怖い話集 ホラー

ラーメン屋

暗い夜、古びたラーメン屋が一軒佇んでいた。その店の扉を開けると、薄暗い灯りが中を照らし出す。主人公の佐藤は、何となく足を踏み入れ、その店の奥に進んでいくと、そこには不気味な雰囲気が漂っていた。

「いらっしゃいませ」と、店主が微かな笑みを浮かべて迎え入れる。佐藤は不安を感じながらも、ラーメンの香りに誘われて席に着く。しかし、注文したラーメンが運ばれてくると、それは見たこともない異様な色をしていた。

スープは血のような赤色を帯び、麺は不気味な形状をしている。佐藤は戸惑いながらも、一口食べてみると、その味は何とも言えない異常さがあった。まるで食べる者の心を喰らうかのような味だった。

その夜から、佐藤は悪夢にうなされるようになった。夢の中で彼は、そのラーメン屋が次第に不気味な存在に変わっていくのを目撃する。店主の笑みが次第に獰猛なものに変わり、ラーメンは次第に生々しいものに変わっていく。

佐藤は次第に現実と夢の区別がつかなくなり、彼の周りの人々も次第に彼を避けるようになった。そして、ついには彼自身がそのラーメン屋に引き寄せられるようになり、夢と現実が交錯する中で、彼の心は次第に狂気に蝕まれていった。

絶望の中、佐藤はそのラーメン屋に閉じ込められ、彼の意識は次第に闇に呑み込まれていく。そして、最後に彼が残したのは、呻き声とともに消えゆく「おいしいよ、食べてみて。」の言葉だけだった。