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料理

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「ふぁっ」

欠伸をしながら腕を捲る、僕は今日こそやるのだ。

「ふふふっ、ふーん」

僕は深夜隙を見て台所に侵入している、侵入と言っても僕の家だから、犯罪ではない。
まぁ貴族は絶対にやらないし、ましてや王族が料理なんて、有り得ない事だけれど。
僕は日本では家族と思えないが家族に料理をさせられていたし、洋菓子や和菓子も太らないモノを作れや美容にいいモノや見映えするモノを作れと命令されていたから、かなりの腕前のはずだ。

「ふふーふんーん」

カシャカシャと僕はふわふわのチョコケーキととろとろの果物を沢山使いタルト生地を作る。
それから、アップルパイを作るつもりだ。
お金は全て小説で自分で稼いだお金だ、後調理器具も自分で作った。
なんせこの世界は電気製品は皆無だから、魔力で作ったモノで生活しているが、僕のこのふわふわのスポンジは絶対に出来ないから、僕は頑張った凄く頑張って開発した。
試行錯誤し、やっと完成したハンドミキサーで卵白を入れてある程度固まって来たら砂糖を入れてを繰り返して角が出来るまで混ぜて混ぜてと。

「ふわふわに美味しくなぁ~れ美味しくなぁれ」

チョコを湯煎していく、このチョコはかなりビターな大人の味だから、甘いモノが嫌いな人でも食が進むはずだ。
そして、地球の普通ならカカオ豆からチョコが出来るがカカオ豆の木はこの世界ではチョコが普通に実としてぶら下がっている、チョコは木から外さなければ溶ける事はないらしい。
卵黄と砂糖とバターを入れて混ぜる、バターはこの世界では魔牛という魔獣の乳から出来る、オスがバターを出し、メスが牛乳を出すと知った時は吃驚した。

「甘く、ほろ苦く優しい味になれ~」

僕は歌いながら作業を進めていく、ザクザクサクサクと果物を切りながら、この世界の衝撃はこの籠に入ったモノに目を向けるナパージュをする為に絞り出さなければならない、この世界のゼラチンは生きているから。
だから、少し憂鬱だよね。

「ふわふわに焼けてね、さて、タルト生地はいい感じに冷えたなの」

林檎を甘く煮てコンポートを作り生地に乗せていく、パイシートはこの前からアイテムボックス

見た目はただの袋だけれど、中は魔法の空間で、どんな物でも大量に荷物が入るそれに時間停止機能があり、アッアッの物を入れるとアッアッの状態で保存できるし、キンキンに冷やしたモノは冷えた状態で保つ。
さらには、中身が確認しやすく、直ぐに取り出せる。
そして最大は持ち主が落としたりしたり持ち主以外が開けたり盗難されたりした時は持ち主に自動に返ってくるし持ち主以外には開けらない。

「この小さな袋がアイテムボックスだと思わないだろうけれど、そもそも袋か疑問だよねなの」

袋というよりは、神社で買うお守りの様な小さな袋なんだ。

「よし、パイ生地いいかんじなの」

パイ生地に小さな穴を無数に開けて林檎を詰める様に蓋をしてオーブンに入れる。

「ふふふっ、美味しくなぁれ」



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