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龍聖

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「今日はここまで、ですね明日から新学期が始まりますし」
「新学期かぁ、龍聖様は学園には通えないのなの」

神官長と吏瑠が固まる、後ろに居る護衛と前に居る護衛も顔色が悪くなる、少しだけ悪いことをした気になるが話しを聞きたいから止めない。
僕は婚約者だし、聞いても良いのだろうが王族同士の婚約者は本当に嫁いで来るまでは運命の番だろうが、同盟国だろうが、他国の人には代わりないのだ。
だから、王族である龍聖様の事を相談なんて龍我様には出来ないが、神殿の人達は違う。

神殿の人達は国同士の争いを認めないし、政治問題にも神殿は関わらない事は聖なる心を持つ神殿の人達には必要な事な為に関わりを持つ事を良しとしない。

「あー姫様は知らないだろうけれど、龍聖様は素行が悪いんだよ、神殿も出入りするのに監視が付くしな」
「えっ、監視」

僕はすっかりびっくりし過ぎて口調もどこかに飛んでしまう。

「はははっ、姫様は他国の人だが、神殿の者でもある姫様に取ったら未来の弟だから、教えるんだ」
「はいなの」

神殿の情報は神殿の関係者のモノ。
悪用すれば呪いとなり苦しむ事に成っている、口にする前に確実に、心や頭で悪事を企てるだけで。

「監視対象に成っている者は邪悪な心がかなり深刻な者だ」
「ーっまさか龍聖様は」
「えぇ、一応毎日神子様が祈りを捧げ、結界をし邪悪な心を除去しょうと祓っていますが追い付きません」

神殿の護衛達は手がカチャカチャと震える、龍人は龍心により死期を同じにするが時々病気や事故、殺人などに龍心を交換する前に片方が亡くなり怒り、悲しみ、狂ってしまう龍がいる。
その龍を狂い龍といい、狂い龍は龍人国内から出さぬ内に殺す事が番と又出会える事を願いなから安らかに眠らせる事が狂い龍を解放出来る唯一の救いになる。
その討伐を行うのも龍人国では龍人の神殿の人の役目でもある。

「番が亡くなったなの」
「いいえ、まだ分かりません」
「番が亡くなっていたなら、もっと狂いますよ、ただ相手が幼過ぎて分からないか、龍聖様がまだ幼いから感じないだけか」

グッと拳を握る、龍聖様に嫌われているのは兄を取られたからとずっと思って居たけれど他にも原因が有りそうだ。

「そんな状態の龍聖様を学園に通わせるのは危険だと神殿の人一同の考えです」
「まぁ、まだ年齢も赤子だしな」

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