転生したら逆行して98 回目の僕

デオール

「……おはよう、聞いたぜ」

伯爵家の三男のデオール。
茶髪でお茶目毛があり明るく人懐こい人格をしていて、誰とでも直ぐに仲良くなる。

「…耳が早いね」
「嫌でも耳に入ってくるからな、王家の事は」

チラチラと此方を見る気配にため息をつく、興味津々そうに此方を見ている人達に嫌気がさす、僕は見世物ではないよ。

「……そう」
「で王子さまから何かしら言われたり、贈り物されたりしたのか」

されたら受け取らない分けにはいかないが、冷えきった関係なんだよね。
帝王様の前ではそれなりに振る舞っていたが、もう何年も会話らしい会話さえしていないし、顔を会わせることも最近はない。

「ないよ、そもそも政略結婚だしね」
「政略結婚って……なんで」
「王家の仕来たりかなぁ、現に姫様だった母様の息子と王子様だった弟君の息子と姉君だった姉君の娘に話は言っていたんだし」

母様の下には弟が居て、母様の上に姉がいた、長男だった帝王は王になったが、弟君は公爵家に姉君も公爵家に嫁いだ。

「その中でも文武両道、才色兼備、魔力も強い者が選ばれたんだよ、後年齢上下５歳くらいの差までがいいって話しで」

同じ年に産まれたのが運の月な気がしてならないよね。