怖い話集 ホラー

秋

ある秋の夜、村の外れに住む若い女性が、紅葉狩りに出かけました。彼女は人気のない森に入り、色とりどりの葉を集めるうちに、時間を忘れてしまいました。

夕暮れ時、急いで帰ろうとしたとき、ふと目に入った古びた小屋。好奇心に駆られ、彼女はその小屋に近づきました。扉はきしむ音を立てて開き、内部は薄暗く、ほこりまみれでした。壁には不気味な絵が描かれており、彼女はぞっとしました。

その瞬間、背後から冷たい風が吹き抜け、何かが彼女の髪を揺らしました。振り返ると、そこには誰もいません。しかし、心の中には不安が広がり、早く帰ろうと思ったとき、足元に何かが落ちているのを見つけました。

それは、古い写真。写っていたのは、彼女に似た女性が、同じ小屋の前で微笑んでいるものでした。その女性の目は、異様に空虚で、どこか悲しげでした。恐怖に駆られ、彼女は写真を捨てようとしましたが、手から離れず、まるで何かが引き寄せているかのようでした。

そのとき、背後で小屋の扉が閉まる音が聞こえ、彼女は恐怖に駆られました。急いで外に出ると、森は真っ暗で、道が見えません。焦りながら彷徨うと、再び同じ写真が目の前に現れました。

彼女は何度も試みましたが、村に戻れませんでした。秋の夜、彼女の姿は森の中に消え、今も小屋の中で、彼女自身の写真を見つめる女性の声だけが、風に乗って響いています。