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第五章 宝探し
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* * *
ふたつ目のヒントを見つけてから、数十分。僕は初めて会った時の奈津美先輩よろしく校門の支柱に寄りかかり、メモ用紙とにらめっこを続けていた。
奈津美先輩から出された次なるヒントは、次のような内容だった。
【ベニヤ合板1枚、角棒5本、棒ネジ2本、ナット4個、蝶ナット2個、ナットに対応するワッシャー適量】
何度眺めてみても、書かれているのはこれだけだ。おそらく何かの材料だと思うのだけど、いくら考えてもまったく見当がつかない。
「なんの日曜大工だよ、これ」
思わず愚痴が出てしまう。
奈津美先輩、すみませんでした。ルールを聞いた時、あなたを侮って「これは勝ったな」と思ったことを反省します。あなたは割とこの手の勝負に向いているかもしれません。
「とはいえ、このまま終わるのもおもしろくないか……」
ルール上、ネットなんかで調べるのもありのはずだ。あとは図書室の本で探すのも。奈津美先輩も、禁止とは言っていなかったし。
この材料だけでどこまで探せるかわからないけど、奈津美先輩のことだ。きっと製本に使う道具か何かだろうし、答えを見つけられるかもしれない。司書志望者の腕の見せ所だ。
気合を入れて、僕はズボンのポケットからスマホを取り出した。
と、その時だ。
「あれ? 悠里君じゃん。そんなところで何してんの?」
不意に声を掛けられ、僕は視線をスマホから声のした方へ移した。
そこには、僕に向かって手を振るふたりの女性が立っていた。
「真菜さんに陽菜乃さん。どうも、ご無沙汰しています」
「やっほー。一カ月ぶりくらいかな」
「お久しぶりです。元気そうね、一ノ瀬君」
そう。僕に手を振っていたのは、夏休みにお世話になった書籍部OGの真菜さんと陽菜乃さんだったのだ。
どうやらこの人たちも、文化祭を観に来たらしい。まさかこんなところで会えるなんて、びっくりだ。
「で、こんなところで何してんの? 奈津美ちゃんは?」
真菜さんが、人好きする笑顔でフランクに話しかけてくる。彼女の後ろでは、お姉さんである陽菜乃さんも穏やかに笑っていた。
一方、事情を話しづらい僕は、曖昧に笑いながら「いや、ちょっと……」と返すのが精一杯だった。
すると、僕の態度から何かを察したのだろう。真菜さんが神妙な面持ちになって僕の目を見つめてきた。
「もしかして、奈津美ちゃんの渡仏に関係していたりする?」
「――ッ!」
ずばりその通りのことを言い当てられて、動揺が思い切り顔に出してしまった。その様を見た真菜さんは、「やっぱりそうか」と納得顔になった。
「真菜さん、奈津美先輩の修業のこと、知っていたんですね」
「まあ、これでも奈津美ちゃんの相談相手を務めさせてもらっているからね。お盆休みの頃に、教えてもらったわ」
僕が確認すると、真菜さんはあっさりと頷いた。
事情を知らないらしい陽菜乃さんは、「え、フランス? 栃折さんが? どういうこと?」と後ろで少しオロオロとしている。この状況で不謹慎かもしれないが、少し和んだ。
「で、話戻すけど、悠里君がここにいるのは、奈津美ちゃんのフランス修業が関係しているわけね」
「まあ、そんな感じです。それ関係の成り行きで、ちょっと先輩と勝負することになりまして……。これが何を意味しているのか、考えていたところなんです」
言い逃れはできないと観念し、手に持っていたメモ用紙を真菜さんに見せる。誰かにヒントを見せるのはさすがにルール違反かと少し思ったけど、ネットとかと一緒でこれもルールで規定していなかったし、勝手にセーフとした。
「何、これ。何かの材料?」
真菜さんに渡したメモを覗き込み、陽菜乃さんが不思議そうに首を傾げる。僕とまったく同じ感想だ。陽菜乃さんにも思い当たる節はないらしい。
真菜さんの方に目を向けてみれば、彼女も口をへの字にして難しい顔をしている。これは真菜さんもダメそうだ。
もしかしたら手掛かりを掴めるかもと思ったけど、そううまくはいかないらしい。これはやっぱり、地道に答えを探すしかないだろう。
