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乗り越えるべき試練
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次は30分間挿入するだけの時間だ。最初の30分は動いてはいけない、そしてそのあとは絶頂を迎えそうになったら動きを止める。そのルールだけ確認して、龍大はコンドームを手にとって自分のモノへと被せた。
「やっと……やっと挿れられる……」
あまりにも長い時間我慢を強いられてきたから、龍大も感動がひとしおのようだった。初めて鈴夏がポリネシアンセックスを知った雑誌には「究極のセックス」だとか「心の深いつながりを感じられる」とか「極上の快楽」とか、興味をそそる言葉も並んでいた。それが本当か、今それを知られるチャンスが到来している。
そんな期待と同時に、これまでに経験したことのない感度の上がりっぷりを知って、鈴夏自身もう過去の自分に戻れない不安もあった。未知の快楽は、自分を自分じゃなくしてしまう気もしていた。「極上の快楽」への好奇心はあるけど、自分の体が壊れてしまいそうな恐怖感が少しだけ顔を覗かせる。
「鈴夏?」
不安が頭をよぎっていると、龍大が心配そうな顔で鈴夏を見ていた。
「え、なに?」
「いや、なんかボーッとしてたから」
「あ、ごめん。タイマーセットするね」
慌ててスマホのタイマーをセットして龍大の方を向くと、「30分は挿れるだけだよね?」と聞いてきた。
そうだった。最初は挿れるだけだし、体が壊れるような無茶な体位をするわけじゃない。それに気づいた鈴夏は頷いて龍大に抱きつくと、そのまま押し倒された。
脚を広げられ、蜜まみれの洞に龍大の男根が押し付けられた。そのままぐっと中に入ってきているが、以前龍大とセックスしたときとは全然違う感覚があった。龍大の男根は缶コーヒーがねじ込まれるくらい存在感があったのに、なぜか自然と鈴夏の体に侵入しているかのようだった。異物感はまるでなく、鈴夏の体が男根を難なく受け入れる。それは、その男根の主が龍大だからだろう。息を吐きながら受け入れていると、奥まで到達して鈴夏の下腹部が一気に温かさを増した。いつもは下着で隠している体の秘部が、龍大とみっちりと密着して繋がっている。
もうこれ以上は到達できないところまで行ったら、龍大が鈴夏の脇の下に手首を潜り込ませ。もう片方の腕は腰にまわしてきた。鈴夏が龍大の首に腕を回すと、体がぴったりと重なって二枚貝になったようだった。
龍大が唇を落として2回3回と吸いつくと、安堵した表情で鈴夏を見つめてきた。
「はぁ……気持ちいいよ。最高」
「うん。私も気持ちいい」
ずっとこの瞬間を待ち焦がれていた。龍大と体をつなげ、肌を合わせ、向かい合って一体となる気持ちよさに包みこまれている。今までのセックスでは感じられなかった、何も余計なものがない人と人同士の触れ合い。温かくて心地よくて、ずっとこのままでいたい。フロアライトだけがぼんやりと部屋を照らしている中で静寂が訪れたとき、龍大が沈黙を破る。
「さっき俺の背中に『すき』って描いた?」
「なんだ。気づいてたの?」
「もしかしてと思って。もっと『好き』って言ってよ」
そうやって甘えてくる龍大の目を見ながら、鈴夏は呟いた。
「好き。たっちゃん」
すると口づけが1回だけ落とされて、ちゅっと音がする。
「好き……好き好き好き好き……」
もっと口づけをしてほしくて、鈴夏はつい連呼してしまう。龍大も射抜くような視線を鈴夏に向けながら、「好き」と言われた恥ずかしさを誤魔化すように鈴夏の耳を指でそっと撫でていた。
――あれ? なんかむずむずする。
ただ「好き」と言って耳を撫でられただけなのに、鈴夏の下腹部がじんじんと熱くなる。繋がっているだけで動いていないのに、なぜか勝手に下腹部の奥がピクピクと痙攣し始め、息が上がってくる。
「ねぇ……たっちゃん、待って」
「俺動いてないよ」
「ちがうの……ねぇ……ぎゅってして」
ハァハァと強く息を吐きながら、鈴夏は龍大にしがみついた。洞の奥が早く上り詰めたいと欲情しているようで、全く言うことを聞いてくれない。抱きしめる龍大の腕の強さ、顔を埋めている首元に当たる髪の毛、自分自身の体にのしかかる体重、耳元で聞こえてくる吐息、龍大のシャンプーの香り……五感すべてが快感に変わって、鈴夏の腰が勝手にうねるように動き出した。
「はっあぅ……イク……イクの……もうむり! だめ!」
「ちょっ、締め付け……くっ」
