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到着! ヴァーナ公国
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「着いた~」
目の前に見えてきた石造りの街並みを前に、俺は疲労いっぱいなヘロヘロ声を上げた。
スコット村を旅立って早二週間。
どこまで行っても全く同じ風景の道に精神を病みかけ……。
溜まったストレスでセシリアと喧嘩し、その度に車から降りて決闘し続け(ちなみに俺の7勝6敗12引き分け。つまり俺の勝利)……。
途中で妙な化け物に一目ぼれされて、徹夜で逃げ続け……。
「ようやくここまで辿り着いたのう」
「まったくだ。辛く苦しい旅だったぜ」
助手席に座るセシリアとともに、今日までの日々をしみじみと振り返る。
思えば、よくもまあここまで無事にたどり着けたものだ。
……主に、俺の貞操的な意味で。
けど、そんなのはもはや過去のことだ。
さようなら、延々と同じ風景を見続ける毎日。
こんにちは、人の活気とかわいい女の子との出会いに満ちた素晴らしい国。
「いや、今回も出会いはないと思うぞ。もしくは出会うだけで終わりじゃ。いい加減、悟れ」
だから、心を読むなと何回も……。
「まあいい。今は目の前のパラダイスが大事だ。――さあ、張り切って乗り込むとするか。上手いメシと客の歓声が俺たちを待っているぜ!」
「うむ! レッツゴーじゃ!」
二人で『オーッ!』と気勢を上げ、勢い込んでアクセルペダルを踏む。
いざ行かん。
夢の国(?)へ!
「そこの怪しい乗り物、止まりなさい!」
「「…………」」
速攻で国境の守備兵に止められました……。
ちくしょう。
国境警備対策を考えんの忘れてた……。
* * *
「ふぃー……。危なかったな」
無事に国境線を越え、万桜号の運転席で一息つく。
ヴァン王国の時みたいに三日間の拘留なんてされたら堪ったもんじゃないからな。
今回は無事に切り抜けられてよかったぜ。
「あー、そーじゃなー。何事もなくて良かったのー」
「なんだよ、まだ怒ってんのか。さっきから悪かったって謝ってんじゃんか」
「ふーんだ。別に怒ってなんかいないもんねー。わらわ、いつも通りだもんねー」
プイッとそっぽを向く、我らがお姫様。
その態度、わかりやすくがっつり怒ってんじゃんか。
だからさっきから悪かったって言ってるのに。
こいつも根に持つ奴だな。
ついでに言えば、別に俺も悪いことしたわけじゃねえし。
どちらかといったら、必要悪?
正直、機嫌損ねられても困るっつうか……。
むしろ逆に、俺の機転を褒めてもらいたいぐらいなんだけどな。
まあ、そんなことを言っても余計にセシリアの機嫌を損ねるだけだ。
ここは放っておくに限るだろう。
ああ、ちなみにセシリアが怒っている理由。
事の次第は、国境警備隊とのやり取りにある。
具体的に言うと……そう、こんな感じだな。
目の前に見えてきた石造りの街並みを前に、俺は疲労いっぱいなヘロヘロ声を上げた。
スコット村を旅立って早二週間。
どこまで行っても全く同じ風景の道に精神を病みかけ……。
溜まったストレスでセシリアと喧嘩し、その度に車から降りて決闘し続け(ちなみに俺の7勝6敗12引き分け。つまり俺の勝利)……。
途中で妙な化け物に一目ぼれされて、徹夜で逃げ続け……。
「ようやくここまで辿り着いたのう」
「まったくだ。辛く苦しい旅だったぜ」
助手席に座るセシリアとともに、今日までの日々をしみじみと振り返る。
思えば、よくもまあここまで無事にたどり着けたものだ。
……主に、俺の貞操的な意味で。
けど、そんなのはもはや過去のことだ。
さようなら、延々と同じ風景を見続ける毎日。
こんにちは、人の活気とかわいい女の子との出会いに満ちた素晴らしい国。
「いや、今回も出会いはないと思うぞ。もしくは出会うだけで終わりじゃ。いい加減、悟れ」
だから、心を読むなと何回も……。
「まあいい。今は目の前のパラダイスが大事だ。――さあ、張り切って乗り込むとするか。上手いメシと客の歓声が俺たちを待っているぜ!」
「うむ! レッツゴーじゃ!」
二人で『オーッ!』と気勢を上げ、勢い込んでアクセルペダルを踏む。
いざ行かん。
夢の国(?)へ!
「そこの怪しい乗り物、止まりなさい!」
「「…………」」
速攻で国境の守備兵に止められました……。
ちくしょう。
国境警備対策を考えんの忘れてた……。
* * *
「ふぃー……。危なかったな」
無事に国境線を越え、万桜号の運転席で一息つく。
ヴァン王国の時みたいに三日間の拘留なんてされたら堪ったもんじゃないからな。
今回は無事に切り抜けられてよかったぜ。
「あー、そーじゃなー。何事もなくて良かったのー」
「なんだよ、まだ怒ってんのか。さっきから悪かったって謝ってんじゃんか」
「ふーんだ。別に怒ってなんかいないもんねー。わらわ、いつも通りだもんねー」
プイッとそっぽを向く、我らがお姫様。
その態度、わかりやすくがっつり怒ってんじゃんか。
だからさっきから悪かったって言ってるのに。
こいつも根に持つ奴だな。
ついでに言えば、別に俺も悪いことしたわけじゃねえし。
どちらかといったら、必要悪?
正直、機嫌損ねられても困るっつうか……。
むしろ逆に、俺の機転を褒めてもらいたいぐらいなんだけどな。
まあ、そんなことを言っても余計にセシリアの機嫌を損ねるだけだ。
ここは放っておくに限るだろう。
ああ、ちなみにセシリアが怒っている理由。
事の次第は、国境警備隊とのやり取りにある。
具体的に言うと……そう、こんな感じだな。
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