命を狙われてるらしいですが、ここで生きて行きます！

４・留守番？

もくもく。
ゴシゴシ。フキフキ。
「ロゼ、これも頼む。」
そう言って、洗濯物を渡してくる男たち。
「ロゼ、俺たちは明日から数日仕事でここを空けるんだ。仕事が少なくなるかもしれねぇなぁ！」
ほんとだなぁ!
っと一緒に来た男達と笑いあっていた。
「お頭から何か言われるかもしれねぇが、留守番頼むな！」
頭を撫でようとしてくれたのか、手がこっちに来たとたん、殴られた記憶がよみがえり反射的に身を固くしてしまった。
「・・・・」
それに気が付いても、気にせず頭を撫でてくれた。
仕事はしていたが、人との触れ合いはほとんどなかったのでびっくり。
「おい、ロゼお頭が呼んでるっす！」
くくっ。
「噂をすればって感じだな」
ゼンが呼びに来た内容が今話ていたことと一緒だったからなのか、思わずって感じだった。
「何笑ってるんっすか？」
ゼンは不思議に思いつつ、行くっすよ！っと私に声をかけてきた。
反射的に立ち上がったが、仕事があるから行って良いのかと立ち止まってしまった。
「仕事はそこにいる暇そうな奴等に渡しといたらいいっす！お頭が来るのを待ってるんっすからさっさと行くっすよ！」
笑っていた人達は笑うのをやめてゼンにグチグチと不満を漏らしていた。


「お頭ー連れて来たっすよ！」
「ああ。」
部屋に入ると、以前と同じようにお頭と呼ばれる人と髪の長い人がいた。
入って数分・・・。無言。
それからまた数分・・・。
「お頭・・・。いい加減何で呼ばれたか話してくださいよ。」
ゼンがそう言うがお頭は無言。
べしっ！！
髪の長い人が何かに気が付いたらしく、急に頭を叩いた。
「お・か・し・ら！寝ないでください！？以前にも言いましたよね？いっつも重要な話がある時になって速攻寝る癖は直してくださいと！」
緊迫した空気の中で・・・ゼンの方を見ると
うわぁちゃー。
っと額に手をあてうなだれていた。
「すまん。つい。ロゼ、俺たちは明日から数日仕事に行く。仕事に行ってる間お前は留守番だ。大半は出払ってはいるがゼンを置いて行く。」
それを聞いた、髪の長い人とゼンは驚きを隠せないみたいだった。
「お頭待って下さい。今回は向こうの警備体制とかが厳しいだけではなく、情報に寄ると腕っぷしが数人いるって話っすよ！」
「そうですよ！今回ゼンを連れて行かなくってどうするんですか！」
何が何だか分からないけど、仕事にはゼンが必要と言うのは分かった。
「リンゼルさん！もっと言っちゃって下さい！」
やっと髪の長い人の名前？が分かった。リンゼル覚えておこう。
「何とかなる。むしろ、ロゼが着いてこないかって言うのが問題だ。」
「「ぐっ！！」」
反論は出来ない。
カルガモって言われるぐらいだし・・・。
「それに数人なら部下で抑えたらいい。ここを空けておくのもって思っていたから丁度いい。」
「「・・・・」」
２人はしかめっ面してる。
納得は行って無いみたいだけどいいのかな？
「分かったっす。だけど情報は欲しいっす。何かあれば対処したいので。」
「分かった。ああ、後ロゼに護身術を身に付けさせたいそれも頼めるか？」
「護身術・・・っすか？」
「何があるか分からないからな、一応は自分で守れる所は、自分で対処してもらわないとな。」
「はいっす」
私が一言も喋らない間に何かと決まってしまった。
「ロゼ、おとなしくしてるんだ。何かあったらゼンに言えばいい。」
「うん。」
怖い感じの人かと思っていたけど。いい人なのかもしれない。
留守番って何するんだろう？
「もういいぞ！俺は寝る。」
何時もの事なのかゼンは
あはは・・・
っと笑ったりリンゼルさん？は頭を叩いていた。
「ロゼ、行くか。」
「うん」

いったい仕事とは何の事だろう？
護身術とは？何だろう？
ゼンに聞いたら教えてくれるかな？


次の日、屋敷の中はほんとに人が少なくなったらしく、シーンっとしていた。
昨日までは、どこかしら誰かの声が聞こえてたけどそれが無いからなんか・・・・。
「ロゼいるっすか？」
ゼンの声が聞こえると反射的に抱き着いてしまった。
うぉっ！！
「どうしたっすか？」
私の様子が違う事に気が付いたのか、そのままにしてくれた。
「・・・・怖い・・・」
「・・・・・」
留守番と言われた一日目からこの調子、皆が帰って来るまで保てるかと思ってしまった。
「大丈夫っす。全員行ってるわけじゃ無いっすから。さっ！日課の仕事始めるっすよ」
ゼンに言われ、引っ付いたまま仕事場へ。



・・・・・・。
離れ無いっすね。
お頭の読み通りっすか。ここまで離れなくなるとは、流石に自分も思ってなかったっすよ。
少しでも離れようものなら、仕事止めて駆け寄って来るし、見えない所には行けないって感じっすね。
ちょっと情報を整理したいし、聞き込みをしたいんっすけどねー。
どうするっすか・・・。
誰かにロゼを少し任せられたらいいんっすけど。