転生したら捕らえられてました。

新しい世界の生活に慣れようぜ！

１

私は、急いで壁を壊すイメージをした。するとガラガラと壁が壊れていく。
後ろで男が驚く声がするが関係ない。早く逃げなければ…急いで外に飛び出し走り始める。

走りながら周りを見渡す。外は森だけど、森なんか前世でも入ったことないし、どうしたら逃げられるかもわからない。

後ろから男が追いかけてきているが今の体が小さいから男との間をあまり離すことができなさそうだ。流石にずっとは走れないし、隠れながら休み休み行くしかないか…




少し不安になりながらも走っていると、森の外が見えた。
今までは土だったから足の裏はあまりいたくなかったが、森を出ればそうはいかない。
誰か周りにいないだろうか？

前をじっと見ているとたくさんの武装している男たちがいた。
もしかして追いかけている奴の仲間なのだろうか？少し警戒しながら観察を続ける。

しばらくすると、後ろの男がいなくなる気配がした。あの男が逃げたってことは前の人達、味方なのかな？
少しずつ男たちに近づいていくと、声を掛けられた。

「おい嬢ちゃん。大丈夫か？何かに追いかけられていたみたいだが」

見てたんなら助けろよとイラつきながらもにこやかに答える。

「ええ、大丈夫です。ところでなんでこんなところにいたんですか？」

「いやこの辺りに子供が捕まってるって情報があってな。嬢ちゃんの格好からして
　その子供は嬢ちゃんじゃねえかなと思ってな。声を掛けたんだが…どうなんだ？」

そんな見ただけでわかるか？と自分の体を見下ろすと、牢屋では薄暗くてわからなかったが、随分と小汚いワンピースのようなものを着ていた。

「それはたぶん私のことだと思いますよ？さっきまで捕らえられてて、魔法を使って逃げ出してきたので。」

　正直に答えると物凄い驚かれた。

「魔法だって？嬢ちゃんは貴族なのか？」

「いえ、違うと思いますが…」

そう答えると、男は険しい顔をして黙り込んでしまった。