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出撃

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行けば判るって、むしろ知りたくないんですけど……大体、当人達はどう思ってるんだろ?


ミシェルさんとケンジさんはそれで良いの?と聞くと。

Sランクはスタンピードの際に出撃拒否は出来ないんだそうで。

それに、この二人、戦闘事態は嫌がってるけど、自分が死ぬとは思ってないみたい。自分の力には絶対的な自信がある?


ならば、やってみようか。Sランクの力、存分に見せてもらおう!

アタシ、スーリヤ、ユリース、アリシア、ナツコさんとマーニャ、ピナッチ。それにミシェルとケンジ

(さん付けはいらないって、言われたので遠慮なく)。


アタシ達は自己紹介を交わしてから、9人で影異相転移に乗り、スタンピードの前線へ影空間を移動する。


「す、すごいなあ。景色が飛ぶように流れるよ。新幹線みたいだ!」


ん?ケンジって、日本出身なの?


「すごいですねえ。この影空間なら、遠慮なく魔法の試し撃ち出来ますねえ」


ミシェル、ひょっとして魔法バカ?


そんな事を思っても、影異相転移では時間はあっという間だ。アタシ達は最前線に直ぐに到着した。


移動を止めれば、影空間から外はストップモーションのように見えるのだけど。


「モンスターの海ねえ。ここで泳ぎたくはないわ」

と、ナツコさん。


「数はともかく、強めの敵を優先で倒さなければならない。でも平地でコイツらに囲まれるのはダメだね」

「防御陣地の構築なら任せて。僕なら空間収納から良い物取り出せるから」


スーリヤの言葉にケンジが。ほほう、君も空間収納持ちか!


「では、外に出たら、出の早い魔法をユリース、お願いします。私はその後に追撃しますので」


ミシェルの言葉にユリースが返事し、アタシとアリシアは二人の護衛。


ナツコさんは大きくなって、背中にスーリヤを乗せると宙に浮かぶ。空から攻撃してもらい、マーニャとピナッチはその護衛だ。


現界出現場所は街道のド真ん中にする。これはケンジのリクエストだ。それでは、いざ、現界へ!


現界へ出るとナツコさんが急上昇、スーリヤが弓を構え、矢に精霊魔法を乗せる。


「水の精霊よ、写し見となりて降り注げ。アローレイン!」


放たれた矢の分身として水の矢が形成され、本体の矢と同じ軌跡を描いて辺りに降り注ぐ。


同時に、ユリースが魔法を放つ。


「向かい風!」


前方に向かって吹き飛ばす強風がぶつけられ、向かってこようとしていたゴブリンライダー達が後ろに転がっていく。その隙にケンジが空間収納から何かを取り出した。


「守りの塔!」






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