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二百十六のの城
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楽々園の開放された御書院を4人で覗き込んでいた。
残念ながら御書院や地獄の間などは入ることが出来ないらしく私達は外から覗き込むことが精一杯だった。
それでも玄関と御書院をつなぐ白板には説明用の掲示物が貼り出されたりしていてそれが時々内部に入場出来る特別拝観の日があることを示唆していた。
奥の部屋には豪華な襖絵などが隙間から見えてそれが内部への期待を余計に高めてくれる。
「はぁ・・・今日が拝観日だったら良かったのになあ・・・」
私はついつい泣き言を言ってしまった。
あゆみ先輩はそれを聞いてクスクス笑うと
「残念よね・・・」
と私に同情してくれた。
「どうして常時公開していないのでしょうか?」
「うーん、理由まではわからないけど・・・ただ、木造むき出しの天守と比べると畳はとても痛みやすいわ。長く良さを保とうとするならそれだけメンテナンスも必要とされるのよ。費用もばかにならないわ。だったら特別な日にだけ公開するほうが御殿にとっては良いわよね。」
先輩は少し考えると私の気持ちをなだめるようにそう教えてくれる。
確かに内装よりも防衛力を重視した櫓や天守よりも住みやすさや美しさを優先した御殿の方がメンテナンスに手間がかかりそうなのは間違いなさそうだ。
奥に装飾された鶴の襖絵なんかも傷なんてついてしまったら修復にいくら掛かることやら・・・
そう考えると残念でありながらも幾分か仕方のないことなのだと感じれるようになって不思議と残念な気持ちは少し薄らいだような気がした。
「美しさを保つため、少しでも長く歴史を伝えていくための特別拝観は仕方のないことだとも言えるし、逆に少しでも多くの人に知ってもらいたいが故に常時公開するのも理解できるわ。その塩梅が歴史的建築物を保全するのに難しいところなのよね。」
先輩は少し悩ましい顔をしてそう言うと天護先生も訪ちゃんも腕を組んでウンウンと頷いた。
「ま、どっちでもええけどとにかくうちらは今日、この時にこの素晴らしい御殿を見ることが出来た。そのことに感謝せなあかんって言うことやんな。」
訪ちゃんは噛みしめるようにそう言うと先生は
「あんたたまには良いこと言うじゃない。」
訪ちゃんの頭を撫でてあげた。
訪ちゃんは
「やめてや!」
と口では嫌がりつつも少し頬を赤らめて恥ずかしそうにしながら先生の手を振り払おうともがきながら
「たまにはちゃうわ!毎日言うてるわ!」
と先生に反論していたが先生はなぜだかそんな訪ちゃんを見て楽しそうにしているようだった。
そんな二人を見た私と先輩はなぜだかおかしくなってきて気づいたら声を出して笑ってしまっていた。
残念ながら御書院や地獄の間などは入ることが出来ないらしく私達は外から覗き込むことが精一杯だった。
それでも玄関と御書院をつなぐ白板には説明用の掲示物が貼り出されたりしていてそれが時々内部に入場出来る特別拝観の日があることを示唆していた。
奥の部屋には豪華な襖絵などが隙間から見えてそれが内部への期待を余計に高めてくれる。
「はぁ・・・今日が拝観日だったら良かったのになあ・・・」
私はついつい泣き言を言ってしまった。
あゆみ先輩はそれを聞いてクスクス笑うと
「残念よね・・・」
と私に同情してくれた。
「どうして常時公開していないのでしょうか?」
「うーん、理由まではわからないけど・・・ただ、木造むき出しの天守と比べると畳はとても痛みやすいわ。長く良さを保とうとするならそれだけメンテナンスも必要とされるのよ。費用もばかにならないわ。だったら特別な日にだけ公開するほうが御殿にとっては良いわよね。」
先輩は少し考えると私の気持ちをなだめるようにそう教えてくれる。
確かに内装よりも防衛力を重視した櫓や天守よりも住みやすさや美しさを優先した御殿の方がメンテナンスに手間がかかりそうなのは間違いなさそうだ。
奥に装飾された鶴の襖絵なんかも傷なんてついてしまったら修復にいくら掛かることやら・・・
そう考えると残念でありながらも幾分か仕方のないことなのだと感じれるようになって不思議と残念な気持ちは少し薄らいだような気がした。
「美しさを保つため、少しでも長く歴史を伝えていくための特別拝観は仕方のないことだとも言えるし、逆に少しでも多くの人に知ってもらいたいが故に常時公開するのも理解できるわ。その塩梅が歴史的建築物を保全するのに難しいところなのよね。」
先輩は少し悩ましい顔をしてそう言うと天護先生も訪ちゃんも腕を組んでウンウンと頷いた。
「ま、どっちでもええけどとにかくうちらは今日、この時にこの素晴らしい御殿を見ることが出来た。そのことに感謝せなあかんって言うことやんな。」
訪ちゃんは噛みしめるようにそう言うと先生は
「あんたたまには良いこと言うじゃない。」
訪ちゃんの頭を撫でてあげた。
訪ちゃんは
「やめてや!」
と口では嫌がりつつも少し頬を赤らめて恥ずかしそうにしながら先生の手を振り払おうともがきながら
「たまにはちゃうわ!毎日言うてるわ!」
と先生に反論していたが先生はなぜだかそんな訪ちゃんを見て楽しそうにしているようだった。
そんな二人を見た私と先輩はなぜだかおかしくなってきて気づいたら声を出して笑ってしまっていた。
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