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神殿の欲

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「世界樹かぁ」
「世界樹がどうかしましたか、姫(ひぃ)様」
「うわっ」

僕はひやっとして飛び上がる、この龍人国の神官長でありこの城の神獣、聖獣、精霊の管理をしている。

「すみません、驚かせてしまいましたか」
「い、いいえ、大丈夫です神官長様」

ほっと胸を撫で下ろす、精霊達がざわざわしている。
魔力を少しだけ放出してしまったから、精霊達が喧嘩しながら食べて居る。

「おやっ、おやっ、この場所はかなり魔力が濃厚にある筈ですけれどお腹好かせていますね」
『サクヤの魔力だからな』
「神獣様、お久しぶりで御座います」
『御託はいい、神殿の者なら世界樹の事を聞いているだろう』

神殿は各地の国にあり、神殿は国の法には縛られない様に成っている。
その一つが戦争の時に神殿は力を貸さないただし、戦争で傷付いた者は治癒する。
あくまで、神殿は神獣、聖獣、精霊、世界樹の保護と自然の保護が仕事である。
だから、国同士の政治面は神殿は関わる事はない。

「はい、神獣様世界樹の巫子様の各地の神殿の者達に捜索を命令しています」
『で』
「神殿の者は皆、闇や欲、嫉妬などなど醜い感情がない者のみに聞ける様にしております」
「神殿なのに、欲深い人なんているのなの」

僕は首をかしげる。

「一応、神殿の者ですが人ですから」
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