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一時帰還

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ケンジ以外を影空間に避難させると。


「こっちだよ」


ケンジが指し示すと、守りの塔の中央にぽっかり穴が開き、螺旋階段が現れた。それを二人で降りると大きな卵の殻のようなものが。


「これに入っていれば、自爆のダメージは防げるんだ」


ケンジの言うままに、アタシ達は二人で卵の殻に入る。元々は一人用だったのか、狭い、と言うよりもほぼ密着じゃないですか。ちょっと緊張するけど、まあ、アタシみたいなペッタン娘にはケンジもなんとも思わないからいっか。


「で、ではいくよ? 」

どうして、声が裏返ってるの?!

「じ、自爆キーワード『ファ、ファファファイナル・エクスプロージョン』!」

……何も起こらない……

ケンジは顔を真っ赤にして上を向いて口元を手で覆った。

「ご、ごめん、どもったんで発動しなかった!今度こそ、『ファイナル・エクスプロージョン』」

次の瞬間、閃光と共に轟音が鳴り響き、光が消えて目が慣れてくると、守りの塔があった周囲は何も無くなっていた。あれだけ居たモンスターも、森の木々も。


とんでもない爆発だね、これ。

これでも卵防壁のおかげで衝撃は完全にシャットアウトしてるし、防音もかなりのものらしい。それでもあれだけの轟音か。


今のうちに影空間に早く入れてくれ、とケンジが言うので影空間へ。


影空間で他の皆と合流したケンジは、ようやくホッとした表情を見せた。


「ねえ、あの守りの塔って、またすぐ出せるの?」

「とんでもない!あれ作るのにも時間掛かったんだよ。しばらくは無理だ」


そうすると、他のメンバーの魔力切れもあるし、これで撤退だね。

アタシ達は影異相転移でフォードの街へ移動、ギルドへ状況報告に向かった。



指名クエストの報告をしに来たと言って、ギルドマスターに面会を申し込み、アタシ達はネルソンさんの部屋に通された。


「おお!無事に帰った来てくれて何よりだ。それで、どんな感じだった?」


アタシ達がSランク冒険者二人の活躍ぶりを話すと、二人からもアタシ達の活躍を話してくれて。ミシェルなんか、ユリースの魔法はBランク相当だなんて言ってくれた。それから、アタシの従魔達の戦闘力や、アタシ達のチームワークからしても、パーティーとしてのランクはAランクに近い、とも。


話が少し脱線したけども、アタシは奥地で見た、大蛇や巨人の集団、そしてドラゴンが居た事を話す。


「ドラゴンが2頭だって!流石にそれはマズイな……」

「あ、ダイジョブダイジョブ。2頭とも、仕留めて空間収納に入れて持ってきてるよ」


「「「「「「はあっ!?」」」」」」



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