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お母様なの

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「ーっ、お母様なの」

ぎゅっと枯れた世界樹が植えて有った場所の地面に僕は座り込む。僕をぎゅっと抱き締めるナオ。

「ーっ」
「ママ、僕の中に母たる世界樹の記憶があるよ、私の神獣戻って来てくれてありがとうって言ってる」

僕はナオをぎゅっと抱き締める、やがて涙が止まり周りを見渡すと僕と同じ神獣が何人も居る。
中には突然来た僕を警戒していた、神官も居たが神獣と分かり頭を下げて若い世界樹の木を護るように囲いを造っている。

「ママ、これからは僕が一緒にいるからネ」

愛し子は獣人ではなく神獣で良かったとナオは思う。
獣人も人間よりは長生きだが、お別れは直ぐに来る、だけど神獣ならずっと永久に一緒に居られる。
本体のこの木は神獣を初め神官が護るから、神官は神殿そのものを守り、神獣は世界樹の側を護る、古代から続く常識だ。

「ーっ、アレンーっ」

探して慌ててるアレンの番を呼び込む、神獣でも神官でも愛し子でもない王族三人は世界樹が幼い状態では決して近付く事は出来ない。

「今日は特別だよネ、ママの番達」
「ーっ、アレンこの木が世界樹様か」

こくりっとアレンは頷く、まだ目覚めたばかりのアレンには何となくしか自覚していないだろうから無理もない。
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