怖い話集 ホラー

呪われた家

暗い森の中に一軒の古びた屋敷がありました。村人たちはその屋敷を「呪われた家」と恐れ、近づく者はほとんどいませんでした。とある日、冒険心旺盛な少年と少女がその噂を聞きつけ、興味津々で呪われた家に入ってみることにしました。

夕暮れ時、二人は屋敷に忍び込み、ドアを開けました。中は薄暗く、空気は重く、気味が悪さが漂っていました。しかし、彼らは勇気を振り絞り、奥へ進んでいきます。

廊下を進むと、足元に何かの影が見えました。近づいてみると、そこには小さな人形が転がっていました。不気味な人形は、見る者の心をざわざわと不安にさせるような笑顔を浮かべていました。

さらに奥へ進むと、部屋の中には古びた家具と壁にかかった不気味な絵が飾られていました。その中でも特に目を引く絵は、何者かが苦しんでいるような表情を描かれたものでした。見るに耐えない絵でありながら、何故か目を離すことができませんでした。

少年と少女は、屋敷の奥にある部屋に足を踏み入れます。すると、何かが壁から突然飛び出してきました。二人は驚きのあまり声を上げてしまいましたが、それはただの古びた時計だったのです。時計の音が次第に大きくなり、不気味な響きが屋敷中に響き渡ります。

そのとき、少年は目の前で急に現れた幽霊のような姿を見ました。彼は恐怖に打ち震え、手を伸ばして逃げようとしましたが、その幽霊の手が少年の心臓を掴んだかのように冷たく触れると、彼は動けなくなってしまいました。

一方、少女は壁にかかっていた写真に目を留めます。そこには、この屋敷が昔、幸せそうな家族の暮らす場所だったことがわかります。しかし、写真に写っているはずの家族が、いつの間にか怖ろしい顔に変わっているのです。

屋敷の中で次第に不気味な出来事が増え、二人は恐怖に囚われてしまいました。屋敷から逃げ出すために必死に奔走しますが、どこに向かっても出口が見つかりません。時計の音が次第に耳につんざくようになり、幽霊の姿がどこにでも現れるようになりました。

絶望的な状況の中、少年と少女は最後の力を振り絞り、屋敷の中を必死に駆け抜けます。やっとのことで外に出ることができた瞬間、屋敷は恐ろしい轟音とともに崩壊してしまいました。

二人は呪われた家から逃れることができましたが、その後も二度と元の自分たちには戻れませんでした。彼らはそれぞれ心に深い傷を負い、その日以降は決してその屋敷のことを語ることはありませんでした。