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魔法学園に行こう!
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目を覚ますと、寝た時と同じ保健室だった。流石にまだ体も治ってないし、しばらく授業出れないかも…初日でさえ全部出てないのにずっと休みっていうのもな…
うーんと唸っていると、カーテンがシャっと開けられた。私が寝ている間に閉めてくれてたみたい。
「おはようございます、リーフィアさん。体調はどうですか?」
「え、あ…至って良好ですけど」
…知らない人多過ぎて名前覚えれない。編入したばかりだから仕方がないけどさあ…もうちょっとスローペースでもよくない?
「あ、あの~お名前、お伺いしても?」
「ああ、私養護教諭のクロウ・フィナードです。ちゃんと女性の先生もいるんですけど、今は産休中で後任者もいないので私一人なんです。変なことはしてませんのでご安心を」
「そ、そうですか…」
濃いめの茶髪にこれまた濃茶の瞳。長いその髪は、三つ編みにして一つにまとめられていて、垂れた目は丸眼鏡の奥で優しげに細められている。鼻筋はスッと通っているし、そう美形、美形なんだよ!
もう、目痛い…目を細めながら、ずっと疑問だったことを口にする。
「あ、あの~いつになったら寮に帰れるんですか?」
「今日これから戻って貰いますよ。いつまでもベットを占領されても迷惑ですしね」
…し、辛辣だ。この人優しい癒し系かと思ったら、毒舌系だよ~怖い、怖すぎる。
といってもずっとこの部屋にいるのも嫌だったから、ちょうどいいんだけどさ。流石に体痛くて動けないんだけど…
「ああ、大丈夫ですよ。担架で運ぶので」
「あ~ありがとうございます」
クロウ先生が出て行ってしばらくすると、ユリウスさんがやって来た。
「お前、知らない人だと不安だろうから、俺ともう一人で連れて行くから。」
「おー、ありがとうございます。でもう一人は?」
「ああ、来たぞ」
入って来たのは、青い髪にピンクの目の太めの男性だった。顔は、まあ、痩せてたらイケメンなんじゃないかな?うん。
「こいつはユアン。いいやつだから、安心していいぞ」
「今日はお願いします。リーフィアです。」
しっかりと頭を下げて礼をする。
「ああ、そんなことしなくてもいいよ~気楽に、ね」
ふわりとした笑顔を浮かべるユアンさんはまるで菩薩だな。ユリウスさんとは大違いだ。
「なあリーフィア、なんか失礼なこと考えてないか?」
…ユリウスさんがエスパーなの忘れてた。うん、ごめん。スーッと目をそらすとユリウスさんは呆れたように溜息をついた。
「早速、担架に乗せるからな。ちょっと痛いだろうけど、我慢しろよ」
そういう時ユリウスさんの腕が、膝と背中の下へと差し込まれた。腕太いなぁ。地味に痛い。少し顔をしかめていると、グッと持ち上げられた。
「痛い痛い痛い!やめて~」
ヤバイヤバイ痛過ぎて語彙力の低下が著しい。元々ないに等しいのに!
「うるせえよ、あんま騒ぐと手が滑るぞ」
「脅しか!脅しだな!やめろ~」
少しするとやっと背中が地面についた。
「もう、ユリウスさんやめて下さいよ、こんなに痛いって聞いてないです」
「だから我慢しろって言っただろ。耳の近くでこんなに大きな声出される側も辛いんだよ」
「む~」
むくれていると、ドアからユリーナ先生の赤い瞳が覗いている。怖い怖い、わかったっておちょくらないから、ユリウスさんいじめないから許してくれ!
コクコクと頷くと、赤い瞳はスッと消えた。ふぅ。やっと一息つけるぜ
うーんと唸っていると、カーテンがシャっと開けられた。私が寝ている間に閉めてくれてたみたい。
「おはようございます、リーフィアさん。体調はどうですか?」
「え、あ…至って良好ですけど」
…知らない人多過ぎて名前覚えれない。編入したばかりだから仕方がないけどさあ…もうちょっとスローペースでもよくない?
「あ、あの~お名前、お伺いしても?」
「ああ、私養護教諭のクロウ・フィナードです。ちゃんと女性の先生もいるんですけど、今は産休中で後任者もいないので私一人なんです。変なことはしてませんのでご安心を」
「そ、そうですか…」
濃いめの茶髪にこれまた濃茶の瞳。長いその髪は、三つ編みにして一つにまとめられていて、垂れた目は丸眼鏡の奥で優しげに細められている。鼻筋はスッと通っているし、そう美形、美形なんだよ!
もう、目痛い…目を細めながら、ずっと疑問だったことを口にする。
「あ、あの~いつになったら寮に帰れるんですか?」
「今日これから戻って貰いますよ。いつまでもベットを占領されても迷惑ですしね」
…し、辛辣だ。この人優しい癒し系かと思ったら、毒舌系だよ~怖い、怖すぎる。
といってもずっとこの部屋にいるのも嫌だったから、ちょうどいいんだけどさ。流石に体痛くて動けないんだけど…
「ああ、大丈夫ですよ。担架で運ぶので」
「あ~ありがとうございます」
クロウ先生が出て行ってしばらくすると、ユリウスさんがやって来た。
「お前、知らない人だと不安だろうから、俺ともう一人で連れて行くから。」
「おー、ありがとうございます。でもう一人は?」
「ああ、来たぞ」
入って来たのは、青い髪にピンクの目の太めの男性だった。顔は、まあ、痩せてたらイケメンなんじゃないかな?うん。
「こいつはユアン。いいやつだから、安心していいぞ」
「今日はお願いします。リーフィアです。」
しっかりと頭を下げて礼をする。
「ああ、そんなことしなくてもいいよ~気楽に、ね」
ふわりとした笑顔を浮かべるユアンさんはまるで菩薩だな。ユリウスさんとは大違いだ。
「なあリーフィア、なんか失礼なこと考えてないか?」
…ユリウスさんがエスパーなの忘れてた。うん、ごめん。スーッと目をそらすとユリウスさんは呆れたように溜息をついた。
「早速、担架に乗せるからな。ちょっと痛いだろうけど、我慢しろよ」
そういう時ユリウスさんの腕が、膝と背中の下へと差し込まれた。腕太いなぁ。地味に痛い。少し顔をしかめていると、グッと持ち上げられた。
「痛い痛い痛い!やめて~」
ヤバイヤバイ痛過ぎて語彙力の低下が著しい。元々ないに等しいのに!
「うるせえよ、あんま騒ぐと手が滑るぞ」
「脅しか!脅しだな!やめろ~」
少しするとやっと背中が地面についた。
「もう、ユリウスさんやめて下さいよ、こんなに痛いって聞いてないです」
「だから我慢しろって言っただろ。耳の近くでこんなに大きな声出される側も辛いんだよ」
「む~」
むくれていると、ドアからユリーナ先生の赤い瞳が覗いている。怖い怖い、わかったっておちょくらないから、ユリウスさんいじめないから許してくれ!
コクコクと頷くと、赤い瞳はスッと消えた。ふぅ。やっと一息つけるぜ
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