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メイ
しおりを挟む40代の男性は椅子に座り兵士はドアに背を向けてルーディーアの様子を見守る。
「…誰かこの数時間で、王子の部屋に入った者は居なかったかなぁ」
「いらっしゃらないかと……何か王子にあったのですか」
「いいえまだ断言は出来ませんから、憶測での物をはかることは得策ではありませんし」
会議室では、僕が知らない間に大変な事になっていた。
「…ルーディーアに使い魔が」
「まだ、赤子ではないですか、召喚の儀式も低級の儀式も教えていらっしゃいませんよ」
信じられない顔をする、二人に。
「時々いる、王族なら尚更な王族の血は魔物に好かれやすく、契約をしたがる者が多いからな…三代前の王…つまりお前さんに取ったら曾祖父様は産まれた瞬間に契約をした、ユニコーンとな、近くにたまたま散歩していたら釣られてな」
「…今日、ルーディーアに会いに行きます」
「そうしろ」
「ルーディーア坊は第二王子だが、正妻(王妃)のお子だ……現王の素質に一番近い」
「……分かってるーっ、ルーディーアの部屋に護衛を増やせ、それから魔導師のアイビスと使い魔師ラブレスー後、結界師のサアラを手配してくれ」
「ハッ」
一方、ルーディーアの部屋では。
「うーんっ」
「あっ、ルーディーア様ーっお目覚めに成りましたか」
メイが僕の顔色をうかがう。
んーっ、なんだか三人に呼ばれた様な気がする。
あっ、三人とは僕の兄達と弟の事だよ。
僕達は、四っ子として産まれた。
長男、如月伽空夜かぐやは僕と一卵性の双子?
次男月夜つきよ四男と一卵性で。
僕、三男朔夜。
四男、聖夜、次男と一卵性の双子?なんだ。
四っ子で双子っておかしいけど、聖夜と月夜とはなんとなくの感覚の共有があるけれど、考えていることが一緒だったり、食べたい物や飲みたい物、好きなゲーム漫画、色々と同じだった。
だけど、伽空夜とは違う、伽空夜とは痛みや悲しみ強い想いは通じた共感して僕に届く。
それは月夜と聖夜も同じで四っ子だけど、一卵性の二人の感覚はみんなには理解できないみたいだが、僕達は分かる。
「ううっ」
「あー良かったです、もう夜になるんですよ、さぁ紹介したい者が居ます」
だから、呼ばれた気がするんだよね。
でも、僕朔夜は死んだ。
それに、ここは魔法が使える世界、だから異世界だ。
異世界まで僕達の感覚が届くのかなぁ。
なら、僕は大丈夫って言わないと。
伽空夜は僕のあの時の痛みを不安を叫びを聞いていたはずだから、だから悲しまないでって言わないと。
メイの言葉は今の僕には届いていなかった。
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