そう思って真菜さんからメモ用紙を受け取ろうとした時だった。
「これ、かがり台の材料じゃないの……?」
「え……?」
難しい顔のまま呟いた真菜さんに、僕は呆けた顔で聞き返してしまった。
「かがり台って、手製本で本をかがる時に使う、あの?」
「そう。そのかがり台」
確認するように聞くと、真菜さんは首を縦に振って肯定した。
かがり台は、手製本を行う際に使う道具だ。台に糸を数本張って本の背を宛がい、宛がった糸ごと本を綴じていくのだ。
先月、『アルカンシエル』を作る際に見たので、僕もよく覚えている。
「私、前に奈津美ちゃんにかがり台の作り方を教えてもらったことがあるんだよね。で、その時に教えてもらった材料が、確かこんな感じだった気がする」
メモ用紙を僕に返しながら、真菜さんは補足するように言う。
その言葉を聞きながら、僕は頭の中で記憶にあるかがり台を全力で分解していた。ベニヤ合板1枚、角棒5本、棒ネジ2本、ナット4個、蝶ナット2個、ナットに対応するワッシャー適量。細かいところまではわからないけど、確かにそんな材料でできていた気がする。
答えがかがり台とわかった瞬間、僕の頭は急速に回転し始めた。この学校でかがり台が関係してきたことと言えば、一度しかない。ついさっき思い出した、夏休みの『アルカンシエル』作りだ。
ならば、次のメモがある場所は、ひとつしかない。かがり作業を行った技術室だ。
「すみません、真菜さん、陽菜乃さん。僕、もう行かなくちゃ! 助けてくれて、どうもありがとうございました」
真菜さんからメモ用紙を受け取り、勢いよく頭を下げる。
顔を上げると、真菜さんと陽菜乃さんの驚いた顔が飛び込んできた。まあ、いきなり捲し立てるようにお礼を言われたら、誰だって戸惑うか。
けど、ふたりともすぐに微笑みを浮かべ、僕を送り出してくれた。
「何だか知らないけど、役に立てたなら良かったよ。奈津美ちゃんとの勝負、頑張ってね」
「事情はよくわからないけど、悔いが残らないようにね、一ノ瀬君」
「はい! ありがとうございます!」
ふたりの大先輩に背中を押され、僕は走り出す。
人々の間を縫うように駆け抜け、僕は一目散に元いた特別教室棟を目指した。
ふたつ目のヒントを見つけてから、数十分。僕は初めて会った時の奈津美先輩よろしく校門の支柱に寄りかかり、メモ用紙とにらめっこを続けていた。
奈津美先輩から出された次なるヒントは、次のような内容だった。
【ベニヤ合板1枚、角棒5本、棒ネジ2本、ナット4個、蝶ナット2個、ナットに対応するワッシャー適量】
何度眺めてみても、書かれているのはこれだけだ。おそらく何かの材料だと思うのだけど、いくら考えてもまったく見当がつかない。
「なんの日曜大工だよ、これ」
思わず愚痴が出てしまう。
奈津美先輩、すみませんでした。ルールを聞いた時、あなたを侮って「これは勝ったな」と思ったことを反省します。あなたは割とこの手の勝負に向いているかもしれません。
「とはいえ、このまま終わるのもおもしろくないか……」
ルール上、ネットなんかで調べるのもありのはずだ。あとは図書室の本で探すのも。奈津美先輩も、禁止とは言っていなかったし。
この材料だけでどこまで探せるかわからないけど、奈津美先輩のことだ。きっと製本に使う道具か何かだろうし、答えを見つけられるかもしれない。司書志望者の腕の見せ所だ。
気合を入れて、僕はズボンのポケットからスマホを取り出した。
と、その時だ。
「あれ? 悠里君じゃん。そんなところで何してんの?」
不意に声を掛けられ、僕は視線をスマホから声のした方へ移した。
そこには、僕に向かって手を振るふたりの女性が立っていた。
「真菜さんに陽菜乃さん。どうも、ご無沙汰しています」
「やっほー。一カ月ぶりくらいかな」
「お久しぶりです。元気そうね、一ノ瀬君」
そう。僕に手を振っていたのは、夏休みにお世話になった書籍部OGの真菜さんと陽菜乃さんだったのだ。
どうやらこの人たちも、文化祭を観に来たらしい。まさかこんなところで会えるなんて、びっくりだ。
「で、こんなところで何してんの? 奈津美ちゃんは?」
真菜さんが、人好きする笑顔でフランクに話しかけてくる。彼女の後ろでは、お姉さんである陽菜乃さんも穏やかに笑っていた。