龍大の首にしがみつく腕にも、枕にこすりつける頭にも、足の指先にまで快感がまわってくる。その快感を発散するかのように、頭の先から足の指先までぐっと力が入った。気がつけば、鈴夏は絶頂していた。
「やっと……やっと挿れられる……」
あまりにも長い時間我慢を強いられてきたから、龍大も感動がひとしおのようだった。初めて鈴夏がポリネシアンセックスを知った雑誌には「究極のセックス」だとか「心の深いつながりを感じられる」とか「極上の快楽」とか、興味をそそる言葉も並んでいた。それが本当か、今それを知られるチャンスが到来している。
そんな期待と同時に、これまでに経験したことのない感度の上がりっぷりを知って、鈴夏自身もう過去の自分に戻れない不安もあった。未知の快楽は、自分を自分じゃなくしてしまう気もしていた。「極上の快楽」への好奇心はあるけど、自分の体が壊れてしまいそうな恐怖感が少しだけ顔を覗かせる。
「鈴夏?」
不安が頭をよぎっていると、龍大が心配そうな顔で鈴夏を見ていた。
「え、なに?」
「いや、なんかボーッとしてたから」
「あ、ごめん。タイマーセットするね」
慌ててスマホのタイマーをセットして龍大の方を向くと、「30分は挿れるだけだよね?」と聞いてきた。
そうだった。最初は挿れるだけだし、体が壊れるような無茶な体位をするわけじゃない。それに気づいた鈴夏は頷いて龍大に抱きつくと、そのまま押し倒された。
脚を広げられ、蜜まみれの洞に龍大の男根が押し付けられた。そのままぐっと中に入ってきているが、以前龍大とセックスしたときとは全然違う感覚があった。龍大の男根は缶コーヒーがねじ込まれるくらい存在感があったのに、なぜか自然と鈴夏の体に侵入しているかのようだった。異物感はまるでなく、鈴夏の体が男根を難なく受け入れる。それは、その男根の主が龍大だからだろう。息を吐きながら受け入れていると、奥まで到達して鈴夏の下腹部が一気に温かさを増した。いつもは下着で隠している体の秘部が、龍大とみっちりと密着して繋がっている。
もうこれ以上は到達できないところまで行ったら、龍大が鈴夏の脇の下に手首を潜り込ませ。もう片方の腕は腰にまわしてきた。鈴夏が龍大の首に腕を回すと、体がぴったりと重なって二枚貝になったようだった。
龍大が唇を落として2回3回と吸いつくと、安堵した表情で鈴夏を見つめてきた。
「はぁ……気持ちいいよ。最高」
「うん。私も気持ちいい」
ずっとこの瞬間を待ち焦がれていた。龍大と体をつなげ、肌を合わせ、向かい合って一体となる気持ちよさに包みこまれている。今までのセックスでは感じられなかった、何も余計なものがない人と人同士の触れ合い。温かくて心地よくて、ずっとこのままでいたい。フロアライトだけがぼんやりと部屋を照らしている中で静寂が訪れたとき、龍大が沈黙を破る。
「さっき俺の背中に『すき』って描いた?」
「なんだ。気づいてたの?」
「もしかしてと思って。もっと『好き』って言ってよ」
そうやって甘えてくる龍大の目を見ながら、鈴夏は呟いた。
「好き。たっちゃん」
すると口づけが1回だけ落とされて、ちゅっと音がする。
「好き……好き好き好き好き……」
もっと口づけをしてほしくて、鈴夏はつい連呼してしまう。龍大も射抜くような視線を鈴夏に向けながら、「好き」と言われた恥ずかしさを誤魔化すように鈴夏の耳を指でそっと撫でていた。
――あれ? なんかむずむずする。
ただ「好き」と言って耳を撫でられただけなのに、鈴夏の下腹部がじんじんと熱くなる。繋がっているだけで動いていないのに、なぜか勝手に下腹部の奥がピクピクと痙攣し始め、息が上がってくる。
「ねぇ……たっちゃん、待って」
「俺動いてないよ」
「ちがうの……ねぇ……ぎゅってして」
ハァハァと強く息を吐きながら、鈴夏は龍大にしがみついた。洞の奥が早く上り詰めたいと欲情しているようで、全く言うことを聞いてくれない。抱きしめる龍大の腕の強さ、顔を埋めている首元に当たる髪の毛、自分自身の体にのしかかる体重、耳元で聞こえてくる吐息、龍大のシャンプーの香り……五感すべてが快感に変わって、鈴夏の腰が勝手にうねるように動き出した。
「はっあぅ……イク……イクの……もうむり! だめ!」
「ちょっ、締め付け……くっ」
龍大の首にしがみつく腕にも、枕にこすりつける頭にも、足の指先にまで快感がまわってくる。その快感を発散するかのように、頭の先から足の指先までぐっと力が入った。気がつけば、鈴夏は絶頂していた。
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