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三章 外国にて
国王の姿
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大広間は歓迎会とあって豪華に飾り付けられていた。
ファンゼルダ王国の装飾とはまた違う色合いで見ていて楽しい。
特にやることもないので会場の端で壁に寄りかかってシャンパンを飲み干す。
さっき変なことを考えてしまったから少しモヤモヤする。‥‥‥折角のパーティなのに沈んでいたら勿体ない。
飲もう。飲んで忘れよう。
近くを通りかかったウェイトレスを呼び止めてグラスを一つもらう。
一杯、二杯と飲んでいると、離れたところで談笑するラインハルトの姿が見えた。
......ちゃんと王様してる。初めて会ったときから俺にデレデレだったから、ラインハルトのあんなシャンとした顔初めてみたかも。
改めて見るとやっぱり顔整ってるなぁ......。スッと通った鼻筋に控えめな唇。赤い目が長いまつ毛に縁取られて色気を放っている。
カッコいい。もうそれしか言えない。いっつもかわいいかわいい言ってたけど、カッコよさも兼ね備えているなんてラインハルトは魅力的すぎるな!?!?
「あ、あの大丈夫、ですか?」
ラインハルトの顔を肴にグビグビ酒を飲んでいたら、ベルティアさんが現れた。
「......あ!ベルティアさんだぁ!!」
「ハロイドさんやっぱり酔ってますよね?!」
なんだか慌てているようだけど、今は何よりラインハルトの魅力を拡散したい。
「ベルティアさん見てくださいよぉ、あそこ!」
近寄ろうとすると足がもつれてしまって、ベルティアさんに飛びかかってしまった。
ベルティアさんに寄りかかったまままた口を開く。
「ラインハルトかっこよくないですか?今お仕事してるから目がキリッてしてるんですぅ!あれが俺の恋人なんですよ!もう好き!!かっこよすぎる!!!」
ほら!と指を差しながらラインハルトのいいところをひとつひとつ丁寧に説明する。
一通り語り終えてふとベルティアさんを見ると、赤くなっていた。
「……大丈夫ですか?」
「へっ?!いや、その……ひえ……」
目をウロウロと動かしたと思ったらベルティアさんは青くなって、固まってしまった。
「ハ、ハロイドさん、後ろ……」
ベルティアさんに促されて後ろを見ると、ラインハルトが立っていた。頭に手を当てて、ため息をついている。
「……面倒をかけたな。あとは引き受ける。」
ラインハルトの手が肩に触れたと思うと、グッと引き寄せられた。ラインハルトの匂いがして安心する。ラインハルトの首にすり寄るようにスンスンと匂いをかいでいると、ふと甘い匂いがした。
「……ラインハルト、いつもと違うにおいする。なんかヤダ。」
駄々をこねるように頭をこすりつけていると、ラインハルトが俺の頬に手を添えて顔を覗き込んできた。
「ユーファ、そういうかわいいことは二人きりの時に、な?」
そういうとラインハルトは俺の頭をそっと胸の方に引き寄せて、ゆっくりと歩き始めた。
「えっラインハルト、俺まだ飲む……」
「……だめだ。あんまりかわいい顔をほかのやつらにみられると困る。飲みたいなら俺と部屋で飲もう。」
「……むぅ」
頬を膨らませてもラインハルトは全然止まってくれないし、足元もおぼつかないのでおとなしくついていくことにした。
部屋につくと、ジャケットを脱がされベットに座らされた。
「ほら、飲め。」
ラインハルトに渡された水を飲むと少し落ち着いた。
「……寝る。」
「ああ、それがいい。」
ラインハルトは俺に布団をかけると、鏡を見ながら服装を整え始めた。
「……どっか行くの?」
「なんだ、寂しいのか?」
こっちを向いてふっと微笑む。
「……一緒に飲むって言ったじゃん」
「ユーファ、寝るんじゃなかったのか?」
ラインハルトはクスリと笑うと、こちらに近づいてきてグッとベットに体重を乗せた。
「寝るけど、一緒に飲むの!ばか……」
俺を見ながら笑っているラインハルトに背を向けて布団にもぐる。
するとラインハルトが布団越しに俺の頭をなで始めた。
「すぐに戻ってくる。待たせるお詫びにいいワインを持ってくるから。」
「…………ん。」
ラインハルトの大きな手に撫でられているといつの間にか眠ってしまっていた。
ファンゼルダ王国の装飾とはまた違う色合いで見ていて楽しい。
特にやることもないので会場の端で壁に寄りかかってシャンパンを飲み干す。
さっき変なことを考えてしまったから少しモヤモヤする。‥‥‥折角のパーティなのに沈んでいたら勿体ない。
飲もう。飲んで忘れよう。
近くを通りかかったウェイトレスを呼び止めてグラスを一つもらう。
一杯、二杯と飲んでいると、離れたところで談笑するラインハルトの姿が見えた。
......ちゃんと王様してる。初めて会ったときから俺にデレデレだったから、ラインハルトのあんなシャンとした顔初めてみたかも。
改めて見るとやっぱり顔整ってるなぁ......。スッと通った鼻筋に控えめな唇。赤い目が長いまつ毛に縁取られて色気を放っている。
カッコいい。もうそれしか言えない。いっつもかわいいかわいい言ってたけど、カッコよさも兼ね備えているなんてラインハルトは魅力的すぎるな!?!?
