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最終話 ~冬~ え? 神様方が地獄分館を取り潰そうとしている? ウフフ……。ならば私が、彼らに身の程というものを教えてあげるとしましょう。
二つ目、いってみましょう。
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「それじゃあ、次! 両者、二つ目の依頼の回答を出せ」
伊邪那美様がチョイチョイと手招きして次の回答を催促します。
「ほら、閻魔様。伊邪那美様が呼んでいますよ」
「ああ、うん。――伊邪那美様、こちらが調査結果です」
「……お願いいたします」
閻魔様と久延毘古氏から調査結果を受け取った伊邪那美様が、最初の依頼の時と同様に、内容を検分していきます。
「ふむふむ、なるほどのう……。久延毘古は参考調査係と同じく、地獄の歴史関連の資料から当たったか。対して、地獄分館側は官報のコラムから情報を引き出したと……。これはなかなか面白い切り口じゃな」
伊邪那美様が愉快そうにカラカラと笑います。
割と良好な反応ですね。とりあえず、うちのでくの坊二人は図書館内で迷子になった失態を挽回してくれたようです。
――ただ……。
「この依頼で導き出された答えも地獄分館陣営・久延毘古ともに同じじゃのう。――となると、この依頼も引き分けじゃな!」
過程を重視しない伊邪那美様は、答えが同じならば引き分けにしてしまいます。
まあ、きっちり引き分けに持ち込んでくれたわけですから、そこは二人に感謝しましょう。
ついでにティラさんとダイナさんのエサも勘弁してあげます。――代わりに、コンクリ詰めで地獄の火山の火口へ放り込みますが……。
「あれ、何か悪寒が……」
「奇遇ですね、閻魔様。私も今、何やら素敵な未来が待っている予感がしました」
エテ公と変態が何やら察知しましたが、無視しておきましょう。
ともあれ、これで二引き分け。
勝ちも負けも見えない状況というのは、どうにも落ち着きませんね。どうしてもヤキモキしてしまいます。
「同着ゴールで、ここまで二引き分け。残す依頼は最後の一つ……。――これは、否が応でも盛り上がる展開じゃな。ぬふふ。この緊張感、心地よいのう」
気が気でない私と違って、伊邪那美様は超楽しそうです。
あのにやけ面に、今は少しばかり殺意を覚えます。
「ではでは、運命を決める最後の依頼、いってみようかのう」
そう言って、伊邪那美様が私と久延毘古氏に向かって手を差し出します。
(何とかこの三つめの依頼で、勝ちを手繰り寄せることができれば良いのですが……)
引き分けの場合のルールは決めていなかったので、何とも言えないですけどね。ここで勝たねば、私達に先がなくなる可能性は無きにしも非ずです。
私は祈るような気持ちと共に、調査結果と当該資料を伊邪那美様に渡しました。
「ほい、確かに。ほれ、久延毘古も」
「…………。……はい。こちらになります」
私に続き、久延毘古氏も若干間を置いて調査結果の用紙を手渡しました。
さあ、これで賽は投げられました。
後は……結果を待つのみです。
伊邪那美様がチョイチョイと手招きして次の回答を催促します。
「ほら、閻魔様。伊邪那美様が呼んでいますよ」
「ああ、うん。――伊邪那美様、こちらが調査結果です」
「……お願いいたします」
閻魔様と久延毘古氏から調査結果を受け取った伊邪那美様が、最初の依頼の時と同様に、内容を検分していきます。
「ふむふむ、なるほどのう……。久延毘古は参考調査係と同じく、地獄の歴史関連の資料から当たったか。対して、地獄分館側は官報のコラムから情報を引き出したと……。これはなかなか面白い切り口じゃな」
伊邪那美様が愉快そうにカラカラと笑います。
割と良好な反応ですね。とりあえず、うちのでくの坊二人は図書館内で迷子になった失態を挽回してくれたようです。
――ただ……。
「この依頼で導き出された答えも地獄分館陣営・久延毘古ともに同じじゃのう。――となると、この依頼も引き分けじゃな!」
過程を重視しない伊邪那美様は、答えが同じならば引き分けにしてしまいます。
まあ、きっちり引き分けに持ち込んでくれたわけですから、そこは二人に感謝しましょう。
ついでにティラさんとダイナさんのエサも勘弁してあげます。――代わりに、コンクリ詰めで地獄の火山の火口へ放り込みますが……。
「あれ、何か悪寒が……」
「奇遇ですね、閻魔様。私も今、何やら素敵な未来が待っている予感がしました」
エテ公と変態が何やら察知しましたが、無視しておきましょう。
ともあれ、これで二引き分け。
勝ちも負けも見えない状況というのは、どうにも落ち着きませんね。どうしてもヤキモキしてしまいます。
「同着ゴールで、ここまで二引き分け。残す依頼は最後の一つ……。――これは、否が応でも盛り上がる展開じゃな。ぬふふ。この緊張感、心地よいのう」
気が気でない私と違って、伊邪那美様は超楽しそうです。
あのにやけ面に、今は少しばかり殺意を覚えます。
「ではでは、運命を決める最後の依頼、いってみようかのう」
そう言って、伊邪那美様が私と久延毘古氏に向かって手を差し出します。
(何とかこの三つめの依頼で、勝ちを手繰り寄せることができれば良いのですが……)
引き分けの場合のルールは決めていなかったので、何とも言えないですけどね。ここで勝たねば、私達に先がなくなる可能性は無きにしも非ずです。
私は祈るような気持ちと共に、調査結果と当該資料を伊邪那美様に渡しました。
「ほい、確かに。ほれ、久延毘古も」
「…………。……はい。こちらになります」
私に続き、久延毘古氏も若干間を置いて調査結果の用紙を手渡しました。
さあ、これで賽は投げられました。
後は……結果を待つのみです。
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