ぎ早に質問が飛んできた。馴れ初めから相手はどんな人だとかどこを好きになったとか付き合いはどのくらいだとか……。女性はいつだって、恋バナが大好きだ。
そうこう話しているうちに、結婚式の始まるアナウンスが聞こえてチャペルの中へと案内された。今日は見事な秋晴れで、チャペルの中にも神々しいほどの太陽の光が降り注いでいる。明るくて前向きで、どこかしたたかなところもある更紗の晴れ舞台にはぴったりだった。
ウエディングドレス姿で現れた更紗は輝いていた。バージンロードを歩いているときの横顔があまりにも女神のような美しさで、隣りにいた秋さんとも「綺麗ですねぇ」と思わず溜め息混じりで言葉を交わした。
新郎の駆瑠くんは写真でしか見たことがないけど、実物はメガネをかけた好青年でタキシードがよく似合っていた。身長や体格は全然違うけど、あのタキシードを龍大が着たらどんなにカッコイイだろうか……。そんな妄想が鈴夏の頭の中を埋め尽くしていた。
壇上で並ぶ新郎新婦の後ろ姿が眩しくて、羨望の眼差しで見てしまう。厳かな雰囲気が漂う中、粛々と式が行われた。
そして式が終わると、次の案内をするアナウンスが流れた。
「それでは続いて、ブーケトスを行います」
会場のスタッフが、ゲストをチャペルの前へと誘導する。男性は会場の外側に行くと、女性陣がブーケトスをするエリアへと集まってきた。
鈴夏も今まで何回か結婚式へ参加したが、今回のブーケトスの対象は独身女性のみじゃないらしい。
「ブーケトスって女の子全員やるんですね」
「そうそう。今ドキの結婚式は独身と既婚でわけずにやるんですって。多様性よね~」
秋さんに聞いてみると、微笑みながらそう答えた。
鈴夏には、正直言うとブーケトスでキャッチしたい気持ちがものすごくある。今は結婚したいと思える相手もいるわけだから、少しでも験を担いでおきたい。でも、さすがに30歳を越えているのに自分が出しゃばるのは恥ずかしかったし、自分よりも若い独身の女の子は他にもいる。そう思って何気なくブーケが来そうにない位置に行こうとしたのに、スタッフの誘導や流れでど真ん中になってしまった。
――こうなったら更紗がブーケをまっすぐ投げてくれるのを祈ってシレっとキャッチするしか……。
そう思っていたら、更紗がブーケを持って後ろを向き、カウントダウンを始めた。
「じゃあ行きますよ~! 3,2,いーち!」
更紗の腕が思いっきり上がると同時に、そのカウントダウンはゼロになった。
11
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる