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ご主人公様
しおりを挟むがそれはまやかしだ。
雪音はこの国の一番の権力者であり、神様である帝。
第135代目の帝…。
135代も昔からずっと華は存在する。
貴族や公爵など上の立場が、謝って子供を作らない為に、ストレスを発散される為に飼ったのが、華の始まりだ、と言われている。
まぁ、その事実は公にはされていないが。
雪音は何より知っている。
「雪音…誓っただろう」
「…」
母が亡くなった時に掛けられた言葉が脳裏に浮かぶ。
いつも優しかった母が恐いと思った。
「…イヤーッ」
ぎゅっとシーツを握り締める、雪音はまだ蕾だ…だがもう10歳になる。
椿に成るのは人によってだが、代替は10歳から13歳までに行われる。
後2年しかないのだ。
「…雪音、強制はしないよ…だが実力行使に移る事も出来る」
「ーっ」
雪音がベットの中で後ずさる、帝の華は華なら憧れる高値の華。
華は売り買いされているが、一度主が決まれば華は主が死ぬまでずっと寄り添い癒しを支える、そんな存在。
ぜったいにイヤだ。
そんなの絶対にイヤだーっ。
「そんなの嫌だっ」
ハッと口を押さえる雪音に嶺嗣が雪音の身体を押さえ込む、ビクッと身体を硬直させる。
この人にやられるくらいなら…死んだ方がましだー。
「…雪音、お前は産まれた時から、この私の華なんだ」
「ーっ」
「私からは逃げられない、そして何よりも雪音君は、華の中の華…産まれた時からイヤ、お腹にいる時からずっと私の華なのだからな」
ぎゅっと歯を食い縛る、嶺嗣はこの国の帝だ。
彼に逆らえる者はいないし、咎める者も存在しない。
「…華なんてーっいらないっ」
「明日はパーティーにしょう、この場所で一人は寂しいだろう…久しぶりにハメを外す事を許可しょう」
ベットから離れて嶺嗣はドアの方へ歩いて行く。
まだ幼い時に雪音が帝という立場を理解していなかった時に、読んでいた名前を無意識に呟いてしまう。
「…みねにー…」
口を押さえる雪音に嶺嗣は微笑みながら、ドアをしめる。
次の夜に雪音は自分の身体を清めてから華の蕾が着る、伝統的な衣装だ。
人により、デザインは違うが。
1・蕾は襦袢
2・椿は振袖
3・薔薇は着物
と決まっている。
「お似合いですよ、雪音様」
雪音が着ている襦袢は、赤色の牡丹が大きな絵が主張している、雪音の雪の様な白く儚い色をした肌にはよく栄える。
「…」
「雪音様には淡い化粧で良いですよね」
雪音に問い掛けている言葉ではない事に首を傾ける
雪音と世話役の2人しかいないはずだからだ、二人とも女子な為低い声はでないはずだ。
それなのに、男の声。
それもここは男子禁制、つまりこの場所では雪音ともう一人しか入れない。
「ーっ」
バーッと雪音が世話役の一人からタオルケットを引ったくり、自分の身体を隠す。
雪音に襦袢を会わせていただけで、今は裸同然な格好をしている。
女性に裸を見せるのは普通ではないが、雪音の場合は生まれてからずっとこの二人に世話をさせてきた為、慣れている。
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