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国の常識

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「フニャッ」
「クスクス、アレンこれにアレンの魔力を流すんだ」

俺の番である、アレンは俺と繋がっている。
魔力の形も魔力の香りも運命の番は似ている、多少は違うが基本的に同じだ。
見る人が見なければ分からない些細な違いくらいなほんの少し違うだけ。
だから、俺はアレンの手を握る、普通なら魔力を流す俺の魔力はアレンの体内を巡るだけだが、アレンと俺は繋がっている為に俺の魔力をアレンに流す事により、アレンの魔力を操作する。

俺達王族とその運命の番のみに許された魔力共有。
普通の王族では出来ないが、獣人国と龍人国、エルフ国、人魚国、妖精国、魔人事、天人国の王族と運命の番には可能だ。

だが、獣人国と魔人国に龍人国以外は自国からめったに離れない、旅をする者もいるが基本的に変わり者と運命の番探し以外は自国から出る事はない。

獣人国は基本的に運動が好きで色々と勝負する事が大好きな為に皆成人したら他国にも行く事が多い。
龍人国は運命の番の出会いが生き甲斐だ、運命の番を見つけられずにいると狂う事になる、だから自国に居ないなら他国に探しに行く事に積極的だ。
それとは逆に、魔人国はより良い魔素を求めたり、人間の肉を食べる為に人間観察したり、魔術を介して召喚され契約成就の際には人間の肉を貰う事の為に人間の国に良く居る。
変わり者は何処にでも居るから、魔人国の人間がアレンに頭を垂れて、手の甲に誓いの接吻をして恍惚とした表情を浮かべながら、俺に蹴られている筈は・・・・ないのだが。

「この変態、離れなさい」
「嫌だーっマイ天使ーっ」

アオイが引き離そうとするが、アレンに僻み付き離れない、無理やりやり過ぎればアレンに怪我が及ぶ可能性があるからな。

「兎に角ここでは目立ちます、待っていなさい」
「嫌だーっ、離れないーっそんな事言いつっ俺が外に出たら、別扉から出るつもりだろう、騙されないんだからな」

レアオイが軽く舌打ちする、そんな魔人を無視しながらも、アレンの様子を見るが足がプルプルしていて、可愛そうだ。
それもその筈だ、小さなアレンの身体にこの魔人のデカイ身体を支えるなんて事出来る筈がないからな。

「はぁーっ、アレンから離れろ変わりにレントに僻み付け」
「わかった」
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