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ユリースの不義理

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公爵の土下座にびっくりしたけど、問題はそこじゃない。


「謝るのは貴方ではないでしょ!」


アタシが声を張り上げると、父の土下座に呆然としていたユリースが気がついたように公爵の傍らで土下座を始める。


「申し訳ありません。私の間違いでした。大変失礼を致しました」


向こうも失礼だし、アタシも怒っちゃうし、でも、親子二人に土下座されても、アタシもすぐ許す気にもなれないし、この状況、どう収集つければ良いのよ……


「この場はお顔を上げてください。このような状況ではもうなにも話にならないでしょう」


スーリヤが公爵達に話しかけて、公爵達は立ち上がった。


「ユリース公女が本気で謝罪したいのなら、後で銀剣亭に訪ねてきてください。それから、魔暴症を完治させるには、虹魔石を用いて体の魔力属性を確認のうえ馴染ませるのが第一ですが、そもそも魔力が多いのです。それは魔法使いとしての才能でもあります。自己鍛練することによって、魔力操作能力が身に付けば、再発はしないでしょうね」


「エルフ族には、魔暴症の治療法が分かるのか?!」


「エルフにもたまに居ますし、人よりは長く生きてますから」


スーリヤは微笑み掛けると、アタシの腕を叩いて退室を促した。


こうして、アタシとランテルム公爵の面会は、またもや後味の悪いものとなったのであった。

おかしいな、昼食に招かれた筈なのに、ご飯食べてないよ?

アタシはスーリヤに付き合ってもらって、この日は食べまくる事にした。

夜にはもう、ああっ、アタシのお腹がイカ腹ポンポンなっちゃったよ~。ぴえん。


翌日ー


銀剣亭で朝食を取っていると、お客様が来ています、と言われて。昨日の今日で嫌な予感。

食べ終わるまで待たせてから会いに行くと、そこには小柄な二人の女性が居た。

一人は金髪縦ロールのユリース、もう一人は護衛も兼ねているのかな?メイド姿だ。

「あ、あのっ!昨日は大変失礼をしました、申し訳ありませんでした!」

ユリースはメイドと一緒に深々と頭を下げる。今更そんなことされても、アタシのイカ腹は減らないのだ。今日は狩りに行ってダイエットだよ、畜生!

アタシがプンプンしてるので、スーリヤが相手をしてくれることに。とりあえずアタシ達の部屋に案内する。

「それで、今日はどのようなご用件ですか?謝罪は確かに受けましたが、ペネロッテがそれを許すかどうかはまた、別の問題です」

項垂れて萎れるユーリス。その姿を見てメイドさんが口を開いた。そこからは私が説明してよろしいでしょうか?と。


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