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しばらくして看守さんが戻ってきた。
「エレナちゃんおまたせ~さっき言った会ってもらいたい子はこの子なんだけど…」
そう言って看守さんは鉄格子の影から男の子を引っ張り出した。
なんか…嫌そう。私に会いたくなかったのかな…
「ごめんねエレナちゃん。この子人見知り?みたいなものだから…わたしは今から行くところがあるから二人でお話しててくれる?」
ちょっと話せるか不安だけど友達が欲しかったから頷いた。
「そう…よかったわ。ちゃんと挨拶するのよ?」
と男の子の頭をポンと叩いて看守さんはどこかに行ってしまった。
暗いからよく見えないけれど廊下の明かりが瞳とか髪にキラキラ反射してとっても綺麗だと思う。
私は自分がどんな顔かわからないけどきっと比べ物にならない。
「…えっとこんにちは…」
とりあえず挨拶はした方がいいよね…
看守さんは声に出さなくてもわかってくれるから声を出したのは久しぶりだ。掠れてたかな…
しばらく待っても男の子は挨拶を返してくれなかった。
やっぱり私って気持ち悪い?看守さんは普通に接してくれるけど他の人はどうかわからない。こんな綺麗な人なら、周りも綺麗な人ばっかで私みたいな人いなかったのかな…
でも人見知りって言ったし本当に人見知りなだけっていう可能性もあるしもう一回だけ挨拶して、それでダメだったらもう諦めよう。
「こんにちは」
「…」
やっぱりダメか…と思わずショボンとしてしまった。すると「…こんにちは」と小さかったけどちゃんと挨拶を返してくれた。初めて会った人にはちゃんと自己紹介しないと!
「えっと私の名前はエレナって言います。よかったらあなたの名前も教えてくれないかな?」
「…レ…ィ…」
「ごめんなさい…聞こえなかったです…」
折角勇気を出して名前を言ってくれたのに聞こえなかったな…でも何回も言ってもらったら失礼だよね…だからといって名前間違えてもダメだし...グルグルと考えていると、「レイ」という男の子のはっきりした声が聞こえた。
もう一回繰り返してくれたんだ!嬉しいなぁこの人も少しは私と仲良くなりたいって思ってくれてるのかな?
「何回も繰り返させてごめんなさい!レイ君って言うんだね!これからよろしくお願いします!」
としっかり礼をした。顔を上げると、レイ君が目を見開いていた。え?私何か変なことしたかな?
「な、何か変だった?」
と私が聞くとふるふると首を横に振るレイ君。
「変じゃないけど友達には…お辞儀とかしなくていいと思うよ?」
「お友達になってくれるの?!」
「え、嫌だった?」
「全然!初めてのお友達だもの、すっごく嬉しいに決まってる!」
「…そっか」
なんだか最初の時より、レイ君スラスラ話してるけど、ちょっとは心を開いてくれたってことでいいのかな?
「ねぇレイ君。もう少し近くで話したいな。私はあまり動けないから近づいてくれると嬉しいんだけど…」
そう提案するとレイ君は首を振った。
「ごめん。これ以上は近づけない」
少し胸がチクリとした。勝手に私が盛り上がってただけで、レイ君は友達になったこと、嬉しくないのかもしれない。
「エレナちゃんおまたせ~さっき言った会ってもらいたい子はこの子なんだけど…」
そう言って看守さんは鉄格子の影から男の子を引っ張り出した。
なんか…嫌そう。私に会いたくなかったのかな…
「ごめんねエレナちゃん。この子人見知り?みたいなものだから…わたしは今から行くところがあるから二人でお話しててくれる?」
ちょっと話せるか不安だけど友達が欲しかったから頷いた。
「そう…よかったわ。ちゃんと挨拶するのよ?」
と男の子の頭をポンと叩いて看守さんはどこかに行ってしまった。
暗いからよく見えないけれど廊下の明かりが瞳とか髪にキラキラ反射してとっても綺麗だと思う。
私は自分がどんな顔かわからないけどきっと比べ物にならない。
「…えっとこんにちは…」
とりあえず挨拶はした方がいいよね…
看守さんは声に出さなくてもわかってくれるから声を出したのは久しぶりだ。掠れてたかな…
しばらく待っても男の子は挨拶を返してくれなかった。
やっぱり私って気持ち悪い?看守さんは普通に接してくれるけど他の人はどうかわからない。こんな綺麗な人なら、周りも綺麗な人ばっかで私みたいな人いなかったのかな…
でも人見知りって言ったし本当に人見知りなだけっていう可能性もあるしもう一回だけ挨拶して、それでダメだったらもう諦めよう。
「こんにちは」
「…」
やっぱりダメか…と思わずショボンとしてしまった。すると「…こんにちは」と小さかったけどちゃんと挨拶を返してくれた。初めて会った人にはちゃんと自己紹介しないと!
「えっと私の名前はエレナって言います。よかったらあなたの名前も教えてくれないかな?」
「…レ…ィ…」
「ごめんなさい…聞こえなかったです…」
折角勇気を出して名前を言ってくれたのに聞こえなかったな…でも何回も言ってもらったら失礼だよね…だからといって名前間違えてもダメだし...グルグルと考えていると、「レイ」という男の子のはっきりした声が聞こえた。
もう一回繰り返してくれたんだ!嬉しいなぁこの人も少しは私と仲良くなりたいって思ってくれてるのかな?
「何回も繰り返させてごめんなさい!レイ君って言うんだね!これからよろしくお願いします!」
としっかり礼をした。顔を上げると、レイ君が目を見開いていた。え?私何か変なことしたかな?
「な、何か変だった?」
と私が聞くとふるふると首を横に振るレイ君。
「変じゃないけど友達には…お辞儀とかしなくていいと思うよ?」
「お友達になってくれるの?!」
「え、嫌だった?」
「全然!初めてのお友達だもの、すっごく嬉しいに決まってる!」
「…そっか」
なんだか最初の時より、レイ君スラスラ話してるけど、ちょっとは心を開いてくれたってことでいいのかな?
「ねぇレイ君。もう少し近くで話したいな。私はあまり動けないから近づいてくれると嬉しいんだけど…」
そう提案するとレイ君は首を振った。
「ごめん。これ以上は近づけない」
少し胸がチクリとした。勝手に私が盛り上がってただけで、レイ君は友達になったこと、嬉しくないのかもしれない。
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