怖い話集 ホラー

ネジ

ある夜、町の古びた家に住む老婦人が、不気味な音を聞きました。それは、家の中から響くネジの回転音でした。老婦人は一瞬、その音を無視しようとしましたが、気になって調べることにしました。

彼女は明かりを灯し、家の中を探索しました。その音の元を見つけるために、彼女は階段を上り、屋根裏部屋に足を踏み入れました。屋根裏部屋には古びたボックスが積み重ねられており、その中から音が聞こえてきました。

彼女は懐中電灯を手に、ボックスの方に近づいていきました。そして、一つのボックスを開けると、中から不気味なネジが出てきました。それは光を反射し、奇妙な輝きを放っていました。

老婦人は驚きましたが、何故この屋根裏にネジがあるのか理解できませんでした。それは彼女が置いた覚えのないもので、家にも使うものがなかったのです。しかし、そのネジが回転音を発していたことは確かでした。

ネジが不気味な音を鳴らす中、老婦人は不安に包まれました。そして、そのネジが徐々に彼女に近づいてきていることに気付きました。彼女は懐中電灯を振り回し、ネジを遠ざけようとしましたが、それは止まりませんでした。

ネジは次第に老婦人に巻き付き、彼女を縛りつけました。彼女は必死で叫びましたが、誰も助けに来ることはありませんでした。その怪異なネジは彼女の体に絡みつき、彼女の意識を奪っていきました。

次の日、町の住人たちは老婦人の家から奇妙な音が聞こえていることに気付きました。しかし、彼女がどこかへ行ってしまったのだと思い込み、気に留めませんでした。

老婦人の家は以後、不気味な噂が立つようになりました。そして、その家を訪れる者たちは、時折、怪異なネジの音を聞くことがあると言います。老婦人の行方は知れないまま、彼女の家は恐怖の伝説となりました。