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精霊王

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「ふふふ、今日は世界樹の栄養材を持って来ました」

神力が少しだけ入った栄養材、世界樹は神獣だとしても基本的には大木だから動けないのだ。

『おー神の子の一部は最高じゃ』

ごくごくと口から飲み込む、口と言っても幹の根からだが。
体内に染み込んだのか、ポンッと世界樹の種が出てくる、見ていた神官達が大騒ぎをしているが世界樹は知らん顔だ。

『ふぉふぉ』
「あっ」

世界樹はお腹いっぱいに成ったのか寝てしまう、カイとウミが雨を降らすだが世界樹の周り
にだけだ。

「寝ちゃったなの」
『じじぃだからなぁ』

りのが世界樹の種を器用に前足で拾い上げ、ペロッと舐める。

『ーっこれは次代の世界樹の種ですね』
「それってーっ」

僕は真っ青な顔になり、りのの言葉に息を飲み込む。
世界樹の種それも次代の種ということは寿命が来たのだ。

『あーそんなにうるうるしないでっ、りのーっ』
『りのの説明じゃ混乱するの・・ねミルク』

ミルクとクルミが慌てながら僕に言う、僕は首を傾ける。
世界樹の次代が産まれると言うことは、世界樹に寿命が来て今の世界樹は枯れてしまうと言う事を。

「クルミ、ミルク」
『サクヤ大丈夫だ、次代と言えど簡単には発芽しない、発芽を出来るのは世界に一人だけ緑の巫子(神子)だけだ』
『神子(巫子)を探すのは神殿の役目だが、かなり難しいんだ、居たとしても枯れてしまう事の方が多い、そうであろう』

ぶわっと風が吹き大地の精霊王と緑の精霊王と自然の精霊王が世界樹の元に集う。

『そうやなぁ』
『えぇ』
『せやっ』

大地の精霊王は土色の服を着ていて一見普通の人に見える、そして緑の精霊王も緑色の服を着ていて穏やかそうな顔をしふわふわと漂っている、それに自然の精霊王は土色と緑色と茶色の服を着ていて身体が大きい。

「ーっ」
「ーっ」

神官達は皆さん頭を下げて、膝を付いている。
僕はりのとゆのとりん、ミルクに抱き付かれている。

『ふふふ、初めまして』
『あーやっぱり極上やなぁ』
『そうやなぁ』

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