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認識阻害結界、レント視点

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「皇子、皇子」

自国の王子は理性的だ、それなのに他国で急に全速力で走り出す姿に幼い時からのお付きの私レントは慌てる。

「何ごとだ」
「そういえば、朝からそわそわしていたな」

私とアオイは皇皇室の幼馴染みとして共に育った、がこんな主を見たことはない。

「まさか、嫌まさか」
「ありゆるだろう」

私とアオイはお互いにお互いを見つめ合い主の元に駆け寄る。
威嚇する主を落ち着かせることに成るとは思わなかったが、主の意外な一面を又見る事が出来て私達は安堵する。

「皇子のその反応、番様ですね」
「ガルルッ」
「レント待て、違うこれは運命の番だ」

私の言葉に威嚇する主にレントは待てを掛ける、レントの言葉に主は頷く仕草に確信する。

「「おめでとうございます」」
「ーっあのっ」

主の腕に抱かれていた小さな小さな身体はすっぽりと主に隠れているが、首を一生懸命出して言葉を伝え様としている様子に主が唸る。
あぁ、番様ダメですよ不用意に主以外に先に声を掛けるのは。
まぁ、困惑する気持ちは分かるが。

「あのっ、離して下さいって聞いてますか」
「ググルッ」

主から離れようともがくのもダメですよ番様。
私のそんな心の声は番様に聞こえる筈もなく主の腕の中でもがく番様。

「僕っ、早くこの国から出たいんです追っ手が来るの」
「「追っ手」」

番様の言葉に私とアオイは鸚鵡返しをする、そういえば良く見ると番様はウェディングドレスを着ている。
ウェディングドレスの格好を見て私もアオイも真っ青になる。

「まさか、ご、ご結婚を」
「違うの、あんなヤツと結婚するくらいなら自害した方がマシなの」

番様の言葉にぎゅうぎゅうと力を込めてウェディングドレスを隠そうとして居る主に阻害防止と会話は勿論姿形全てを結界で見えなくする。

「自害など赦さぬ」
「はぁーっ、番様は逃げてきたと言う事ですね、申し訳ありませんが我々と一緒に来て貰います」

番様はコクリッと頷く。

「この国から出ればればいいの、但し隣国はダメなの見つかったら・・・連れ戻されたら僕は」

ガタガタッと震える番様を一刻もこの国に留めてはいけない。
この国は昔から成人したてに幼い子を自分好みに育て成人したら結婚し自分の者にする事が貴族や平民でも裕福ならステータスになる。
という風習が根付いて居る。
大方、番様は囲われていたが遂に結婚を嫌がり逃げてきたのだろう。

「連れ戻されたりしません、私達がお守り致します」
「ーっ、僕に関わったら、殺されるの」

ぎゅうぎゅうと主は番様を抱き締める力が更にこもっている。
はぁーっ、番様が主に窒息されそうだ。

「ご安心下さい、番様」


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