新米魔王と7悪魔

須藤 凛

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Sevens nights

First night : 憤怒の金髪美女

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 謎の金髪美女、もとい、憤怒の悪魔ルーシェさんに進められ、クッキーを食べています。とても美味しいです。
「でね、その男が最低の屑でさ、腹立ったからちょこっと仕返ししようとしてね?国を滅ぼしたんだけどね?」
んん??今なんて?
「怒りがおさまらなくて、結局アイツにいろんな復讐して、満足して死んだの。あ、違うまだ死んでないかな?悪魔になった?っていうのが私の悪魔になった経緯ね?」
なぜこんな話を?私達初対面では?
「あ、ところでユナちゃんの部屋は私の隣ね?はいこれ鍵。」
いきなり投げないでくれると嬉しいのですが。
鍵はとても綺麗です。深い黒の本体に柔らかい緑色で装飾が施されていて、新芽を思い起こすようなデザインになっています。
「気に入った?この城の鍵はね、持ち主によって形が変わるの。」
今この人にこにこしてすごいこと言いました!
「それから、毎朝城の場所は変わるから、朝起きてびっくりしないでね?」
んんん???またなんかすごいこと言った!
まぁ驚くのは明日の朝で良いでしょう。
「ユナちゃんはさぁ、何で悪魔になったの?」
「......。」
「言いたくないなら良いんだけどね?」
言いたくないわけでは無いのです。話せないのです。
「えっと?」
ふるふる。
「言いたくない訳じゃない?」
こくこく。
「じゃあ、話せない?」
こくり。
そう、私声が出ないのです。
何かすみません。
「はいこれ。」
紙とペンを渡されました。
「喋れないなら書けば良いじゃない。なんてね?」
おお。
素晴らしい案です。
というわけで、私が全てを書き終えるまで、ルーシェさんは微笑みながら待っていてくれました。とてもいい人です。
「書けた?」
頷いて紙を渡します。
ひととおり目を通すと、ルーシェさんは私を抱き締めました。
なんだか悲しそうだったので、背中に手をまわして抱き締め返しました。
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