人外食堂

夜ト

文字の大きさ
上 下
2 / 18

ペルニーク

しおりを挟む
「よいしょ」

香辛料を沢山使って作ったペルニークのクッキーに普通の香辛料を使っていないクッキー
をアイシングしていく。
このアイシングが一番大変なんです、綺麗な線を書いていかないとズレたら台無しです。

「あっ、おはようございます店長」
「んっ、おはようございます」

従業員の一人が来た所で続々と従業員が出勤し始める、パン食堂は24時間営業の年中無休にも関わらず基本的に僕の料理でないと、この食堂の意味がない為に僕は働き詰めだ。

「店長、昨日接客したんですか珍しいですね」
「ちょっと来客の体調を見たかったからね、そんな事よりコレ手伝って」

僕の手元を見て嫌な顔を隠しもせずに、一言いい放つ。

「あー俺そういうチマチマした作業向いていないので、ライカワにやらせたらどうです」

グレーの言葉に溜め息を付く、このパン食堂で働いている者は僕の眷属と僕の獣姦が獣姦にした者達でグレーは僕の眷属ではないからこの態度をする、僕はかなり気に入っているが。
僕の態度に僕の眷属は激怒し、パン食堂が崩壊した事は数知れず。

「ライカワは少し御使いに出した」
「えっ、ライカワをですか」

グレーの顔色が変わる、それはそうだろうライカワは僕の付き人だ、幼少期から父神様が専用に付けてくれたまま今でもお世話に成っている。

「うん、気になる事があってねフルーツと野菜切って置いて」
「気になる事ですか、了解」

カレーパン定食にシチューパン定食は冬の定番
として大釜で煮込む作業が結構重労働だが、僕がスパイスの調合するだけで、他の人がかき混ぜても僕の効果が落ちない事を知り年中作っている一品でもある。
そして、フルーツサンドイッチは生クリームとパンを僕が作業する事で僕の効果が落ちない事はわかったが、生クリームを作る作業がかなり大変な為にクリスマスシーズンの月でイチゴが美味しい時期に成ったので期間限定商品。

「フルーツサンド用の果物洗って置きますね」
「うわっ、もう終わったの速いね」

グレーが切ったフルーツは大量に保存容量に入っているし、野菜も種類別に整理され入っている。
態度は悪いが有能なので、かなりグレーは嫌われる存在でもある、僕の親しい人達には理解されているが。

「最近の穢れの件ですか、盛り付けしちゃいますね」
「あーやっぱり分かるよね」
「分からない筈ないですよ、かなり来店者も多いですし」

グレーは厨房専門な職人だ、そんなグレーはお店には一切出ないのに感じるならばかなり不味い状況だろう。

「バナナは色が落ちるからバナナピザ定番を注文したお客様にだけバナナ添えてね」

新入りを教える声が届くが新入りさんは顔色が悪い。
当てられている事は明白だ。

「スウィ、ソウと一緒に控え室に来て」
「あっ、主様了解です」

スウィはパン食堂で働く人達の教育係り件働く人達の相談所でもある。
スウィは僕の眷属でもあるから、この食堂では立場が上だ。

「ソウ少し穢れが入ってしまったね」
「ーっ。主様ーっ申し訳ありません」

ソウはまだ神に成り立てで余り自分の能力が発揮できない、そんな神様を預かるのも仕事の内。

「デトックスウォーター低級」

デトックスウォーターの極上、中級、低級があり僕の能力をかなり使っているのは極上で低級は無料よりも治癒の能力を入れている有料の聖なる水だ。

「ーっいいのですか」
「聖なる水だけでもいいけれど、念には念を入れといて損はないからね」
「すみません」

ごくごくと喉を鳴らして飲むのを見届けて、思い口を開く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

いじめ

夜碧ひな
キャラ文芸
ある学校の1クラスでは、1人の女子高生 佐々木 愛唯(ささき あい)を対象にいじめが行われていた。 卒業式の日、彼女は証書授与で壇上に上がり、ナイフを自分に刺した。 数年後、彼女は幽霊となり自分をいじめたクラスの人間を1人ずつ殺してゆく。その行動にある思いとは。 ※この物語はフィクション作品です。個人名、団体などは一切関係ありません。 ※この作品は一部バイオレンスな表現が含まれています。閲覧の責任は負いかねますので予めご了承ください。

