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8 璃子視点
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私はよく訳のわからないままとても高級そうなレストランに連れてこられていた。悠くんもいつもはあまり着ないようなキチッとしたスーツを着て前髪も上げていてとてもかっこよかった。
いつもとは全く違う場所や雰囲気に少し戸惑っていたが、しばらくすると料理が運ばれてきてそんなことを考えている場合ではなくなってしまった。
デザートまで食べ切り食後の紅茶を楽しんでいると、悠くんが真剣な表情をして話始めた。
「…璃子。僕と一緒に生きてくれませんか?僕は面倒くさいし、嫉妬深いし璃子にはいい事ないかもしれないけど僕の一生をかけて璃子を幸せにします。どうか、僕を選んで下さい…」
…これはプロポーズ?どうしよう近いうちにされるものだと思ってたけど、いざされるとなかなか反応できない…
というか悠くん全然面倒くさくないしむしろ嫉妬して欲しいって感じだし、いい事だらけだし自己評価低過ぎだよ悠くん!ああ、それよりプロポーズの返事しなきゃ、悠くん多分不安だろうし…
「…こんな私ですが、よろしくお願いします!」
バッと顔を上げた勢いのまま言い切った。
少し待っていると「璃子…手、出して。」という声が聞こえた。とくに断る理由もないし、サッと手を差し出す。
「どうぞ…」
すると悠くんは何処からか指輪を取り出し、慎重に私の指へと嵌めてくれた。とてもシンプルで上品なデザインで私好みだ。私の事を考えてくれたのだと思うとニマニマしてしまう…
「これは婚約指輪だから…結婚指輪はまた二人で選びに行こうね」
その言葉に私の目は輝いた。一生持つものだから二人で選びたいと前に話していたのを覚えてくれていたのかな?悠くんも気にいるものがあるといいな…私の思考は既に未来へと飛んで行っていた。それを慌てて引き寄せ、「うん!」と元気よく返事をした。
悠くんに送ってもらい家に入る。着飾るのも嫌いじゃないけど、少し堅苦しいかな…でもせっかく綺麗にしてもらったんだし、脱ぐ前に写真撮っとこー悠くんに送ろっかな?でもまあちょっと恥ずかしいしやめとこう…
それから私達はせっかくだからと沢山の人を呼んで結婚式をした。
その後の新婚旅行は、完全に予想外だった。悠くんが「僕が決めてもいいかな」と言ってきたので一任していたら、私が別れ話の口実として使った世界一周旅行になっていたのだった。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
一応本編は完結となります!
完結までお付き合い頂きありがとうございました。
これからも小話を更新したりするかもしれません。
この二人のこんな場面が読みたいなどのリクエストはいつでも受け付けておりますので、是非お送りください。
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