トラウマアイドル

階段地獄

階段地獄

「あっちょっとーっ待って下さい」
「え」
「ここから先は関係者以外は立ち入り禁止です」

真新しい制服を着たお姉さんに引き留められた僕城ヶ崎陽菜は中学一年生そして僕はアイドルでもあります、城ヶ崎陽菜って言う名前はもう慣れた、僕の本当の名前は一ノ瀬陽菜って言うんだ、でも僕は今城ヶ崎陽菜って名前になったんだ。

「僕はアイドル科の研究生です」
「えっ、あっはい…通っていいですよ」

ふふふんと鼻唄を歌いながらICUカードを取り出して受付の後ろにあるセキュリティゲートに翳す、ICUがなければこの先のエレベーターにも乗れない、僕は５３階のボタンを押してエレベーターで５３階まで行くんだけれど、なんせ５３階だ、暇過ぎる。
本当に暇過ぎる、５３階だよ５３階まで25分だよ25分…滅茶苦茶暇なんだよね、まぁ途中止まることがないからいいんだけれど、それに今一人乗っているから他の人は階段しかないんだよね、特に研究生は階段を良く使っている何故かと言うと体力作りにはもってこいなんだよね、現にこの５３階のビルは寮もあって寮に住んでいる子は時間があれば無意味に階段登り降りをしているし、僕も中学に成ったからやってみたが、かなりもう本当にキツいから４５階で止まり階段で行く。