家路を飾るは竜胆の花

石河 翠
恋愛
フランシスカの夫は、幼馴染の女性と愛人関係にある。しかも姑もまたふたりの関係を公認しているありさまだ。 夫は浮気をやめるどころか、たびたびフランシスカに暴力を振るう。愛人である幼馴染もまた、それを楽しんでいるようだ。 ある日夜会に出かけたフランシスカは、ひとけのない道でひとり置き去りにされてしまう。仕方なく徒歩で屋敷に帰ろうとしたフランシスカは、送り犬と呼ばれる怪異に出会って……。 作者的にはハッピーエンドです。 表紙絵は写真ACよりchoco❁⃘*.゚さまの作品(写真のID:22301734)をお借りしております。 この作品は、別サイトにも投稿しております。 (小説家になろうではホラージャンルに投稿しておりますが、アルファポリスではカテゴリーエラーを避けるために恋愛ジャンルでの投稿となっております。ご了承ください)

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

里帰りした猫又は錬金術師の弟子になる。

音喜多子平
キャラ文芸
【第六回キャラ文芸大賞 奨励賞】 人の世とは異なる妖怪の世界で生まれた猫又・鍋島環は、幼い頃に家庭の事情で人間の世界へと送られてきていた。 それから十余年。心優しい主人に拾われ、平穏無事な飼い猫ライフを送っていた環であったが突然、本家がある異世界「天獄屋(てんごくや)」に呼び戻されることになる。 主人との別れを惜しみつつ、環はしぶしぶ実家へと里帰りをする...しかし、待ち受けていたのは今までの暮らしが極楽に思えるほどの怒涛の日々であった。 本家の勝手な指図に翻弄されるまま、まともな記憶さえたどたどしい異世界で丁稚奉公をさせられる羽目に…その上ひょんなことから錬金術師に拾われ、錬金術の手習いまですることになってしまう。

追想曼殊沙華秘抄-遥けき花の庭に結ぶ―

響 蒼華
キャラ文芸
国政に影から関与してきた女系の異能者一族である玖珂家の跡取り娘の迩千花は、直系唯一の女子でありながら日々親や一族、使用人からすら蔑まれ虐げられてきた。 理由は、迩千花が三年前の祭祀に失敗し、異能を失ったから。 そればかりではなく、それ以来祭っていた祭神もまた沈黙してしまっていた。 迩千花に次いで強い異能を有していた従妹の真結を旗頭とする分家・見瀬家の台頭を許した事もあり、迩千花は忌わしい役立たずとして扱われてきた。 大事に思うものは従妹により奪われ、愛してもどうせ失うからつらいだけ、全てを諦め生きていた迩千花は、ある日両親から非道な命令を下される。 それを拒否して逃げ出した先、何時も唯一の友と語らっていた彼岸花の庭にて嘆きの叫びをあげた時。 祠に封じられていた大きな力を持つ存在が嘆きに呼応して封印の眠りから目覚めた。 それは、かつて祭神に倒されたという呪われた祟り神だった――。 ※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。 イラスト:Suico 様

恋より友情!〜婚約者に話しかけるなと言われました〜

k
恋愛
「学園内では、俺に話しかけないで欲しい」 そう婚約者のグレイに言われたエミリア。 はじめは怒り悲しむが、だんだんどうでもよくなってしまったエミリア。 「恋より友情よね!」 そうエミリアが前を向き歩き出した頃、グレイは………。 本編完結です!その後のふたりの話を番外編として書き直してますのでしばらくお待ちください。

婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。

夢草 蝶
恋愛
 侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。  そのため、当然婚約者もいない。  なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。  差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。  すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?

処理中です...