「あ、あの大丈夫、ですか?」
ラインハルトの顔を肴にグビグビ酒を飲んでいたら、ベルティアさんが現れた。
「......あ!ベルティアさんだぁ!!」
「ハロイドさんやっぱり酔ってますよね?!」
なんだか慌てているようだけど、今は何よりラインハルトの魅力を拡散したい。
「ベルティアさん見てくださいよぉ、あそこ!」
近寄ろうとすると足がもつれてしまって、ベルティアさんに飛びかかってしまった。
ベルティアさんに寄りかかったまままた口を開く。
「ラインハルトかっこよくないですか?今お仕事してるから目がキリッてしてるんですぅ!あれが俺の恋人なんですよ!もう好き!!かっこよすぎる!!!」
ほら!と指を差しながらラインハルトのいいところをひとつひとつ丁寧に説明する。
一通り語り終えてふとベルティアさんを見ると、赤くなっていた。
「……大丈夫ですか?」
「へっ?!いや、その……ひえ……」
目をウロウロと動かしたと思ったらベルティアさんは青くなって、固まってしまった。
「ハ、ハロイドさん、後ろ……」
ベルティアさんに促されて後ろを見ると、ラインハルトが立っていた。頭に手を当てて、ため息をついている。
「……面倒をかけたな。あとは引き受ける。」
ラインハルトの手が肩に触れたと思うと、グッと引き寄せられた。ラインハルトの匂いがして安心する。ラインハルトの首にすり寄るようにスンスンと匂いをかいでいると、ふと甘い匂いがした。
「……ラインハルト、いつもと違うにおいする。なんかヤダ。」
駄々をこねるように頭をこすりつけていると、ラインハルトが俺の頬に手を添えて顔を覗き込んできた。
「ユーファ、そういうかわいいことは二人きりの時に、な?」
そういうとラインハルトは俺の頭をそっと胸の方に引き寄せて、ゆっくりと歩き始めた。
「えっラインハルト、俺まだ飲む……」
「……だめだ。あんまりかわいい顔をほかのやつらにみられると困る。飲みたいなら俺と部屋で飲もう。」
「……むぅ」
頬を膨らませてもラインハルトは全然止まってくれないし、足元もおぼつかないのでおとなしくついていくことにした。
部屋につくと、ジャケットを脱がされベットに座らされた。
「ほら、飲め。」
ラインハルトに渡された水を飲むと少し落ち着いた。
「……寝る。」
「ああ、それがいい。」
ラインハルトは俺に布団をかけると、鏡を見ながら服装を整え始めた。
「……どっか行くの?」
「なんだ、寂しいのか?」
こっちを向いてふっと微笑む。
「……一緒に飲むって言ったじゃん」
「ユーファ、寝るんじゃなかったのか?」
ラインハルトはクスリと笑うと、こちらに近づいてきてグッとベットに体重を乗せた。
「寝るけど、一緒に飲むの!ばか……」
俺を見ながら笑っているラインハルトに背を向けて布団にもぐる。
するとラインハルトが布団越しに俺の頭をなで始めた。
「すぐに戻ってくる。待たせるお詫びにいいワインを持ってくるから。」
「…………ん。」
ラインハルトの大きな手に撫でられているといつの間にか眠ってしまっていた。
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