上 下
7 / 16

7・仮の仲間?

しおりを挟む
楽しい買い出しだったはずがロゼが迷子になってから無言で拠点にしている屋敷に帰って来た。
不吉な子供と言う言葉を聞いてからだ・・・。
私はここに来るまで、ずっと言われて来た為何の事か分からずゼンとお頭に聞いたのだけど・・。
「ロゼ、今日は仕事はしなくていい。ゼンと一緒に部屋に戻っていろ。残りの部下が帰って来たらここから移動する。今の内に休んでおくんだ。」
そう言われ、部屋に戻った。

「ゼン、私何か悪い事でも言ったの?」
不安そうにゼンを見上げると眉間にシワを寄せながらこっちを見てきた。
思わずビクッとなり体が硬直してしまった。
はっとゼンはして普通の雰囲気になり少し悲しそうに私に尋ねてきた。
「・・・ロゼ・・・・。ロゼは不吉な子供とさっき会った子に聞いたんっすよね?ロゼも落ち込んでいたみたいっすが、それはその子に拒絶みたいなのんをされたからっすか?それとも不吉な子供と言う言葉に反応してるんっすか?」
目線を合わせてそう尋ねてきた。
私は小声で・・・。
「不吉な子供って前に言われた。何が不吉か分からないの。どういう意味?私がここにいたら皆に不吉な事でも起こるの?」
「ロゼ・・・・。皆には不吉な事は起こらないっていう確信は無いっす。恐らくはお頭が説明してくれるっす。それまで待つっすよ」
モヤモヤしたまま頷いた。


~お頭~
ロゼを見つけ帰るときに不穏な視線を感じた。
俺やゼンを狙ってる感じじゃなく、ロゼに視線がいっていた。
ロゼに何がある?不吉な子供と言う言葉にも反応した。
俺も久々に聞いたが、あまりいい感じじゃない。
「お頭?どうかしましたか?」
「ああ・・。町でロゼが不吉な子供って何か聞いてきた。」
俺がそう言うとリンゼルが息を飲んだ。
「ロゼには意味を言ったんですか・・・?」
「いや。後で言おうと思う。今は船に戻るために休ませている所だ。」
「そうですか・・・。」
リンゼルはこの言葉に過剰に反応した。当たり前か俺にずっとついてきてくれてる奴だ。
昔の事を思い出したのだろう。リンゼルが悪い事ではないのに・・。
「ロゼは俺と同じかもな。待遇は俺よりひどそうだったが・・。」
「・・・・。」
「それと、ロゼに不穏な視線を向けてくる輩がいた。一応は情報と警戒を怠らないようにしておけ。」
リンゼルは目を見張った。
予測通りって感じか・・・。
何が起こるか分からねーな。
移動の時に何かあったら困るし・・。
早くこの国から退散するか?
そう考えてた時不意に玄関の方が騒がしくなった。
「何だ?」
「さぁ?見てきますのでここにいてください。」
「いや、俺も行く」
「何かあったらどうするんです?」
「大丈夫だろう」
はぁ。っとため息をつかれてしまった。

玄関へ行くと。
部下が得物を持っていた。
「どうした。」
「いえ、あのですね・・・。瞬老のヨーゼルが現れたんです。」
「なに?」
何故ここが分かった?
「戦う気が無いのか何も武器を持たずずっと笑っているんです。お頭を呼べと」
ドアに部下がとり囲ってガヤガヤしていたが普通に瞬老の笑い声が聞こえる。
ずっと。ふぉふぉふぉふぉっ。ってしんどくならないのか?
変な方向に考えが行ったが、会ってみるか。
「通せ」
部下に一言言うと、モーゼのように道が開いていく。
後ろにはリンゼルがいるから何とかなるだろう。頭使うのは俺じゃないしな。
「おおー!久しぶりじゃの!若造!?」
「何故ここが分かった?」
「儂の情報網を侮ってはならんぞ。っといいたいのじゃが!お主の部下の後をつけてきたのじゃ!」
「・・・・・・。」
はぁ。おっと。リンゼルとため息が重なってしまった。
「何の用だ。」
ふぉふぉふぉっ。
「ロゼがいるじゃろ。隠しても無駄じゃ。町でお主と一緒にいる所も見てるからのぉ」
むっ!
っとしたが、見られてしまっては仕方ないと溜息を吐き
「それで?」
「以前にも言ったが。ロゼを守るために来たのじゃ!お主も感じたんじゃないのかえ?視線を。」
「ああ。だが、俺らに危害を加える保証は無い。」
「何、ロゼに危害を加えないものには何もせんよ。ただ・・・。危害を加えた者には、それ相応の対応をするがの!」
ふぉふぉふぉっ。っと笑っているが・・・。
笑い事じゃねー。
「おい、お前らロゼに何も無かったらこっちには危害無いようだ、武器を下せ。」
「・・・お頭・・ですが・・。」
「大丈夫だ。俺が保証する」
部下がガヤガヤとなりながら、武器を下していく。
「ロゼのためだ、今は一時的って感じでいいだろう。それと少し聞きたい事もあるしな」
「よいぞ!」
中に入れ。そういって瞬老を招きいれたと思ったら・・。
「そうじゃ!あとひとついいかの?実はもう一人いてるのじゃ!そやつもお願いしたいのじゃ!」
何を言い出すかと思えば、もう一人いるだと!
「大丈夫じゃ、そ奴はロゼの事を知っとる。恐らくロゼもそ奴の事を知っとる。ただ今は情報を集めるのに出てての。ここにはおらんのじゃ。」
・・・・・。だったらどう判断しろと!?
考えるのが億劫になってきた・・・。ヤバイ睡魔が・・・。
「かまわん」
「すまんのー。そ奴にも連絡入れるからの」
「ああ。」
これからどうなるのか・・・。
考えたくもねーな。リンゼルに全部任すか?そして俺は寝てもいいか?
そう思いつつ、部屋に戻った。
一応は瞬老は仮だが仲間ということになった。
もう一人は誰だ?
そう思っていたら・・・・・。
爆睡・・・・・。

朝だと!?
しおりを挟む

処理中です...