81 / 108
滑り台
しおりを挟むある小さな町に、古びた公園がありました。公園には古い滑り台が1つだけありましたが、その滑り台は見た目も怪しく、子供たちの間では「呪われた滑り台」という噂が広がっていました。
ある日、夕方になり、子供たちが公園で遊んでいました。しかし、誰も滑り台に近づこうとしませんでした。なぜなら、その滑り台から滑り降りた子供たちが、不気味な目をしていると噂されていたからです。
しかし、好奇心旺盛な少年のケンは、友達たちの警告を無視して滑り台に向かいました。夕焼けの中、ケンは滑り台の階段を登り、滑り台の上で一人きりになりました。
ケンは胸が高鳴りながらも、勇気を振り絞って滑り台に座り、滑り始めました。最初は楽しそうに滑っていたケンでしたが、滑り台がだんだんと陰気になっていくのを感じ取りました。
滑り台の金属が冷たくなり、空気が重くなりました。ケンは滑り台を降りることができず、滑り台が彼を引きずり込むような感覚に襲われました。彼が叫び声を上げると、その声は不気味に響き渡りました。
友達たちが恐れて駆け寄ってきましたが、滑り台はまるでケンを飲み込んだかのように、彼を取り戻そうとしませんでした。公園には静寂が広がり、夕焼けが暗闇に変わり行く中、ケンは滑り台に消えてしまったのでした。
それ以降、公園の滑り台は誰も使わなくなりました。村の人々は滑り台が呪われていると信じるようになり、公園は廃れてしまいました。ケンの失踪の謎は解けることはありませんでしたが、彼の姿を見たという子供たちの証言は確かでした。
公園の滑り台は、誰もが恐れる場所となりました。そして、その不気味な滑り台の上で、ケンの姿が時折見えるという噂も後々まで残りました。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる