運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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菖蒲に

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「・・・本当に奏太なの」
「うん、心配掛けてごめんね」

ぎゅっと抱きしめる、菖蒲の部屋の窓から僕はすんなり入って来れたが、クリス様とルイスさんは苦戦している。

「奏太、奏太心配したんだよ、今まで何処に居たの、あっ兄貴達に」

パシッとクリス様が菖蒲の部屋のドアに結界と防音を張るのが分かる。

「それは、止めてくれ本来なら姿を見せるのも例外なんだ」
「ーっっ、あなた達は誰ですか、奏太を誘拐した人」

菖蒲の言葉を遮り僕は首を振るう。

「違う、菖蒲僕を助けてくれたんだ、この人がいなければ僕は太陽に当たり死ぬ所だった」
「奏太を助けてくれたのは感謝しますが、奏太が行方不明って連日放送されていた筈です、何で直ぐに保護していると連絡しなかったんですか」

菖蒲の剣幕に罪悪感が生まれる、吸血鬼の時間では数日しか経っていない感覚だが実在はかなりの月日が経っている事を僕は知って居たのに。

「それは、菖蒲」
「奏太には聞いていないよ、奏太が直前まで具合が悪かった・・・・奏太火傷の後は」
「嫌、えっと」

戸惑う僕にルイスさんが菖蒲の手を握る。
菖蒲は吃驚したのか、ルイスさんを振り払うが力では敵わない。

「ルイス、確かか」
「あぁ、兄者俺の運命の番だ」
「そうか、奏太話をしていい」

僕は頷く、正体がバレる事は危険が上がる、だが、運命の番なら仕方ないとされる。
本人に吸血鬼になる為の覚悟がなければ、記憶を消すと説明された、僕は菖蒲は人間として生きて欲しいけれど、菖蒲は大人に成っても喘息が治る事はないと診断されている。




「菖蒲、僕はクリス様とこれから先生きる事になる」
「奏太」
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