四っ子の三男は異世界に王子様になりました、それもただの王族じゃなく

夜ト

文字の大きさ
上 下
5 / 9

メイ

しおりを挟む


40代の男性は椅子に座り兵士はドアに背を向けてルーディーアの様子を見守る。

「…誰かこの数時間で、王子の部屋に入った者は居なかったかなぁ」
「いらっしゃらないかと……何か王子にあったのですか」
「いいえまだ断言は出来ませんから、憶測での物をはかることは得策ではありませんし」

会議室では、僕が知らない間に大変な事になっていた。

「…ルーディーアに使い魔が」
「まだ、赤子ではないですか、召喚の儀式も低級の儀式も教えていらっしゃいませんよ」

信じられない顔をする、二人に。

「時々いる、王族なら尚更な王族の血は魔物に好かれやすく、契約をしたがる者が多いからな…三代前の王…つまりお前さんに取ったら曾祖父様は産まれた瞬間に契約をした、ユニコーンとな、近くにたまたま散歩していたら釣られてな」
「…今日、ルーディーアに会いに行きます」
「そうしろ」

「ルーディーア坊は第二王子だが、正妻(王妃)のお子だ……現王の素質に一番近い」
「……分かってるーっ、ルーディーアの部屋に護衛を増やせ、それから魔導師のアイビスと使い魔師ラブレスー後、結界師のサアラを手配してくれ」
「ハッ」

一方、ルーディーアの部屋では。

「うーんっ」
「あっ、ルーディーア様ーっお目覚めに成りましたか」

メイが僕の顔色をうかがう。
んーっ、なんだか三人に呼ばれた様な気がする。
あっ、三人とは僕の兄達と弟の事だよ。
僕達は、四っ子として産まれた。
長男、如月伽空夜かぐやは僕と一卵性の双子?
次男月夜つきよ四男と一卵性で。
僕、三男朔夜。
四男、聖夜、次男と一卵性の双子?なんだ。
四っ子で双子っておかしいけど、聖夜と月夜とはなんとなくの感覚の共有があるけれど、考えていることが一緒だったり、食べたい物や飲みたい物、好きなゲーム漫画、色々と同じだった。
だけど、伽空夜とは違う、伽空夜とは痛みや悲しみ強い想いは通じた共感して僕に届く。
それは月夜と聖夜も同じで四っ子だけど、一卵性の二人の感覚はみんなには理解できないみたいだが、僕達は分かる。

「ううっ」
「あー良かったです、もう夜になるんですよ、さぁ紹介したい者が居ます」

だから、呼ばれた気がするんだよね。
でも、僕朔夜は死んだ。
それに、ここは魔法が使える世界、だから異世界だ。
異世界まで僕達の感覚が届くのかなぁ。
なら、僕は大丈夫って言わないと。
伽空夜は僕のあの時の痛みを不安を叫びを聞いていたはずだから、だから悲しまないでって言わないと。

メイの言葉は今の僕には届いていなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら
BL
 俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!  実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。  一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!  前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。 !注意! 初のオメガバース作品。 ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。 バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。 !ごめんなさい! 幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に 復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

処理中です...