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魔法学園に行こう!

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3日後の朝。
出発の時がやってまいりました!!!
なんでテンションが高いかって?ええしっかりと吹っ切ってきましたとも!
館のみんなの写真を撮ってしっかり持っていきます。今のうちにみんなをしっかり抱きしめておきます。

「おいリーフィア全然吹っ切れてねーぞ。未練たらたらじゃねーか」

私を迎えに来たユリウスさんが呆れたように言う。

「え?声に出てました?というかどこにそんな要素があるんですか!こんなにも吹っ切れた顔をしているというのに…」
「どこがだよ…雰囲気と行動から未練が溢れ出とるわ!というか時間ねえからさっさと行くぞ」
「仕方ないですね…みんなバイバイ…私のこと忘れないでね!」
「おい…今生の別れじゃねえんだから…」
『バイバ~イ!』

という可愛い子たちからの声が聞こえたところで、ユリウスさんに引きずられていく。
憎い!ユリウスさんがとっても憎い!私とあの子達を引き離すなんて…
館の門を出たところで馬車に放り込まれる。助けてもらった時は話に集中してて何も気にならなかったけどよくラノベとかでは乗り心地良くないって書いてあったけど、大丈夫かな?

学園は館から1~2時間掛かるところにあるらしい。

「やっばい酔う!吐く!ユリウスさんヘルプミー!」
「いやどうにもできねえから!こっち寄んな!学園に着くまで我慢しろって!」

口を押えながら窓を開ける。
ああ、二度と乗りたくない。やっぱラノベは正しかったよ…私死にそうだもん。

1時間後ー
「やあっと着いたよ。死んじゃうよ。」
「馬車に乗ったことなかったらきついだろうな…俺はもう慣れたけど。」

「え?貴族もこんなのに乗ってるんですか?」
「いや、騎士に成りたてのころにな初めて庶民用のに乗ったんだが物凄い酔ってな何回も「あ、だいたい分かったんでいいですよ。」
「んだよ。折角昔話をしてやろうと思ったによ…」
「それはどうでもいいんで、とりあえず寮に連れってってくださいよ。」
「いや俺はついて行かねえよ。」
「何でですか?」
「いや女子寮に俺が行ったら変質者だろうが。」

ほう…これはからかってやりますかね…

「ほらでもユリウスさん私の保護者ですし。」
「誰が保護者だよ!」
「でもいっつも館の来るのユリウスさんじゃないですかやだー」
「なんか俺の担当に勝手にされたんだよ…」
「でも無理矢理されたにしては私の世話甲斐甲斐しく焼いてくれますし、私のこと大好きなんですよね?」
「それは、お前が変な事しかしねえから仕方なくだろ!」
「大抵の人はほっときますよ」
「っ…」

ユリウスさんが言葉に詰まったところでかっこいいお姉さんが近づいてきた。

「やっとかよ…ほらお迎えが来たぞ」
「おお!あのお姉さんですか。」
「やあ。君がリーフィアちゃんかな?私はラリア・シルフィーネ。ここの教師をしている。ラリアと呼んでくれると嬉しいな」

そう言い微笑むラリアさん。なんと麗しい!

「はい!ラリアさん私のことはリーフィアと呼んでください!」
「ああ。そうさせてもらうよ。それじゃあ女子寮に行こうか」
「ユリウスさん、荷物ください!」

まだ館に住んでそんなに経ってないからそこまで多くはないけど、部屋で着る服の替えとかを持ってきた。

「おやユリウスじゃないか。久しぶりだね」
「?二人は知り合いなんですか?」
「腐れ縁だよ…できれば会いたくなかったけどな!」
「何かあったんですか?」
「俺が好きになった令嬢はみんなこいつに取られた」
「ぷっそんな理由ですか?笑いが止まりませんよ…ふふっ」

ていうかユリウスさんも恋愛するんだね。

「まったく…そんな理由で私を避けていたのかい?自分で努力して取り返せばいいだけの話だろうに…そもそも私は彼女達に手を出していないよ。」
「そんなことはいいからさっさと行けよ!」
「あ、話し逸らした。」
「逸らしたな。」

ユリウスさんをからかうように二人で顔を見合わせて笑う。

「まあ本当にそろそろ行かなければ間に合わないからな…リーフィア荷物持つよ」
「いえ。このくらい持てますよ?」
「私が持ちたいんだから持たせてくれ」

と言ってさっと荷物を持ってくれるラリアさんに思わず惚れそうになった。イケメンだ…
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