一方、事情を話しづらい僕は、曖昧に笑いながら「いや、ちょっと……」と返すのが精一杯だった。
すると、僕の態度から何かを察したのだろう。真菜さんが神妙な面持ちになって僕の目を見つめてきた。
「もしかして、奈津美ちゃんの渡仏に関係していたりする?」
「――ッ!」
ずばりその通りのことを言い当てられて、動揺が思い切り顔に出してしまった。その様を見た真菜さんは、「やっぱりそうか」と納得顔になった。
「真菜さん、奈津美先輩の修業のこと、知っていたんですね」
「まあ、これでも奈津美ちゃんの相談相手を務めさせてもらっているからね。お盆休みの頃に、教えてもらったわ」
僕が確認すると、真菜さんはあっさりと頷いた。
事情を知らないらしい陽菜乃さんは、「え、フランス? 栃折さんが? どういうこと?」と後ろで少しオロオロとしている。この状況で不謹慎かもしれないが、少し和んだ。
「で、話戻すけど、悠里君がここにいるのは、奈津美ちゃんのフランス修業が関係しているわけね」
「まあ、そんな感じです。それ関係の成り行きで、ちょっと先輩と勝負することになりまして……。これが何を意味しているのか、考えていたところなんです」
言い逃れはできないと観念し、手に持っていたメモ用紙を真菜さんに見せる。誰かにヒントを見せるのはさすがにルール違反かと少し思ったけど、ネットとかと一緒でこれもルールで規定していなかったし、勝手にセーフとした。
「何、これ。何かの材料?」
真菜さんに渡したメモを覗き込み、陽菜乃さんが不思議そうに首を傾げる。僕とまったく同じ感想だ。陽菜乃さんにも思い当たる節はないらしい。
真菜さんの方に目を向けてみれば、彼女も口をへの字にして難しい顔をしている。これは真菜さんもダメそうだ。
もしかしたら手掛かりを掴めるかもと思ったけど、そううまくはいかないらしい。これはやっぱり、地道に答えを探すしかないだろう。
そう思って真菜さんからメモ用紙を受け取ろうとした時だった。
「これ、かがり台の材料じゃないの……?」
「え……?」
難しい顔のまま呟いた真菜さんに、僕は呆けた顔で聞き返してしまった。
「かがり台って、手製本で本をかがる時に使う、あの?」
「そう。そのかがり台」
確認するように聞くと、真菜さんは首を縦に振って肯定した。
かがり台は、手製本を行う際に使う道具だ。台に糸を数本張って本の背を宛がい、宛がった糸ごと本を綴じていくのだ。
先月、『アルカンシエル』を作る際に見たので、僕もよく覚えている。
「私、前に奈津美ちゃんにかがり台の作り方を教えてもらったことがあるんだよね。で、その時に教えてもらった材料が、確かこんな感じだった気がする」
メモ用紙を僕に返しながら、真菜さんは補足するように言う。
その言葉を聞きながら、僕は頭の中で記憶にあるかがり台を全力で分解していた。ベニヤ合板1枚、角棒5本、棒ネジ2本、ナット4個、蝶ナット2個、ナットに対応するワッシャー適量。細かいところまではわからないけど、確かにそんな材料でできていた気がする。
答えがかがり台とわかった瞬間、僕の頭は急速に回転し始めた。この学校でかがり台が関係してきたことと言えば、一度しかない。ついさっき思い出した、夏休みの『アルカンシエル』作りだ。
ならば、次のメモがある場所は、ひとつしかない。かがり作業を行った技術室だ。
「すみません、真菜さん、陽菜乃さん。僕、もう行かなくちゃ! 助けてくれて、どうもありがとうございました」
真菜さんからメモ用紙を受け取り、勢いよく頭を下げる。
顔を上げると、真菜さんと陽菜乃さんの驚いた顔が飛び込んできた。まあ、いきなり捲し立てるようにお礼を言われたら、誰だって戸惑うか。
けど、ふたりともすぐに微笑みを浮かべ、僕を送り出してくれた。
「何だか知らないけど、役に立てたなら良かったよ。奈津美ちゃんとの勝負、頑張ってね」
「事情はよくわからないけど、悔いが残らないようにね、一ノ瀬君」
「はい! ありがとうございます!」
ふたりの大先輩に背中を押され、僕は走り出す。
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